世界のエネルギー事情:人間社会が発展してきた背景には、エネルギーの存在が欠かせません。しかし近年、人口増加や経済成長にともない、世界のエネルギー消費量は急増しています。限りあるエネルギー資源をどう利用していくかは、今後の大きな課題となっています。

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(図表)世界の1次エネルギー消費の推移と見通し

2035年、新興国がカギを握る

世界のエネルギー消費量は年々増え続けています。国際エネルギー機関(IEA)によれば、2035年の世界のエネルギー消費量は、2011年と比べておよそ1.3倍に増加し、その増加分の多くを占めるのが、中国やインドなどのアジアを中心とした新興国だと予測しています。
これら新興国は、近年大きな経済発展を遂げており、今後ますますその成長は加速していくでしょう。これに伴い、経済を支える石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の需要も増加していくとみられています。

(図表)エネルギー資源の確認埋蔵量(可採年数)

資源はいつまで使い続けられるのか

では石油や石炭、天然ガスといった化石燃料はあとどのくらい利用することができるのでしょうか。
エネルギー資源確認埋蔵量とは、現時点で確認されている経済的、合理的な範囲で採掘可能なそれぞれの資源の埋蔵量を年間の生産量で割ったもので、「このまま使い続けるとあと何年資源を採取できるか」という数字です。
このエネルギー資源確認埋蔵量は、石炭とウランが100年近く、石油、天然ガスは50~60年ほどと見られています。
今後、新たな油田や鉱山が発見されたり、技術革新によってこの数字が変わっていく可能性はありますが、化石燃料がいつかは尽きてしまう「限りある資源」であることに変わりはありません。

中東諸国へ依存する原油

石油は政情の不安定な中東地域に偏在し、過去に二度世界的なオイルショックに陥ったように、石油供給が滞るリスクをはらんでいます。
日本は一次エネルギー資源のおよそ半分が石油で、さらにその約8割を政情が不安定な中東に頼っています。

不安定な原油価格

原油価格は市場経済によって常に変動しています。原油需要の増加に供給が追い付かなければ価格は上がり、その逆であれば価格は下がります。つまり需要と供給のバランスが価格を変動させているわけです。
原油の価格は1986年に急落して以来1990年代にかけては安定した価格が続いていました。
しかし、ここ数年は中国やインドなど新興国の石油需要の増大や、主要産油国である中東地域の政情不安、さらに短期的な価格変動に着目した投機資金の大量流入などにより、原油価格は大幅に変動しています。

(図表)原油価格の推移

急がれる地球温暖化対策

地球温暖化の主な原因であるCO2排出量の削減も大きな課題です。
近年、化石燃料の利用が急速に増大したことに伴い、CO2の排出量も大幅に増えています。

今後は新興国のエネルギー需要が急増し、それにともなう化石燃料の消費の増大が見込まれているなか、CO2排出量の削減は地球規模で実施すべき急務となっています。

(図表)化石燃料等からのCO2排出量と大気中のCO2濃度の変化

世界の国々の電源構成

加速するエネルギー消費量、限りある資源、環境への影響。
これらの問題を抱えながら、エネルギー資源をいかにして確保し、不足させることなく電力を供給するかは、世界各国においても大きなテーマです。

世界各国の電源構成は、エネルギー資源の有無や、政策の違いなどそれぞれの事情に沿って組み立てられています。
豊富な水資源を持つカナダは水力発電が6割近くを占め、石炭や天然ガスなどの化石資源が多いアメリカやドイツは、火力発電が6割~7割近くになっています。一方、エネルギー自給率を高める基本政策を打ち出したフランスは、積極的に原子力開発を進めた結果、2011年時点では約8割が原子力発電となっています。

またヨーロッパでは陸続きである利点を生かして、電力網をつなげ、一部の国で電力が不足した場合も他国が供給するという仕組みを確立し、国家の枠組みを超えた電源構成を組み立てている国もあります。
自国でできるベストな電源構成の組み合わせを追求し続けることは、エネルギー資源の確保、そして電気の需要に応えていくために非常に大切な考え方だといえるでしょう。

(図表)主要国の電源別発電電力量の構成比

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