原子力発電について
美浜発電所3号機事故について

なぜ事故に至ったのですか
点検リストから破損部位が漏れていたことおよび、事故に至るまで修正できなかったことによるものです。

2次系の配管については、平成2年に「原子力設備2次系配管肉厚の管理指針(PWR)」(「PWR管理指針」)を策定し、その後配管の減肉が予想される部位などについて、スケルトン図や点検管理票といった点検リストを用いて計画的に肉厚を測定し、減肉が進んだものは取替えてきました。

スケルトン図と点検管理票

しかし破損した配管の部位は、要管理箇所が点検リストから欠落し、かつ、事故に至るまで修正できなかったことから、事故発生まで肉厚測定を実施していませんでした。

2次系配管肉厚管理に関する事実関係

復水配管の流量計(オリフィス)の下流部で大きな破口が確認されました。蒸気として流出した水量は約885トンと評価しました。
破損した配管は、設計上4.7ミリメートルの厚さが必要とされていましたが、昭和51年(1976年)のプラント運転開始時に10ミリメートル(公称)あった厚さが、今回の破損箇所の最も薄い箇所では、約0.4ミリメートルでした。
原子力安全・保安院(当時)の報告では、オリフィス下流部は偏流が発生しやすいことや破損部位の内面観察結果などから、いわゆるエロージョン・コロージョンにより配管肉厚が徐々に減少した結果、配管の強度が不足し、運転時の荷重により破損したものと推定されています。

破損箇所
破損箇所
オリフィス概要図
オリフィス概要図 美浜発電所3号機のしくみと復水配管破損箇所(概略系統図)

1次冷却材系統の主要配管はステンレス製であり、2次冷却材系統の配管に使われている炭素鋼に比べて100倍程度減肉に強いものを使用しています。噴出した蒸気は2次冷却材であり周辺環境への放射能の影響はありません。

PWR(加圧水型軽水炉)のしくみと破損箇所

加圧水型の原子力発電所では、

  • 原子炉容器にあるウラン燃料の核分裂により、発生する熱を1次冷却材に伝えます。
  • 1次冷却材を蒸気発生器に送り、2次冷却材に熱を伝え2次冷却材を蒸気にします。(蒸気発生器では、1次冷却材と2次冷却材が直接混じり合わないように熱伝達をしており、2次冷却材は放射性物質が含まれないようにしています。)
  • 2次冷却材の蒸気はタービン・発電機を回して電気をつくります。
  • タービンを回す仕事をした蒸気は復水器で海水に冷やされ水に戻ります。
  • 水に戻った2次冷却材を再び蒸気発生器へ送り、蒸気にし発電を繰り返すサイクルとなっていますが、水の2次冷却材をいきなり蒸気にするのではなく、給水加熱器であらかじめ2次冷却材を温めています。

今回の事故は、第4低圧給水加熱器の後の配管が破れたため、高いエネルギーをもった熱水が蒸気となって噴出したものです。

用語解説

エネルギー