原子力発電について
美浜発電所3号機事故について

第19回 原子力安全検証委員会

 第19回原子力安全検証委員会では「美浜発電所3号機事故の再発防止対策の取組状況」および「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実(ロードマップ)」について審議が行われましたので、その結果をお知らせいたします。

※2019年上期の進捗状況については、2019年11月20日にお知らせ済み。

1.日 時
2019年11月29日(金) 13時30分~17時00分
2.場 所
関西電力株式会社 本店(大阪市北区中之島)
3.出席者(敬称略)
(委員長) [社 外] 渡邉 一弘わたなべ かずひろ (弁護士)  
(副委員長) [社 外] 山口 彰やまぐち あきら (東京大学教授)  
(委 員) [社 外] 荒木 孝治あらき たかはる (関西大学教授)  
  [社 外] 小澤 守おざわ まもる (関西大学教授)  
  [社 外]  田中 嘉久たなか よしひさ (元福井県中小企業団体中央会専務理事)  
  [社 外] 松本 真由美まつもと まゆみ (東京大学客員准教授)  
  取締役副社長
執行役員
土井 義宏どい よしひろ
  常務執行役員 岡田 達志おかだ たつし
(幹 事) 経営監査室長 阿川 毅あがわ つよし
4.冒頭挨拶
渡邉委員長挨拶骨子
  • ○開会にあたり、一言、ご挨拶させていただく。
    まずもって、この場を借りて、9月から10月にかけて、かつてなかったような大型の台風15号、19号が、関東及び東北地方を直撃し、多くの河川の氾濫により、家屋の浸水、倒壊等の甚大な被害にあわれた住民の皆様に対し、心から、お見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧をお祈り申し上げる。
  • ○また、これらの台風は、長期かつ広範囲にわたる停電を惹起し、住民の皆様の日常生活に多大の影響を与えており、改めて電気・電力の大切さを認識させるものであったが、これに対し、全国の電力会社が、協力して、設備の復旧に努められたことによって、停電が解消されたと窺っており、このような事態における電力会社の協力の重要性を再認識した次第である。
  • 〇他方、誠に残念な事態ながら、時期を同じくして、関西電力においては、経営陣の金品受け取り問題が大きくマスコミ等で報道され、強い批判や非難を浴びることとなり、新たに第三者委員会を設け、厳密な調査を行うこととし、現在同委員会による調査が継続中である聞いている。
  • 〇このような事態の中にあっても、これまで蓄積し改善の努力を重ねてきた関西電力における原子力安全への取組みに後退や足踏みがあってはならず、またこれらの取組みに対する当委員会の検証活動も粛々と進めていくことが、委員会の目的に沿うものと思う。
  • ○従って、本日は、年初の計画に従い、検証テーマ「原子力発電の安全性向上に向けた取組状況」に基づき、「『原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実(ロードマップ)』の取組状況および監査結果」、「美浜発電所3号機事故の再発防止対策の取組状況」について審議する。
  • ○委員の皆様には、従前同様、ご専門分野の眼から、また社会一般の眼からご検証頂き、忌憚のないご意見、ご助言を賜るようお願いする。
5.議事概要

5-1.「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実(ロードマップ)」の取組状況および監査結果
労働災害発生状況を踏まえた今後の取組みについて原子力事業本部から、「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実(ロードマップ)」の2019年度上期の取組状況について経営企画室から、また同監査結果について経営監査室から報告し、審議。

<報告内容等>
<意見>

(労働災害)

