原子力発電についてWhat's 原子力発電

放射性物質を扱っている区域から出る廃棄物を「放射性廃棄物」として管理しています。これら廃棄物は、人間の生活環境に影響がないように、廃棄物の種類と放射性物質の濃度に応じて適切な処分を行います。

放射性廃棄物の種類

放射性廃棄物とは、原子力発電所の運転などにともない発生する放射能レベルの低い「低レベル放射性廃棄物」と、使用済燃料の再処理にともない再利用できないものとして残る放射能レベルが高い「高レベル放射性廃棄物」とに大別されます。

放射性廃棄物の処理・処分

放射性廃棄物の処分にあたっては、廃棄物の分類に応じて合理的に行うことが重要です。処分方法は、深さや放射性物質の漏出を抑制するためのバリアの違いにより、浅地中トレンチ処分、浅地中ピット処分、余裕深度処分、地層処分の4つに分類されます。

処分方法

高レベル放射性廃棄物の処理・処分

使用済燃料を再処理する過程において、ウランやプルトニウムを回収したあとに残る高レベル放射性廃棄物。将来においても人間や自然環境に影響を及ぼさないよう、私たちの生活環境から長期間にわたり隔離する必要があるため、地下300mより深い適切な条件を持つ地層に多重バリアシステムを構築して埋設する「地層処分」が行われる予定です。

諸外国と日本の地層処分の進捗状況

フィンランド、スウェーデンでは、処分場建設地が決まっています。原子力大国のフランスでは、ムーズとオート・マルヌの境のビュール地下研究所近傍が候補地として挙げられており、詳細な調査が進められています。世界最大の原子力発電所保有国のアメリカでは、処分地が「ユッカマウンテン」と決定していましたが、政権交代により中止の方針となり、バックエンド対策の代替案が検討され、スケジュールを中心とした戦略が示されました。

日本においては、処分実施主体であるNUMO(原子力発電環境整備機構)により、全国の市町村を対象に処分地の公募が行われています。
現在は、北海道の寿都町と神恵内村、佐賀県の玄海町において、地質図や学術論文などの文献・データをもとにした文献調査が進められています。
当社も国内における地層処分の実現に向け、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関するお問合せ窓口を設置するなど理解活動に積極的に取組んでいきます。

最終処分地選定プロセスと各国の動き

低レベル放射廃棄物の処理・処分(クリアランス制度)

クリアランス制度とは、放射性廃棄物のうち、放射性物質が少なく、人の健康への影響がほとんどないレベルのものについて、国の認可・確認を得て、一般の廃棄物として再利用または処分できる制度で、国の循環型社会形成に資することから2005年に法制化されました。
クリアランス制度における基準(クリアランスレベル)は、私たちが自然界から受ける放射線量の1/100以下(年間0.01ミリシーベルト)となるよう法律で定められています。これは仮に複数の影響が重なった場合でも、人の健康への影響を無視することができるレベルだと国際的に認められています。

放射線を受ける量の比較

原子力事業者は、対象物に含まれる放射能の測定方法・評価方法の認可申請し、国は、この測定方法・評価方法を確認し、妥当であれば認可します。
次に、原子力事業者は、認可された方法に基づき、廃材の放射能濃度を測定・評価し、その結果を、国に確認してもらうための確認申請し、国は、この測定・評価結果を確認し、クリアランスレベルを下回っていること等が確認できれば、事業者に確認証を交付します。この2段階にわたる国の確認を経て、一般の廃材と同じように取り扱うことができるようになります。

クリアランスレベルであることを確認するための手続きの流れ(クリアランス制度)

申請実績

2020年6月15日
大飯発電所1号炉及び2号炉において用いた資材に含まれる放射性物質の放射能濃度の測定方法及び評価方法の認可申請(2021年6月16日認可)
2022年4月21日
大飯発電所において用いた資材に含まれる放射性物質の放射能濃度の確認申請(2022年9月29日確認証交付)

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事業概要