原子力発電について
美浜発電所3号機事故について

第11回 原子力安全検証委員会

 第11回原子力安全検証委員会では、「美浜発電所3号機事故の再発防止対策の実施状況」、「ロードマップの平成28年度上期の進捗状況」について審議が行われましたので、その結果をお知らせいたします。

※「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」のことであり、平成28年度上期の進捗状況については、平成28年11月10日にお知らせ済み。

1.日 時
平成28年11月14日(月)13時30分から16時30分
2.場 所
関西電力株式会社 本店(大阪市北区中之島)
3.出席者(敬称略)
(委員長)
[社外] 渡邉 一弘わたなべ かずひろ(弁護士)
(副委員長)
[社外] 山口 彰やまぐち あきら(東京大学教授)
(委 員)
[社外] 安部 誠治あべ せいじ(関西大学教授)
[社外] 岩崎 日出男いわさき ひでお(近畿大学名誉教授)
[社外] 加賀 有津子かが あつこ(大阪大学教授)
代表取締役
副社長執行役員
土井 義宏どい よしひろ
取締役
常務執行役員
勝田 ( かつだ ) 達規 ( ひろのり )

4.冒頭挨拶

 渡邉委員長挨拶骨子
  • ○既に報道等によりご承知のことと思うが、関西電力の原子力発電は、前回の検証委員会以降も大きな動きがあった。まず、高浜発電所1、2号機、美浜発電所3号機に対して、新規制基準の適合性審査について認可等がおり、40年を超えて再稼動に向けての前進があった。次に、高浜発電所3,4号機 運転差止の仮処分命令に対する保全異議申立等は、地裁で再び関電の主張が退けられたものの、高裁への保全抗告の申立を行い、12月末には審理を終結するとの裁判所の方針が示されている。
  • ○これらにより、関西電力の原子力発電所を大別すると、審査等に合格し、再稼動を目指している発電所、審査等に合格したが、今後数年間の工事を経た後に、再稼動を目指す発電所、廃炉に向けて対応する発電所の三種類が存在することになる。いずれの道においても、社会の厳しい眼に十分応えられる、原子力に対する高い安全性が求められると言わなければならない。
  • ○そのような中、「美浜発電所3号機事故を真摯に反省し、二度と起こさない」という決意に基づき、「関西電力における原子力発電の安全性向上の取組みを検証・確認する」という当委員会の役割は、今後とも変わることなく、求められていくものと考えている。また、関西電力が取組んでいる「ロードマップ」の進捗状況や、社達「原子力発電の安全性向上への決意」の浸透状況等についても、この委員会で確認していくが、これらの作業によって、関西電力のみならず、わが国における原子力発電の安全性に対する理解にいささかでも貢献できればと望んでいる。
  • ○本日の委員会では、「原子力発電の安全性向上に向けた取組状況」を検証テーマとし、その中で、「美浜発電所3号機事故の再発防止対策」および「ロードマップ」の取組状況等について、「再発防止対策が風化することなく、自立的に取組まれているか」、「社達の「安全文化を高め、原子力発電のリスク等を認識し、リスクの継続的な低減を図り、安全性を向上させる」という考え方に基づいて取組まれているか」といった観点から検証していく。各委員からは、専門分野の眼、あるいは社会一般の眼から、活発かつ忌憚の無いご意見、ご助言を頂きたい。

5.議事概要

5-1.美浜発電所3号機事故の再発防止対策の実施状況

美浜発電所3号機事故の再発防止対策の実施況について、原子力事業本部から報告し、審議。

<報告内容等>
<意見>
  • ○これからの美浜発電所3号機事故の再発防止対策の取組みは、リスクに対する認識を持ち、新しい知見や運転経験等を生かして再発防止対策を一般化して、発展させてほしい。(山口副委員長) 
  • ○美浜発電所3号機事故の再発防止対策には、いろいろな角度から取組まれており、非常によくやっていると評価している。ただ、事故の「再発防止対策」と事故を教訓にしてさらなる安全性に取組む「未然防止対策」は分けて考える必要があるのではないか。品質方針とその活動計画を整理した表の標題が「美浜発電所3号機事故の再発防止対策」になっているので、標題と取組項目の整合を図られたほうがよい。(岩崎委員)
  • ○地元の方々に取組状況を分かっていただくことは大切であり、引き続き、地元とのコミュニケーションを進めていただきたい。(加賀委員)