  • ○トンネル内で溶接機やフォークリフトなどエンジン付機器を使用する際には、一酸化炭素濃度だけでなく酸素濃度も測定すべき。また作業に際しては、最初に送気を行い、安全を確認した上で開始する手順が必要ではないか。(小澤委員)
  • ○トンネル内でエンジン付溶接機をあえて使用する理由があったのか。使用した業者に問題があったのか。設計、発注、工事管理の何に問題があり原因だったのか、きちんと整理する必要がある。(田中委員)
  • ○労働災害対策として、基本動作を遵守するためには個人の行動のみではなく作業チーム内で価値観が共有されることも大事。難しいと思うが、例えば、チーム内で一歩立ち止まる価値観が共有されたことを事実に基づいて確認していくことも重要である。(荒木委員)
  • 〇協力会社が実施するリスクアセスメントを関西電力としてどのようにチェックしているのか。計画段階に加えて実施結果を確認することが重要である。(渡邉委員長)
  • ○協力会社によるリスクアセスメントを関西電力がチェックする際に、現場作業のリスクを理解している者が確認する必要がある。目に見えないリスクは数多くの現場を経験した者でないとわからない部分もあり、そういう人材の育成や確保も必要である。(小澤委員)
  • ○労働災害はゼロを目指すべきもの。原子力発電所での労働災害は社会への影響が大きく、その事を十分自覚して取り組んでいただきたい。(渡邉委員長)
  • ○リスクマネジメントの取組みの一環として、労働災害の撲滅に向けて様々な取組みを行っているが、結果が出ていないのはどこかに問題があるということ。ポイントを基本動作が遵守できていないことに帰着させているが、技術的な分析が不十分。今回の事故は決して予見できなかったものでなく、リスクアセスメントや現場でのリスクの共有ができていなかったのではないか。(山口副委員長)
  • 〇基本動作の遵守は、一般論としても、どのような労働災害についても、これを防ぐための方策として、欠かせないものであるが、特に、原子力発電所における工事や作業については、その特性を十分認識した上での基本動作の遵守であるとの意識が大事であると思う。再発防止策としての基本動作の遵守は、この事にも留意し、強調して取組むのが良いのではないか。(渡邉委員長)

(コミュニケーション)

  • ○リスクコミュニケーションで原子力発電所の40年以降運転について説明する際には、米国など海外における実績も参考になると思うので、ロードマップ報告書で紹介してはどうか。(松本委員)
  • ○原子力発電所の40年以降運転について、規制による40年という数字が前面に出ているが、圧力容器などを除くほとんどの機器、配管が交換されていることを説明することで理解をいただけるよう努めるべきではないか。(小澤委員)
  • ○美浜町全戸訪問は良い取組みである。原子力発電所の40年以降運転にとどまらず、原子力との共生についてのご意見もあると思う。せっかくいただいたご意見を地域との対話に活かし、有効に活用されたい。(山口副委員長)
  • ○原子力発電所の40年以降運転への不安の意見があるとのことだが、40年以降の運転についての説明に必要な知識を社員で共有すべきではないか。(松本委員)
  • ○原子力発電所の40年以降運転について潜在的な不安の意見がなくなっていないことについて、統一した説明も重要であるが、それぞれ住民の方々の不安の内容をよく聞くことによって、説明の仕方についても配慮いただきたい。(渡邉委員長)

(防災訓練)

  • ○防災訓練は毎年度数回実施されているが、参加者のスキルや意識の向上、緊急時に用いる機器やシステムの動作確認、夜間の実施など、各回の特色についてロードマップ報告書に記載してはどうか。(田中委員)

(監査)

  • ○人材育成について、監査において有効性を評価することは難しい。有効性の評価をどうするかを考えていってほしい。(小澤委員)
  • 〇労働災害発生を踏まえ、下期はしっかり監査してほしい。(山口副委員長)
  • 〇下期監査で労働災害対策を評価するとのことだが、労働災害に至る原因は上期にも存在していたはずなので、監査のあり方自体に対する反省点を考えていく必要がある。(荒木委員)

5-2.美浜発電所3号機事故の再発防止対策の取組状況
美浜発電所3号機事故の再発防止対策の取組状況について原子力事業本部から報告し、審議。

<報告内容等>
<意見>
  • ○安全対策で最後に残るのは教育である。ベテランでも間違えることもある。慣れや経験が邪魔をすることもあるのでしっかりと取り組んでほしい。(小澤委員)
  • ○美浜発電所3号機事故から15年目ということで、こういう取組みが定着し継続していることにまず敬意を表したい。15年が経って、社員の意識の変化はあるか、教えてもらいたい。(山口副委員長)

以 上

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