原子力発電について
美浜発電所3号機事故について

2012年11月28日


第2回 原子力安全検証委員会

 当社は、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策について、社外の有識者を主体とした独立的な立場からその有効性を検証し、継続的な改善に支えられた安全の確保をより確実なものとすることを目的として、平成17年4月に「原子力保全改革検証委員会」を設置しました。
 さらに平成24年4月9日に当社が公表した「大飯発電所3、4号機における更なる安全性・信頼性向上のための対策の実施計画」の中で、社長が決意表明した「原子力発電の自主的・継続的な安全への取り組み」についても、同委員会として、確認・助言していくことから、同年7月に「原子力保全改革検証委員会」から「原子力安全検証委員会」へ名称変更いたしました。
 前回の第1回原子力安全検証委員会では、「原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み状況について」審議して頂き、「30項目等の対策の実施にあたっては、訓練等ソフト面の確認を含め、優先順位や資源投入の問題等の点についても社内の推進会議等の場で議論していくことが大切である」等の意見等を頂きました。
 第2回検証委員会では、「美浜発電所3号機事故の再発防止策の実施状況」、「原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み状況」、「安全文化醸成活動の中間状況確認」について審議が行われ、その結果をお知らせいたします。



1.日 時 平成24年10月29日(月) 13時30分~16時30分
2.場 所 関西電力株式会社 本店
3.出席者
委員長  【社 外】 佐藤 信昭 (弁護士)
副委員長  【社 外】 邦夫 (京都大学名誉教授)
委員  【社 外】 加賀 有津子 (大阪大学教授)
   【社 外】  田中 健次 (電気通信大学教授)
   【社 外】 増田 仁視 (公認会計士)
   取締役副社長  井狩 雅文  
   取締役副社長 生駒 昌夫  
     
(敬称略 社外委員名は五十音順)
 
(※小松原 明哲(早稲田大学教授)委員は、当日欠席のため、別途説明)

4.冒頭挨拶等
    佐藤委員長挨拶骨子
     
7月の第1回原子力安全検証委員会開催以降、原子力発電をとりまく動きとしては、政府の安全確認を受けた大飯発電所3、4号機が再稼動して、特別な監視体制の下で、今夏の電力供給に多大の貢献をしたと聞いている。また、福島第一原子力発電所の事故後の安全基準の策定をつかさどる原子力規制委員会、同規制庁が9月に発足し、シビアアクシデント対策の法制化など、新基準作りが開始されている。今後、新たな規制体制の下で、再稼動の判断基準も明確になり、現在停止している関西電力はじめ全国の原子力発電所の安全性が評価されるものと受け止めている。
他方、関西電力では、福島第一原子力発電所事故を踏まえた、規制にとどまらない世界最高水準を目指した「原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み」が進められており、当検証委員会でも継続的な改善に支えられた安全の確保に資するため、本取組みに対して、様々な観点から助言してまいりたい。
前回の第1回原子力安全検証委員会においては、この取組みについて議論を開始し、各委員から多くの意見をいただいたので、これらを踏まえて本日の報告をしていただきたい。
本日は、最初に、「美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況」、次に「原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み状況」、最後に「安全文化醸成活動の中間状況確認」について報告をいただき、審議していく。
各委員からは、専門的あるいは大局的な観点から忌憚のないご意見を頂戴し、活発な議論をしたい。
     
5.議事概要
    5-1.第1回検証委員会で頂いた意見に対する対応状況について
  <報告内容等>
第1回原子力安全検証委員会で頂いた意見への対応状況について [PDF 102KB]
 第1回検証委員会で委員の方から頂いた意見に対する対応状況について、原子力安全推進委員会事務局から報告し、審議・了承。
<意見等>
世界最高水準の安全に向けた取組みの「見える化」「伝わる化」を意識して、広く外部に情報発信する具体的なプロセスや考え方を明示して頂けると、提言などもできる。(加賀委員)
プラント停止が長期化している状況を踏まえると、高速増殖炉「もんじゅ」が長期に亘ってプラント停止して起動する時に起きた問題などから学ぶこともあるのではないか。今後とも情報交換などを実施することが有効かと思う。(増田委員)
    5-2.美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について
        原子力事業本部から、「美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について」報告。
<報告内容等>
 
