原子力発電について
美浜発電所3号機事故について

これまでの「美浜発電所3号機事故再発防止対策」、「安全文化醸成活動」に加え、「自主的・継続的な安全への取り組み」についても確認・助言することから、これらを「原子力安全」と簡潔に表現し、名称を「原子力安全検証委員会」に変更いたしました。至近の取組みについては「原子力安全検証委員会」をご覧ください。
2009年5月11日



第12回 原子力保全改革検証委員会



 当社は、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策について、社外の有識者を主体とした独立的な立場からその有効性を検証し、継続的な改善に支えられた安全の確保をより確実なものとすることを目的として、平成17年4月に「原子力保全改革検証委員会」を設置しました。
 平成20年の第11回検証委員会からは、新しい体制の下で原子力の安全文化の醸成に関する事項について助言等も行うこととしました。第11回の委員会では、安全文化評価と重点施策の実施状況に関して検証いただき、当社が安全文化評価の仕組みを整備するとともに、重点施策についても着実に進めている旨の評価をいただきました。
 今回の第12回検証委員会では、安全文化評価の仕組みの本格的な運用状況及び重点施策のその後の実施状況を中心に検証を行ないました。その結果についてお知らせいたします。

1.日 時 平成21年4月17日(金) 13時30分~16時50分
2.場 所 関西電力株式会社 本店
3.出席者
委員長  【社 外】 佐藤 信昭 (弁護士)
委員  【社 外】 小松原 明哲 (早稲田大学教授)
   【社 外】  田中 健次 (電気通信大学教授)
   【社 外】 槇村 久子 (京都女子大学教授)
   【社 外】  増田 仁視 (福井経済同友会代表幹事)
   取締役副社長 齊藤 紀彦  
   常務取締役   井狩 雅文  
     
(敬称略 社外委員名は五十音順)

4.冒頭挨拶
    4-1.委員退任の報告
       委員会冒頭に、会社から、中込副委員長が独立行政法人原子力安全基盤機構の理事に就任されたことに伴い、検証委員を退任されたことを報告した。
    4-2.佐藤委員長挨拶骨子
     
検証委員会は、前回からは半年ぶりということになるが、その間、昨年12月には、約4年8ヶ月ぶりに福井県内の原子力発電所11基全てが運転状態になった。
また、今年に入って、美浜3号機でIAEAの運転管理調査団(OSART)の現地調査が行なわれ、再発防止対策、安全文化評価の取組みともに非常に高い評価を受けたと聞いている。
発電所のトラブルも減少傾向にあり、これまでの安全への取組みが機能してきたとも思われるが、労災件数は若干増加傾向にあり、トラブルの中には、ちょっとした事で防げたはずのものが散見されている。引き続き安全文化の醸成に向けた努力が肝要であろうと思う。
前回の委員会では、発電所も含めて安全文化評価の仕組が整ったこと、また重点施策についても計画的に進められていることを確認した。今回の委員会では、安全文化の評価結果が出たので、その検討過程、評価の妥当性についての審議を、また重点施策に関しては、その後の進捗についての審議をお願いする。
     
5.議事概要
    5-1.第11回検証委員会で頂いた意見に対する対応状況について
   第11回検証委員会で委員の方から頂いた意見に対する対応状況について、原子力保全改革委員会事務局から報告し、審議・了承。
    5-2.美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について
        美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について原子力保全改革委員会事務局から、また同監査結果について経営監査室から報告し、審議。
 
<審議結果>  
美浜発電所3号機事故再発防止対策は、原子力事業本部ならびに各発電所において、自律的継続的に取り組まれており、日常業務のなかで目標を定め管理されている。
今後もこれらの取組みを風化させない施策の継続的検討が重要である。
<意見等>
美浜3号機事故後5年近く経ち、美浜事故を知らない社員等が増えてくる中で、安全に対する関心の度合いを如何に引き継いでいくのかについての手当が必要になると思う。その場合、再発防止のために作った仕組みだけではなくて、何故この仕組みを作っているのかという理由、さらには美浜3号機事故で何を学んだかということについても継承していくことを考えなくてはならない。再発防止対策の個々のレベルではなく、今後こうした継承を、全体としてどのように進めていけばよいのかという検討が原子力事業本部でなされ、会社としてそれをどのように評価していくのかが課題となると思う。(小松原委員)
監査で現場業務の実施状況を確認する場合には、会合回数やアウトプットだけでなく、結果には表れてこない現場が苦労している点を良く見て、そこから問題点を抽出するような前向きな監査になるように心掛けてほしい。(田中委員)
    5-3.安全文化醸成活動の実施状況について
(1) 重点施策の実施状況と監査結果
   重点施策の実施状況について原子力事業本部から、また、同監査結果について経営監査室から報告し、審議。
     
