<審議結果> |
○ |
平成23年度原子力安全文化評価においては、福島第一原子力発電所事故に関して公表された報告書等からの教訓を安全文化評価の枠組みに取り入れ、事故の教訓を踏まえた評価が実施されていた。 |
○ |
また、「協力会社作業員の安全意識の更なる向上」や「若手社員育成策の充実、強化」などの重点施策については、有効に機能し、活動が定着していることから、日常業務として継続されるが、今後も実効ある活動を期待したい。 |
○ |
平成24年度は、引き続き公表される事故報告書等からの教訓を安全文化評価の枠組みに取り入れることとしており、これらのプロセスと活動を本委員会でも確認していく。 |
 |
<意見等> |
[福島第一原子力発電所事故の教訓の反映]
(教訓反映のスキーム・考え方) |
○ |
福島第一原子力発電所事故からは、直接的な教訓だけではなく、その問題の本質的な部分に目を向けた教訓も得て欲しい。その教訓を生かせば福島第一原子力発電所のような事故は起こらなかったはずだ、というような、しっかりした教訓を得るべく、取り組んでいただきたい。また、関西電力として、得た教訓をどのように安全文化醸成活動に反映していくのか、また安全文化としては反映されなかった教訓はどのように取り扱ったのかなどの、関西電力として教訓を生かすための活動の、全体スキームを明らかにすべきと思う。(小松原委員) |
○ |
福島第一原子力発電所事故の教訓をどのように安全文化醸成活動に反映するかの基本的な考え方を整理しておくべきだと思う。(増田委員) |
○ |
福島第一原子力発電所の事故から得られる教訓には、直接的な教訓と、その背景にある安全文化に関わる教訓があり、両方に目を向けることが必要だと思う。これらの教訓を整理して、安全文化と関係するポイントを抜き出し、関西電力の安全文化とどのように関係しているかを確認するプロセスが必要だと思う。(田中委員) |
○ |
たくさんの教訓が出てきたのは良いことであり、教訓の中で当社が対応できていない部分については当然、順次、対応していかなくてはいけない。一方、逆に、今回の震災においてどうしてこんなにたくさんの教訓が出てきてしまったのか、率直な議論が必要ではないか。
安全文化については、「劣化の兆候」があれば対応するといった現在時点よりレベルを落とさないという考え方も一つかもしれないが、むしろ、「自分自身の健康のため、自分なりの健康増進策を考える」というような安全文化の増進の考え方にたち、不断のレベルアップを求めていっていただきたいと思う。(小松原委員) |
(教訓を活かしていく体制) |
○ |
福島第一原子力発電所事故の情報を、関西電力の発電所の安全確保にどうつなげるかについては、教訓等の情報が時間とともに忘れられたり、抜けが生じたりしないように、特定の部署が交通整理して共有し、その活用をモニタリングしていくような仕組みが必要だと思う。(小松原委員) |
○ |
福島第一原子力発電所事故の教訓を反映すると同時に、自ら積極的にここは大丈夫かと働きかけていくことが必要であり、責任を持ってそうした取組みを行う部署が必要だと思う。そのような活動の状況を関西電力の安全文化醸成活動の中で確認していくものかと思う。(増田委員) |
(教訓例) |
○ |
事故時や緊急時といった輻輳した事態にあっては、コミュニケーションがとりにくくなることが考えられるが、そのような事態でも正確な情報が伝わるように努力するということが教訓だと思う。(東副委員長) |
○ |
福島第一原子力発電所事故対応時における官邸と事業者の情報伝達というような問題については、本質の問題は何かという分析をしていかなければならない。問題を掘り下げて原因や理由を考え、同じ問題が起きる可能性がどこにあるのかなどを洗い出すと、誰がどのように展開していくのかという具体的な対応が見えてくると思う。(田中委員) |
○ |
安全文化で抽出された教訓のうち、事故に関する情報提供については、不確定な情報をどのように出すかといった研究が足りなかったことも福島事故の教訓だと思う。(東副委員長) |
○ |
福島第一原子力発電所事故からの教訓抽出には、その背景にある本当の問題について、皆で考え、絞り出さないといけないと思う。
一例として、安全に関して現場の方が問題点を言おうとした時に、本当に躊躇したことはなかったのかというところが安全文化の大きなポイントだと思う。(田中委員) |
○ |
規制が要求すること以上に安全を確保していくということは今さら言うまでもないことである。むしろ全ての外部電源喪失が長時間続くということを想定し、対応してこなかったということが反省事項ではないか。(東副委員長) |
 |
[安全文化全般]
(重点施策) |
○ |
今後、諸外国の情報収集や活用等をしっかり行っていくためには、どのような人がどのような方法で実施するのかに留意してほしい。(東副委員長) |
○ |
H24年度新規重点施策「広い視野から規制の枠組みにとらわれない原子力安全の更なる確保」では、まず、どういうスタンスで原子力安全を捉えていくのか、規制の枠組みをどのように捉えるのかを最初に考えて、その後に具体論を検討する方が良い。(田中委員) |
(全般) |
○ |
プラント停止が長く続き、従来、やってきたことが途切れれば、ハード面、コミュニケーションを含めたソフト面で何か起こらないか心配であるので、どのような影響があるか評価しておくべきである。(東副委員長) |
○ |
原子力発電の将来の見通しがつきにくい状況においては、経営側からの社内へのぶれのないコミュニケーションが一層、重要となる。それにより、社員のモチベーションの維持・向上につなげてほしい。(小松原委員) |
○ |
社外の方が調べればわかるような情報は、相手に調べさせるのではなく、基本的なところからむしろ積極的に出していくべきである。また情報を発信するときには、情報を受ける相手の立場に立ち、形式に流れない発信が必要である。(小松原委員) |
○ |
地域対応については、地域が何を望んでいるかを想像して対応することが、リスクコミュニケーションになると思う。地域だけでなく、社会の視点から自分達を見つめること(立場を変えた想像力)、社会が自分たちに何を望んでいるかを考えることが大事であり、立場を変えた想像力は、あらゆる場面で必要となってくる。(小松原委員) |
○ |
美浜発電所3号機事故以降、「関電としてやらなければいけないことを素直に、自主的にやる」という体制が出来つつあると思う。その実績もある会社であり、そのイメージをアピールしていくことも必要である。(増田委員) |