<意見等>
社員・協力会社員アンケートの結果については、議論になるところ、内容が変化したところ等を定量的に示してもらえれば、議論の参考になると思う。(加賀委員)
   
5-3. 原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み状況および監査結果について
   原子力発電所における自主的・継続的な安全への取組みについて、原子力事業本部から、また、同監査結果について経営監査室から報告し、審議。
<報告内容等>
<審議結果>
関西電力は、「原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み」において、推進体制を構築し、本年4月に策定した「大飯3,4号機における更なる安全性・信頼性向上のための対策」を着実に実施していた。
また、公表された4件の福島第一原子力発電所の事故報告書から電気事業者に対する指摘事項を抽出・検討し、これまでの安全対策に加えて、さらに「シビアアクシデント対策プロジェクトチームの設置」などの対策の実施に取り組んでいた。
今後とも、関西電力は、世界最高水準の安全性を目指し、事故報告書等からの知見や国内外の最新技術情報を積極的に収集し、自主的・継続的に、原子力発電の安全性の向上に努めていくことにしており、その取組み状況を本委員会は引続き確認していく。
     
<意見等>
(30の安全対策)
原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み状況を監査するに当たっては、30の安全対策のうち、規制として早く実施しなければいけない対策で既に終わっているものや、規制の枠組みを超えた自主的な対策はどれかなどをわかるように整理した方が良い。(田中委員)
(世界最高水準の安全性)
関西電力が世界最高水準の安全性を目指していることを一般の方々に納得して頂くためには、諸外国の基準やプラントと比較して、日本の状態をきちんとおさえることが大事である。(増田委員)
会計の世界では、国際標準があり、これを踏まえた国内基準に基づき公認会計士が監査している。原子力発電も今後進めていくためには、日本の規制を満足するだけではなく、世界の基準に基づいたIAEAの監査などにより、日本の原子力発電も国際基準レベルになっていることを示すことが重要である。(増田委員)
(最新知見の取入れ)
関西電力が世界最高水準の安全性を目指すのであれば、単に最新知見や諸外国の安全対策を集めるだけでなく、取り入れる際のスクリーニングが大事だと思うので、どのようなスクリーニングが望ましいのか、について監査の仕方も含めて考えてほしい。(東副委員長)
独立新組織の設立が現在進められているが、自主規制をする組織として社会的に評価、信頼されるためには、かなりの権限を持って、電力会社やメーカーに対して指示等を行い、ペナルティを課すといったことまでする必要があると思う。(増田委員)
現在設立が進められている独立新組織は、関西電力に対し提言・勧告していくことになっており、一方、本検証委員会は様々な視点から助言等を行っているところであるが、それぞれの役割はどうなっていくのか。まだ、独立新組織の方向性が見えないが、全体としてどのような形に整理されるのかということも検討していってほしい。(生駒委員)
(情報発信)
関西電力の世界最高水準を目指す取組みの評価や提言を実施する機関として、独立新組織が作られているところだが、その機関が出来上がるのを待つのではなく、逆に電力から独立機関のあり方などを発信しても良いのではないか。自分の会社だけが世界最高水準ではなく、国全体の仕組みが世界最高水準を目指していくのだという考えで進めてほしい。(増田委員)
規制の枠にとどまらないということは、規制で定められていることを超えて設備を充実するだけでなく、電力会社が運転や現場作業等を通じて持っている知見、経験や能力を規制に反映していくことも含まれているので、自らも規制に発信されてはどうか、と思う。(東副委員長)
(教訓から学ぶ)
福島第一原子力発電所事故にかかわる報告書からの教訓抽出は、電気事業者の目で見た分析だけでは、見方が事業者の視点に限定されるように思う。危険物を扱う他の事業者などにおいても、今回の事故報告書を読んで、他山の石として教訓を汲み取ると思う。それらの知見なども参考にしてはどうか。安全について、原子力事業者特有の発想というものがあることを強く感じており、それが時に原子力村の発想、といわれるものとなっていたのだと思う。事業や立場の違う他者に学ぶ、という姿勢も、世界最高水準を目指す上では必要ではないか。(小松原委員)
