原子力発電について
美浜発電所3号機事故について

これまでの「美浜発電所3号機事故再発防止対策」、「安全文化醸成活動」に加え、「自主的・継続的な安全への取り組み」についても確認・助言することから、これらを「原子力安全」と簡潔に表現し、名称を「原子力安全検証委員会」に変更いたしました。至近の取組みについては「原子力安全検証委員会」をご覧ください。
2009年11月25日



第13回 原子力保全改革検証委員会



 当社は、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策について、社外の有識者を主体とした独立的な立場からその有効性を検証し、継続的な改善に支えられた安全の確保をより確実なものとすることを目的として、平成17年4月に「原子力保全改革検証委員会」を設置しました。
 平成20年の第11回検証委員会からは、新しい体制の下で原子力の安全文化の醸成に関する事項について助言等もいただくこととしました。第12回の委員会では、安全文化評価の仕組みの本格的な運用状況及び重点施策の実施状況を中心に検証していただき、今後はその評価結果に基づく重点施策の具体化と実行を適切に進めていくことにより、安全文化の醸成をさらに深めていくことを期待する旨の評価をいただきました。その後、平成21年8月、9月には、検証委員による発電所等の視察が行われました。
 今回の第13回検証委員会では、安全文化評価、重点施策の実施状況及び現場の安全に関する諸施策の実施状況について、検証が行われました。その結果をお知らせいたします。


1.日 時 平成21年10月30日(金) 13時30分~16時50分
2.場 所 関西電力株式会社 本店
3.出席者
委員長  【社 外】 佐藤 信昭 (弁護士)
副委員長  【社 外】 邦夫 (京都大学名誉教授)
委員  【社 外】 小松原 明哲 (早稲田大学教授)
   【社 外】  田中 健次 (電気通信大学教授)
   【社 外】 槇村 久子 (京都女子大学教授)
   【社 外】  増田 仁視 (福井経済同友会代表幹事)
   取締役副社長 齊藤 紀彦  
   常務取締役   井狩 雅文  
     
(敬称略 社外委員名は五十音順)

4.冒頭挨拶等
    4-1.佐藤委員長挨拶骨子
     
今回で本委員会も13回目になり、新たな体制の下2年目を迎えた。また、今回から新たに東邦夫京都大学名誉教授を副委員長にお迎えした。
検証委員会では、外部有識者として外部の目線で、美浜3号機事故の再発防止対策を踏まえた関西電力の原子力の安全文化の醸成状況について、しっかりと確認して検証していく。
平成21年8月、9月には、2班に分けて原子力発電所等の現地視察を行い、運営状況をつぶさに見てきた。そこで得られたことを今後の検証活動に活かしていく。
平成21年度上期については、原子力発電所の安全・安定運転は順調に推移していると聞いている。しかしながら、こうした最中、本年7月7日に大飯発電所で協力会社社員の労災事故、重大事故が発生し、これまでの取り組みがよかったのか、その後しっかりと対策がとられているのか等々を含めて、安全文化の観点からも十分に確認していく必要がある。
本日の委員会では、平成21年度上期のプラント安全、労働安全、社会の信頼といった安全の結果から見た安全文化の中間評価結果が出たので、その検討過程、評価の妥当性について、重点施策については、平成21年度上期の進捗状況について審議をお願いする。
更に、美浜3号機事故再発防止対策について、運転中の立ち入り制限に関する報告があると聞いているので、安全最優先の観点で問題がないかの確認も併せてお願いする。
     
5.議事概要
    5-1.第12回検証委員会で頂いた意見に対する対応状況について
   第12回検証委員会で委員の方から頂いた意見に対する対応状況について、原子力保全改革委員会事務局から報告し、審議・了承。
    5-2.美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について
        美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について原子力保全改革委員会事務局及び原子力事業本部から報告。
 
<意見等>
現在、検討されている運転中の保全活動に関して、「定期検査前の準備作業」、「定期検査前の設備重点点検」、「運転中の日常点検」等の違いについて、わかりやすい表現にした方がよい。(槇村委員)
経済界の立場では、原子力発電所の稼働率を高めることを期待しており、そのためには定期検査の間隔を長くしたり、定期検査期間を短くしたりして稼働率を高めることが考えられる。運転中立入制限の問題はこの点に影響するので関心を持っている。(増田委員)
    5-3.安全文化醸成状況と監査結果について
(1) 安全文化評価の実施状況
   安全文化評価の実施状況について原子力事業本部から、また、同監査結果について経営監査室から報告し、審議。
     
