原子力発電について原子力って必要なの?

温暖化は着実に進んでおり、解決するべき課題です

近年、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量増加によって地球温暖化が進行しています。人間活動によってCO2が増え始めたのは産業革命以降のことです。石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料の使用が急増し、燃料を燃やすことによってエネルギーを得るようになったことにより、CO2の排出量は増加しています。

最悪のシナリオで温暖化が進行すれば、21世紀末には、産業革命前と比べて世界平均気温が3.3~5.7℃上昇する可能性があるとされています。このまま地球温暖化が進んでしまうと、降水量や海面水位の変化、生態系の喪失といった自然界における影響だけでなく、インフラや食料不足、水不足など人間社会を含めて深刻な影響が想定されています。
地球温暖化を防ぐために、CO2などを減らすことがわれわれ人類にとって目下の課題となっているのです。

参考:JCCCA HP

世界のエネルギー消費量とCO2排出量の推移

原子力発電はCO2排出量の少ない発電方法です

電源によってCO2排出量は大きく異なります。

原子力発電は、地球温暖化の大きな要因となる大気汚染・酸性雨の原因となる硫黄酸化物や窒素酸化物も出さないという特徴を持っています。
また、燃焼を伴わないため、CO2排出量が、石油・石炭と比べると格段に少なく、自然エネルギーを利用した太陽光発電や風力発電と同じ程度しかありません。

各種電源別のライフサイクルCO₂排出量

国でもGX(グリーントランスフォーメーション)への検討が進められています

地球温暖化対策を求める世界的な流れとして、フランス・パリにおいて開催された 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、「パリ協定」が採択されました。その中では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をすることが掲げられました。それを受け、日本政府は2020年10月、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」、つまり脱炭素社会の実現を目指すと宣言しました。
関連して昨今話題になっているのは、GX(グリーントランスフォーメーション)という言葉です。GXとは、従来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造を、クリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革を目指すことです。
2023年2月、「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。その中では、原子力発電は再エネと並び、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源と位置付けられています。2021年10月に閣議決定した第6次エネルギー基本計画から引き続き、2030 年度電源構成に占める比率において、20~22%の確実な達成が目指されています。

2021年度速報値、2030年度におけるエネルギー需給の見通し
出展:資源エネルギー庁HP
  • ※四捨五入の関係で、合計が100%にならない場合がある。
  • ※再エネ等(水力除く地熱、風力、太陽光など)は未活用エネルギーを含む。

関西電力は発電時にCO2を出さない原子力の活用を進めていきます

関西電力も、国がカーボンニュートラルを目指す方向を示したことに伴って、2021年に『関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050』を定めています。その中で、地球温暖化を防止するため発電事業をはじめとする事業活動に伴うCO2排出を、2050年までに全体としてゼロとするという目標を設定しています。
そして、2022年3月には2050年ゼロカーボン実現に向けた今後の道筋を定めたゼロカーボンロードマップを策定しました。そのなかで、原子力の活用については3点お示ししています。

原子力発電所の運用高度化
  • 海外プラントの取組みなども参考に、柔軟な運転期間の設定や、定検期間、時期の最適化など、稼動率を改善するための取組みを検討。
新増設・リプレースの実現
  • プラントメーカー等と協力しながら現プラントモデルの安全性や経済性を向上させた次世代軽水炉の設計の検討を進める。
  • 将来の可能性を有するSMR・高温ガス炉等の国内外で開発中の新型炉に関する最新知見を収集し、技術的な検討を進める。
水素製造への活用
  • これまで、安定的に大量のゼロカーボンの電気を供給するものとして活用されてきた原子力エネルギーを、将来的には、その電気や高温熱を使った水素製造にも活用し、原子力のさらなる拡大を図る。

関西電力は安全確保を大前提にこれからも原子力発電の活用を続けていきます。

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