<審議結果>  
*「(2)安全文化評価の実施状況と監査結果」と合わせて審議。
<意見等>
「上司から部下への問いかけ」は、上司が部下に仕事上の注意を促すだけでなく、人間対人間のコミュニケーションを図り、「あなたのことを気にかけている」というメッセージを送るという意味でも重要な取組みである。この点、本取組みに関するアンケートで「効果がある」と答えた割合が、部下のほうが高かったことは評価できる。(槇村委員)
「上司から部下への問いかけ」の効果把握のアンケートは、効果の数字による定量的な把握だけに終始せず、少数意見の内容の分析、率直な意見の抽出等ができるように工夫し、質的な把握を目指してさらに展開してゆくことが必要と思う。(田中委員)
「協力会社との作業計画書の読み合わせ」は、協力会社とのコミュニケーションを図り、人間関係を確認するという意味でも重要な取り組みであるので、継続していってほしい。(槇村委員)
重点施策として取り組まれ日常業務に移行されたものについて、今後どのように監査していくのか検討しておく必要がある。(増田委員)
    (2) 安全文化評価の実施状況と監査結果
   安全文化評価の実施状況について原子力保全改革委員会事務局から、また同監査結果について経営監査室から報告し、審議。
     
<審議結果>  
関西電力は、美浜発電所3号機事故の教訓を風化させず安全最優先の事業運営を図るため、平成20年度から、原子力の安全文化に関する評価を行い、その評価結果に基づく課題に対応していく仕組みを整備し、本格的に運用開始した。
各発電所は、それぞれ各所の工夫を織り交ぜながら安全文化評価を実施し、これを受けて原子力事業本部は多角的な検討を加え、全体評価を実施している。
21年度は、その評価結果に基づく重点施策の具体化と実行を適切に進めていくことにより、現場の自主性を大切にしつつ、安全文化の醸成をさらに深めていくことを期待する。
<意見等>
航空機の運航乗務員の世界では、4Pという言い方がある。重要なことはフィロソフィの共有であって、フィロソフィを共有したうえで、ポリシーをたて、プロシージャーをきちっと身につけてプラクティスしていくという流れである。関西電力の原子力発電所の場合は、フィロソフィが、「プラント安全」、「労働安全」、「社会の信頼」に相当し、この3つに照らし合わせたときに、安全文化のトレンドあるいはベクトルがいい方向に向かっているのか、悪い方向に向かっているのか、そのように見ていくことが大切だと感じる。(小松原委員)
監査というのは、実施者の姿を映す鏡である。実施している人は自分たちのやっていることに一生懸命で、大きな視点から自身の姿が見えなくなりがちである。それを鏡として映し出すのが本来の監査側の役割である。個別の活動だけでなく、フィロソフィのレベルで、変な方向に行っていないか、弱点がないかという観点からの気づきにつながるよう、どのように監査していくべきかを監査側は考え続けてほしい。(小松原委員)
評価には目標に対してどのレベルまで達したかという評価と、現場の活動が十分な活動であったかという評価の2つあると思う。現場の人達がやりがい感を持ち続け一生懸命活動していることの評価もうまく表現することが、安全文化の醸成につながると思う。(田中委員)
安全文化評価に際しては、状況が良くなったかどうかということだけでなく、現場から問題点が正直に出てきていることの観点も大切である。そういう観点も織り込みながら安全文化評価を進めてほしい。検証の立場でもその観点を大切にしたい。(増田委員)
安全文化評価を行い対策を講じているにも拘わらず、なぜ労働災害が増えているのか。背景原因の中に従来の解析・再発防止対策では捉えきれていない側面があるかもしれないので、発生した労働災害の共通要因や差異等に留意して分析してほしい。(田中委員、槇村委員)
    5-4.その他報告事項について
       その他報告事項として、原子力事業本部から、「美浜線No.21鉄塔事故の水平展開状況」、「MOX燃料調達に関する進捗状況」、「原子力発電所の耐震安全性評価に係る取組み状況」について報告。
    5-5.平成21年度の検証の進め方について
       平成21年度の検証の進め方について経営監査室から提案し、審議。
     
<審議結果>
平成21年度上期の検証テーマと検証の視点については、以下のとお りとすることで了承。
     
検証テーマ 視  点
安全文化評価の実施状況
評価の仕組みの改善が進められているか
委員意見を適切にフォローしているか
重点施策の実施状況
個々の重点施策等の計画が適切に策定され、着実に進められているか
現場の安全に関する諸施策の実施状況
諸施策が従来からの活動と相まって有効に機能しているか
     
平成21年度の検証に当たっては、発電所の自律的な取組み等を直接確認するため、平成21年度においても発電所等の現地視察を計画することについて了承。
・ 事前のご意見 [PDF 12.1KB]

<配付資料>
・ 第11回原子力保全改革検証委員会でいただいた意見への対応状況 [PDF 10.3KB]
・ 美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況 [PDF 540KB]
・ 重点施策の実施状況 [PDF 520KB]
・ 安全文化評価の実施状況 [PDF 476KB]
・ 美浜線No.21鉄塔事故の水平展開状況  [PDF 28.0KB]
・ MOX燃料調達に関する進捗状況  [PDF 347KB]
・ 原子力発電所の耐震安全性評価に係る取組み状況  [PDF 575KB]

増田委員、槇村委員、田中委員、小松原委員(左から) 佐藤委員長(左)
増田委員、槇村委員、田中委員、小松原委員(左から)
佐藤委員長(左)
第12回原子力保全改革検証委員会
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用語解説

エネルギー