原子力発電について
美浜発電所3号機事故について

これまでの「美浜発電所3号機事故再発防止対策」、「安全文化醸成活動」に加え、「自主的・継続的な安全への取り組み」についても確認・助言することから、これらを「原子力安全」と簡潔に表現し、名称を「原子力安全検証委員会」に変更いたしました。至近の取組みについては「原子力安全検証委員会」をご覧ください。
2007年1月29日



第7回 原子力保全改革検証委員会



 当社は、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止に係る具体的方策の実施について、社外の有識者を主体とした独立的な立場からその有効性を検証し、継続的な改善に支えられた安全の確保をより確実なものとすることを目的として、「原子力保全改革検証委員会」を設けております。
 前回の第6回検証委員会では「保守管理の継続的な改善活動は、発電所においても、自律的に進む段階にあると言える。今後とも、これらの取組みが風化することなく協力会社と一体となって実施され、関西電力の安全文化として定着されることを期待する」等の評価をいただきました。今回の第7回検証委員会では「高経年化対策」について検証いたしました。なお、検証委員会の開催に先立ち、12月22日には社外委員が原子力安全システム研究所(INSS)を視察しており、この結果も踏まえて検証を行いました。その結果についてお知らせいたします。

1.日 時 平成19年1月22日(月) 14時00分~16時30分
2.場 所 関西電力株式会社 本店
3.出席者
委員長  【社 外】 大森 政輔 (弁護士)
副委員長  【社 外】  慶次 (大阪大学名誉教授)
委員  【社 外】 黒田 (日本ヒューマンファクター研究所 所長)
   【社 外】  由紀子 (都市生活研究所 所長)
   【社 外】 政野 澄子 (福井県女性エネの会 会長)
   【社 外】  宮村 鐵夫 (中央大学教授)
   【社 外】 向殿 政男 (明治大学教授)
   取締役副社長 齊藤 紀彦  
   常務取締役   篠丸 康夫  
     
(敬称略 社外委員名は五十音順)

4.冒頭挨拶
  【大森委員長挨拶骨子】
    美浜発電所3号機が、さる10日に起動し、今後調整運転を経て、2月上旬には営業運転を再開する。運転再開に向けて一丸となり準備に当たられた全ての関係者に対し、心底から敬意を表する。同時に、今後とも安全最優先の下に、安定的運転の確保のための対応を進められる事を期待する。
    本検証委員会においては、平成18年度は毎回重点検証テーマを定め、詳細な検証を進めてきた。本日は、高経年プラントが増加する中、高経年化対策が、長期的な視野に立って、適切に推進されているかについて審議をお願いする。
    先月22日には、検証委員によるINSSの視察を実施した。席上、高経年化に係る海外も含めた最新の技術情報の収集や、新たな知見を得るための地道な研究の積み重ねについて説明を受けた。本日は、これらの結果をも踏まえ、各委員の忌憚のないご意見をいただきたい。
    なお、美浜3号機が起動を終えて、再発防止対策の実施も進展し、春には検証委員会の設置後2年を迎える。その意味で、1つの節目を迎えるものと言う事ができ、更なる再発防止対策の推進、安全文化の再構築に関して、今後検証していく組織や方法について、再検討する時期に来ているのでないかと考えている事を付言したい。
       
5.議事概要
    5-1.第6回検証委員会で頂いた意見に対する対応状況について
   第6回検証委員会で委員の方から頂いた意見に対する対応状況について、報告・審議し、了承。
    5-2.高経年化対策の実施状況と監査結果について
       原子力保全改革委員会事務局から、高経年化対策の取り組み状況について、また経営監査室から、同取り組みの監査結果について、報告・審議。 
     
<審議結果>  
関西電力の高経年化対策は、原子力事業本部高経年対策グループを基軸とした体制の下、内外の技術情報を積極的に収集・活用してプラントの高経年化に対する技術評価を確実に行い、この評価に基づいて現状の保全計画に追加すべき長期保全計画を策定している。その成果は、発電所の保全活動に反映され、着実に具体化されている。
これらの高経年化対策を支える技術基盤の整備については、プラントメーカの技術力を活かした連携・協力関係の強化を図るとともに、協業の視点でグループ会社の育成を図るなど、長期的な技術力確保の取組みが行われている。
また、プラントの高経年化への地域の皆さまの不安の声に応えるため、広報誌や各戸訪問の機会を活用し、適宜、高経年化対策に理解をいただく活動が実施されている。
以上のことから、関西電力の高経年化対策は、長期的な視点で技術基盤の整備を進めるとともに最新の知見を反映させながら対策を着実に実施していることを確認した。これらの取組みについて地域の皆さまとのコミュニケーションを進展させ、更なる安心につなげていくことを期待する。
   