5-2.「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実(ロードマップ)」の平成28年度上期の進捗状況および監査結果について

「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実(ロードマップ)の平成28年度上期の進捗状況について、総合企画本部から、また、同監査結果について経営監査室から報告し、審議。

<報告内容等>
<意見>
(ロードマップのあり方)
  • ○「平成27年度までは、福島第一原発事故の教訓や新規制基準の要求といったゴールが見えていて、そのゴールを達成するために訓練やリスクマネジメント等の計画策定、実施により、概ね達成したというのが今のフェーズだと思う。これからのフェーズは、中期的に、例えば5年後に安全への取組みをどういう姿にするかという目標を明示し、それに向かってそれぞれの年は何をするという計画を立て、実施していくアプローチが良いと思う。(山口副委員長)
(原子力防災)
  • ○実際の防災訓練には、ハード対策もソフト対策もあるため、ロードマップの報告において、一般の方に分かりやすく説明することに心がけてほしい。(渡邉委員長)
  • ○訓練は、それを行った結果、不都合や改善点を見つけ、より良いものにしていくことが目的であり、それが大事である。(渡邉委員長)
  • ○防災訓練に関して、具体的な実施事項をチェックシート化して、その確認に資するのはいいことだが、毎年同じように実施していると慣れが起こり、十分に確認をしないまま、チェックだけをするようなことになる恐れもある。形骸化しないようにチェックシートを設けた主旨等を繰り返し理解させる必要がある。(渡邉委員長)
  • ○防災訓練の評価には、原子力規制庁には原子力規制庁としての評価基準があり評価していると思う。事業者が自らのプラントの中身を詳しく知っているので、自主的な安全性向上への取組みの趣旨は、より良い改善をいろいろしていくということだと思う。そのような観点から、自らも独自の視点を持って評価する必要があるのではないか。外部からの評価としての原子力規制庁の評価と、事業者自らがより良いものに向上させている様の両方を説明していく工夫も必要ではないか。(山口副委員長)
  • ○原子力防災において、電力事業者が協力することは良い取組みであり、社会から見ても安心が増すので、しっかりと取組んでほしい。(山口副委員長)
  • ○関西電力は、原子力規制庁の基準を用いた評価の結果に一喜一憂するのではなく、問題点や弱点を見つけることを主眼とした挑戦的な防災訓練のシナリオを作成してほしい。(安部委員)
  • ○ロードマップの取組みを端的にハード対策、ソフト対策に分けるのではなく、安全性向上への取組みの本質は何なのかをもう一歩踏み込んで考えてほしい。具体的には本質(狙い、目的)に対し、どのような施策を行い、効果はどうであったか等、資料のまとめ方を工夫してほしい。(岩崎委員)
(リスクコミュニケーション)
  • ○40年超運転への取組みは、日本では関西電力がパイオニアなので、リーフレットを作成し住民の不安に答える等の努力をして、しっかりと取組んでほしい。(山口副委員長)
  • ○難しい面があるとは思うが、「40年以降の運転」のリーフレットを作成する時、福島第一原発事故以前のように「大丈夫です」、「安全です」と電力会社の論理を一方的に発するのではなく、残余リスクはあるという視点も入れて作成されたい。(安部委員)
  • ○「40年以降の運転」に関するリーフレットを作成する際、目的や誰を対象にするか、考えて取組んでほしい。また、不安や心配をいかに解きほぐしていくか、分かりやすさや真摯な気持ちをベースにした丁寧な説明の仕方を検討し、リーフレットの作成や今後のコミュニケーションの行い方、リスクコミュニケーションへの取組み方を検討してほしい。(加賀委員)
(監査のあり方)
  • ○かなり質の高い監査を実施されている。今後とも監査を受けた側の人達が監査を受けて良かったと感じるプラスになるような監査をしていってほしい。(岩崎委員)

5-3.原子力安全検証委員からいただいたご意見を踏まえた取組状況

原子力安全検証委員からいただいたご意見に対する取組状況について報告し、審議・了承。

<報告内容等>

以 上

<参考資料>
越前若狭のふれあい特別号No.39 [PDF 5.03MB] 

渡邉委員長、山口副委員長
渡邉委員長、山口副委員長

第11回原子力安全検証委員会の様子
第11回原子力安全検証委員会の様子

 

用語解説

エネルギー