<審議結果>
(1)安全文化評価の実施状況及び(2)重点施策の実施状況(下記参照)に関する審議結果。
関西電力の原子力安全文化評価において、平成21年度上期に評価の仕組みの充実が図られ、「プラント安全」、「労働安全」、「社会の信頼」の視点から活動の中間評価が実施されている。
この評価の仕組みの中で、平成21年7月に大飯発電所で発生した協力会社社員の労災事故を真摯に受けて、平成21年度重点施策が一部強化されるなど、適切な対応が取られている。
平成21年度重点施策の実施状況については、一部で計画の見直しがなされていたが、概ね着実に実施されている。
平成21年度下期には、各発電所や原子力事業本部を含む全体評価が実施される予定であり、安全文化醸成活動の検証を継続していく。
<意見等>
発電所でのトラブル数は、原子炉の数が多い発電所は確率的に多くなると思うので、比較評価する場合は各発電所の原子炉の数を考慮してはどうか。(槇村委員)
「労働安全」の中間評価について、平成21年度上期の労働災害件数は平成20年度と比較すると減少傾向だが、過去5年間と比較すると必ずしも減少していないと思う。昨年度の20件の労働災害が若年層だけでなく全体の層に及んでいることに対して、平成21年度は重点施策を実施しており、平成21年度上期は6件に減ったということなので、対策の効果は出てきているということを強調した評価であれば分かりやすい。(田中委員)
安全文化醸成への取組みは、原子力だけではなく、医療業や製造業等の色々な業界で同じように取り組んでいるところが沢山あるので、学会等を利用して、是非、成果や良い取り組みを発表し、その事例を示して頂くことを期待している。(田中委員)
    (2) 重点施策の実施状況
   重点施策の実施状況について原子力事業本部から、また、同監査結果について経営監査室から報告し、審議。
     
<意見等>
社員と協力会社との工程等に関するコミュニケーションギャップの解消に向けて色々な取組みがなされているが、それらが成功しているかどうかについて関心がある。(東副委員長)
社員・協力会社アンケート結果分析にある「現場に足を運ばない」の問題点は、現場に関電の顔が見えていないという心情的な意味なのか、協力会社の現場作業のところに関電の担当が来る頻度が実際に少ないことが問題なのかが不明であり、この点も踏まえて対応策を検討することが大切である。(小松原委員)
社員・協力会社アンケート結果分析にある「聞く姿勢」に関して、関電が御用聞きになるということではなく、現状の請負形態の中で、関電、元請、下請の関係を押さえた上で良好な関係を築くという姿勢が大切である。(小松原委員)
ハットヒヤリ活動については、報告することをまず褒めることが大切である。また、ハットヒヤリを全発電所で情報共有を図るには、各発電所で共有すべき情報であるかどうかをしっかり判断する目が大切である。(田中委員)
協力会社の意見に工程に関するものが多いのは、決められた時間の中で効率よく定期検査をしなければならないからなのか、協力会社の都合によるものなのかなど、様々な要素が絡みあっていると思う。原子力発電の稼働率を上げながら、かつ安全にするにはどうすればよいのかという問題につながっていくと思うので、きちんと整理して対応を考えていくことが大事だと思う。(槇村委員)
関電と協力会社で技術情報連絡会を開催するなど、コミュニケーションを密にしたり、ハットヒヤリで協力会社社員も含めた表彰制度を導入したり、細やかな対策が実施されていると思う。原子力施設では、正確な作業が求められる環境の中なので、何かよいことをしたとか、何もないことをよしとするような表彰をすることで、作業をされる方々のモチベーションをさらに上げるということにも留意していただければよいと思う。(槇村委員)
新入社員が半年後の研修報告を行う時には、地域の方々のご参加も頂ければ、入社後の早い段階で、地域の方々の思いや意識を実感することに役立つと思う。(小松原委員)
発電所で、所長等が輪番制で所員にメールを発信するなど、各発電所が自律的に独自の取り組みをすることは大事だと思うので、大切にしてほしい。(槇村委員)
    (3) 現場の安全に関する諸施策の実施状況
       現場の安全に関する諸施策の実施状況について原子力事業本部から、また、同監査結果について経営監査室から報告し、審議。
     