<意見>  
高経年化対策と技術基盤
INSSから関西電力に行った提言に対しては、両者で十分連携をとりながら対応して行くことが重要である。(大森委員長)
協力会社との関係に関する調査など、関西電力とINSSの間で十分連携をとりながら、研究・対策を進めていくことが大切である。(黒田委員)
高経年対策における経年変化事象の抽出については、最初の設計が大切で、材料、環境等の要因に一般化し、考え方のプロセスが見え、将来を見通してPDCAが廻りやすいようにしておくと、「産んだ人」から引き継いでいくこととなる「育てる人」が使いやすいものとなる。(宮村委員)
分解しなければ何も故障しないのに、ばらすことによって却って設備不良になるようなケースがあるが、従来分解点検していた機器のデータを積み重ねることにより、検査方法を工夫していくことも考えてほしい。(宮村委員)
長期保全計画は計画として掲げられているだけでは意味がなく、現場での具体的な高経年化対策としてつなげていく必要がある。特に技術開発はリードタイムを考慮しないといけないため、課題をはっきりさせ、ロードマップを書き、モチベーションを高めていけるような仕組みを作ることが重要である。(宮村委員)
高経年化対策を進めるにあたっては、最新の知見や研究成果を高経年化対策や保守管理に適切に反映し、原子力発電所の安全性を確保することが重要である。そのためには、自ら研究を実施したり、学会等に参画し最新の知見や研究成果を入手するとともに、運転経験などから得られたデータを、日本として蓄積しておくことも重要である。(向殿委員)
取替えた旧品について寿命等の調査を行い、その結果を次の点検に活かすという研究を体系だてて実施するほうが効果的である。(向殿委員)
今後とも、どこかで問題が起これば予兆と考えて前もって慎重に検討していくということが大怪我をしない重要なポイントであると考える。(宮副委員長)
高経年化対策についても、PWRのリ-ディングカンパニ-としての関西電力の取り組みに期待する。(宮副委員長)
   
高経年化対策に関する地域とのコミュニケーション活動
高経年化対策については、これまでに行なった機器の取替状況や今後の点検・検査等の計画を、県民にとって分かりやすい言葉で説明されるようお願いしたい。(政野委員)
美浜町で実施している各戸訪問のような日常的な活動で「高経年化対策」の話を持ち出してしっかり聞いてもらうのは難しいのではないか。客観的にじっくりと受け止めてもらえるようなシチュエーションを作り出すことや、難しい話をわかりやすくビジュアルに伝えるという工夫が必要ではないかと思う。地域の皆さまの理解を深めていただくため、映像とか新しいメディアを用いるなど、わかりやすくビジュアルに伝えてほしい。また、高経年化対策は、グローバルな課題としてとらえ、先進的にも取り組んでいるという情報も付加して伝え、地元の皆様の安心につなげることを期待する。 (篠委員)
高経年化対策については、地域の皆さまの理解を深めていただくため、全体を見て最適なデザインとなるよう、いろいろな活動を組み合わせていってほしい。(宮村委員)
高経年化対策について、PRセンターでの展示などにおいて、一般の人にわかりやすい形でビジュアル化して、コミュニケ-シヨンが形成されるような取り組みが大切である。(宮村委員)
    5-3.前回検証委員会以降の動向等について
       原子力事業本部から、美浜発電所3号機の状況について報告。
     
<意見>  
高浜発電所での水漏れに引き続き、大飯発電所では不適切な物品の持ち出しがあった。こういうことが続くと、県民は、また不安を感じることになる。地域住民の声を社員や協力会社の人に伝え、安全運転に向けて、真剣に取り組んでいただきたい。(政野委員)
美浜発電所の重要なタイミングに他の発電所でトラブルが発生し、緊張感が他の発電所に伝わっていないという感じを受ける。作業者を含めたリスクコミュニケーションというか、今どのような状態に関電があるのかというようなことについて浸透させるように工夫することを検討してほしい。 (黒田委員)
   
  (会社を代表して齊藤委員より発言)
ただ今の厳しいご指摘を真摯に受け止めまして、トラブル対策委員会の場等で根本原因にまで立ち戻り、もう一度安全文化再構築のため、気を引き締めて取り組んで参りたいと存じます。引き続きのご指導よろしくお願いいたします。
       
    5-4.平成18年度第4四半期の検証テーマと検証の視点について
       経営監査室から平成18年度第4四半期の検証テーマ、検証の視点について提案・審議。
      <審議結果>
 平成18年度第4四半期の検証テーマ、検証の視点については、次のとおりとすることで了承。
       
     
検証テーマ 視  点
地域の信頼 地域の皆さまの目線にたって、信頼回復に向けた取組みが行なわれているか。
定検工事における再発防止対策の実施状況 行動計画の個別対策が現場第一線で自律的に実現されているか。
 最後に、委員長の冒頭挨拶で付言された、平成19年度における検証の組織・方法の在り方について、宮副委員長から、関西電力はどのように考えているかとの質問が出された。これに対し、社内委員である齊藤副社長から、引き続き検証委員会の活動を継続していただきたい旨の要請があり、平成19年度も現体制の検証委員会を継続することについて、各委員が了承。
<意見>  
安全文化の再構築状況を検証するのであれば、協力会社を含めたアンケートを行い、現状を把握し、比較できるようにしておくことが重要である。また、安全文化の定着状況を評価する基準を定め、どのように変化するのかを見ていくという視点が必要である。(向殿委員)
安全文化の定着に関して、国際原子力機関INSAG(国際原子力安全諮問グループ)のレポートのチェック項目も参考にすることを検討したらどうか。(宮副委員長)
安全文化の再構築に関しては、これまでの調査で把握している再発防止対策の取り組みに対する協力会社の具体的な声について、定点観測を行うなど、客観的、定量的に評価できるようにしていただければ、実効的な形でPDCAを廻すことができる。(宮村委員)

<配付資料>
・ 第6回原子力保全改革検証委員会で頂いた意見への対応状況
・ 高経年化対策について
・ 美浜発電所3号機事故再発防止対策実施状況について
・ 美浜発電所3号機事故 再発防止対策の実施状況(平成18年4月~12月実績と今後の予定)
・ 美浜発電所3号機の状況について

向殿委員、宮村委員、政野委員、篠崎委員、黒田委員(左から) 大森委員長、宮崎副委員長(左から)
向殿委員、宮村委員、政野委員、
委員、黒田委員(左から)
大森委員長、宮副委員長(左から)
第7回原子力保全改革検証委員会
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用語解説

エネルギー