世界最高水準の安全性を目指した取組みにおいて、「原子力安全システム全体を俯瞰できる人材」、「大災害時に的確な統率能力を発揮できる人材」の育成は、今回の福島第一原子力発電所の事故からの教訓として重要だと思う。(田中委員)
事故報告書からの教訓抽出は、原子力分野だけでなく、他の産業界とも共有していっていただきたい。そのためには、良いものを作っていただきたい。(田中委員)
    5-4.安全文化醸成活動の中間状況確認および監査結果について
       安全文化醸成活動の中間状況確認について、原子力事業本部から、また同監査結果について経営監査室から報告し、審議。
<報告内容等>
<審議結果>
関西電力の平成24年度安全文化醸成活動の中間状況の確認では、 「プラント安全」、「労働安全」、「コンプライアンス」の結果について特段の問題は見受けられなかった。
平成24年度初めに策定した重点施策については、概ね計画どおり進捗していた。さらに、原子力を取り巻く環境の変化を踏まえ、懸念される現場技術力の分析・検討や協力会社への支援など、施策を進めることにしている。
安全文化評価の枠組みに、公表された福島第一原子力発電所の事故報告書等からの教訓を取り入れる活動が継続されている。関西電力は、引き続き事故報告書における指摘事項に加え、背景要因まで深掘りし、教訓を抽出することとしているので、その活動を本委員会でも確認していく。
<意見等>
(安全文化評価)
安全の結果の評価項目として「プラント安全」、「労働安全」、「社会の信頼」の三つがあるが、プラントが長期に亘って停止している状況において評価すべき項目についても考えてほしい。(東副委員長)
安全文化醸成活動の中間状況確認において、発生した労働災害4件が近年の発生件数と比較して低い水準であるとの評価があるが、プラントが長期に亘って止まっているという状況を加味して評価すべきである。また、監査側も同様の視点で確認してほしい。(田中委員)
安全文化の評価の視点で、「トラブルの未然防止」を「更なる安全性、信頼性の向上」に見直しているが、「更なる安全性、信頼性の向上」という言い方は、漠然としている。方針としては良いが、下の階層で具体化する必要がある。全体のバランスを決めているのなら良いが、できるだけ何をするのか、イメージできるような表現の方が良い。(田中委員)
安全文化評価の枠組みにおいて、プラント長期停止などの環境の変化を受け、これまでの安全の取組みが劣化していないかどうかみていく必要がある。(井狩委員)
新規の要員をどうしていくかなど、今の状況の中で起きてくる新たな課題に着目していく必要がある。(井狩委員)
シビアアクシデント対策の取組みは、本来的には会社そのもの、原子力部門そのものが問われていることとなり、安全文化評価の3つの基本的な視点のひとつである「学習する組織」の典型的な項目となる。シビアアクシデント対策そのものに色々な意見もある段階では、現場まで巻き込んだ安全文化評価の仕組みに入れていくには、まだ無理があると思う。会社そのものが学習する組織であり続けているかという観点など、今日的な安全文化評価をもう一度見つめ直し、本委員会も含めてきっちり見て頂けるようにすることが必要である。(井狩委員)
(重点施策)
プラントが長期に亘り停止している状況の中で、協力会社も含めた形で技術力を維持していくことは大切な視点と思う。(加賀委員)
マナー教育にはまだまだ改善の余地があるように感じる。たとえば個人の振る舞いをビデオに撮って、その人自身にそれを見せて、悪い点を改善させるとか、いろいろなアプローチがあると思う。また、レクレーションのようなコミュニケーションを図る企画も含め、マナー向上活動が、ねらいに対して効果をあげているか否かについても、しっかり評価してほしい。(田中委員)
    5-5.次回検証委員会の検証テーマおよび検証の視点について
       次回検証委員会の検証テーマおよび視点について経営監査室から提案し、審議。
     
<審議結果>
  次回(第3回)検証委員会の検証テーマと検証の視点については、以下のとおりとすることで了承。
     
検証テーマ 視  点
原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み状況について 規制の枠組みにとどまらず、更なる安全への取組みが、自主的かつ継続的に進められているか。
第2回 原子力安全検証委員会 佐藤委員長、東副委員長(左から)
第2回 原子力安全検証委員会
佐藤委員長、東副委員長(左から)
<参考資料>
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用語解説

エネルギー