<審議結果>
関西電力は、美浜3号機事故再発防止対策等をベースとして、その後に発生した労働災害や安全文化評価結果を活かして、現場の安全に関する諸施策を充実している。
具体的には、安全管理研修会の中で、安全技術アドバイザーを講師として、危険予知活動に重点をおいた研修をするなど、これまでの諸施策を活かしつつ、より効果的なものとしてきたといえる。
安全文化中間評価で、重点施策に反映された協力会社社員の労災事故の対策については、今後もフォローしていく。
平成21年8~9月に検証委員による現場視察を実施したが、現場の安全レベルの向上には地道な活動が大切であり、また人も入れ替わるため、関西電力は、今後も協力会社との協業の理念を軸として、継続的かつ着実な諸施策を行っていくことを期待する。
<意見等>
関西電力で最近発生している労働災害は、美浜3号機の事故と少し違うような気がする。いろいろな労働安全の対策を協力会社に対して一生懸命実施しているのは理解できるが、発注者である関西電力には、請負側の協力会社で発生する労働災害の防止について、自らの力が及ばないところがあるのではないか。関西電力には、直接的な責任はなくとも、社会的な責任から、更なる安全確保に努力する、またしていくつもりがあるということはわかった。(東副委員長)
大飯の労働災害の対策はポイントを押さえていると思うが、現場の人に伝える際には、現場の人がはっと気がつくように、「専用の金具を使用することを徹底する」、「準備や後片付けの作業の時こそ、特に上下作業に注意する」等の表現にした方が効果的である。(田中委員)
設備対策を十分に尽くした上で、より層の厚い安全を求めていくためには、危険感受性など、人に頼る安全も考える必要があり、そのためには個人の資質を高めることが重要になってくる。今までのようなリスクアセスメントやハットヒヤリでは見つけ出せない気がかりや不安になるものを発掘する施策を、今後は考えていく必要がある。(小松原委員)
協力会社と一体となって安全を確保していくという姿勢は非常に重要である。ただし、関西電力との一体化を求めすぎるのではなく、協力会社の自主的な安全文化構築の動きを支援し、育てていくという形が大切である。(小松原委員)
協力会社の中には他の電力の原子力発電所でも仕事をしている会社もあることから、そのような協力会社から安全に関する気付きなどを拾い上げるようにし、共有してはどうか。(増田委員)
    5-4.その他報告事項について
       その他報告事項として、原子力事業本部から、「美浜発電所3号機における国際原子力機関の運転管理評価チームの評価結果について」、「MOX燃料調達に関する進捗状況」について報告。
     
<意見等>
MOX燃料の体数変更の発表においては、全体像の説明、即ち157体のうちMOX燃料の最終的な装荷体数、最初の装荷体数、その中での今回の変更体数の関係などの説明があれば、一般の方々の理解が深まると思う。(増田委員)
    5-5.平成21年度下期の検証テーマと検証の視点について
       平成21年度下期の検証テーマと検証の視点について経営監査室から提案し、審議。
     
<審議結果>
平成21年度下期の検証テーマと検証の視点については、以下のとおりとすることで了承。
     
検証テーマ 視  点
美浜3号機事故再発防止対策の実施状況
継続検討中の課題も含め、業務の中で定着し実施されているか。
安全文化評価の実施状況
年度評価が適切に実施され、重点施策の方向性が導かれているか。
安全文化評価の仕組みが、美浜3号機事故再発防止対策の風化防止としても有効か。
重点施策等の実施状況
重点施策等が計画的に進捗し、効果を上げているか。

<配付資料>
・ 第12回原子力保全改革検証委員会でいただいた意見への対応状況 [PDF 19.5KB]
・ 美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況 [PDF 1.06MB]
・ 安全文化評価の実施状況 [PDF 304KB]
・ 重点施策の実施状況 [PDF 757KB]
・ 大飯発電所1、2号機で発生した重大な労働災害の原因と対策 [PDF 185KB]
・ 美浜発電所3号機における国際原子力機関の運転管理評価チームの評価結果 [PDF 114KB]
・ MOX燃料調達に関する進捗状況 [PDF 58.5KB]

増田委員、槇村委員、田中委員、小松原委員(左から) 佐藤委員長、東副委員長(左から)
増田委員、槇村委員、田中委員、小松原委員(左から)
佐藤委員長、東副委員長(左から)
第13回原子力保全改革検証委員会
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用語解説

エネルギー