原子力発電についてWhat's 原子力発電

乾式貯蔵施設とは

原子力発電所で使い終わった使用済燃料は、再処理のため再処理工場へ搬出されるまでの間、発電所敷地内や中間貯蔵施設で一時的に貯蔵します。

当社では、原子力発電所で保管している使用済燃料を中間貯蔵施設へより円滑に搬出できるよう、また搬出までの間、電源を使用せずに安全性の高い方式で一時的に保管するため、発電所の構内に使用済燃料乾式貯蔵施設の設置を計画しています。

当社は、本計画について、福井県および立地町に対して安全協定に基づく事前了解願を提出しているところであり、引き続き、地元をはじめとする皆さまのご理解を賜りながら、原子力発電所の一層の安全性・信頼性の向上に努めてまいります。

原子燃料サイクルのイメージ

乾式貯蔵は、使用済燃料プールで十分に冷却した使用済燃料の一部を、再処理のために搬出されるまでの間、「キャスク」と呼ばれる金属製の頑丈な容器に収納し、空気で自然に冷却しながら貯蔵するもので、冷却に電源を必要としない安全性の高い貯蔵方式です。
※当社では15年以上冷却したものを収納

日本では茨城県の東海第二発電所などで乾式貯蔵がすでに行われており、ほかにも国内の複数の発電所等で設置に向けた申請が行われています。また海外でも米国やスイスなどで実績があります。

発電所敷地内の使用済燃料の流れ
乾式貯蔵の冷却イメージ

キャスクの構造と安全機能

キャスクは、使用済燃料を安全に貯蔵するために、法令等に基づき「除熱」「閉じ込め」「遮へい」「臨界防止」の4つの安全機能を有しており、地震、竜巻、森林火災等に対して安全機能が維持できる設計となっています
なお、キャスクからの放射線量は胴・蓋や遮へい材等により、周辺で人が作業しても問題ないレベルまで低くなります。また、キャスク表面の温度は人がすぐばまで近づいても問題ない程度の温かさです。

キャスクの構造)

輸送にも使用するキャスクの特別の試験条件

使用済燃料を収納したキャスクは、乾式貯蔵施設から中間貯蔵施設へ輸送します。

このため、輸送中に想定されるさまざまなトラブルに対しても安全機能が損なわれない頑丈な設計となっており、例えば9mの高さから落下させても問題ないことを確認しています。

輸送にも使用するキャスクの特別の試験条件

キャスクの格納方法(個別格納方式)

キャスクは、個別に格納する方式を採用します。これは原子力規制委員会に認められた安全な貯蔵方式です。地震等の自然災害に対しても安全機能が維持できるよう、キャスクに衝撃吸収カバーを取り付け、地震時に転倒しにくいよう横向きの状態で架台に載せ、並べて保管します。また、保管に当たっては放射線を遮るため、鉄筋コンクリート製の格納設備をキャスクごとに設置します。
なお、この個別に格納する方式は、発電所内で確保できる敷地が限られているなか、安全を大前提とした上で、必要な保管容量を確保するため、採用したものです。なお建屋の中にキャスクを複数格納する建屋集中格納方式と比べても、安全性に変わりはありません。

個別格納のイメージ

個別格納のイメージ

これにより発電所敷地境界外で受ける放射線量は、原子炉施設本体等からの線量を含めても、日本人が1年間に自然界から受ける放射線量に比べて十分に低く、胸部エックス線1回あたりの線量を下回るレベルです。

乾式貯蔵施設は想定される津波の影響を受けない位置に設置し、森林火災等の火災源からも十分な離隔距離を確保することでキャスク自体の性能と合わせ、地震や津波など、想定される様々なリスクに対してキャスクの安全機能が損なわれないように設計します。

乾式貯蔵施設設置イメージ

乾式貯蔵施設の容量・工期

美浜
発電所
高浜
発電所
大飯
発電所
容量 最大10基、約100t 最大32基、約350t 最大23基、約250t
工期 2026年~2030年頃 (第一期)2025年~2027年頃
(第二期)2025年~2030年頃
2025年~2030年頃

乾式貯蔵施設の容量は、中間貯蔵施設への年間輸送可能量を算出し、その量を一時的に保管できる量として、3つの発電所合計で約700tとしています。
工期については、まず国の許認可および福井県、立地町の事前了解を得たうえで、2025年に高浜発電所の工事を開始し、続いて大飯、美浜と設置工事を進め、全体として2030年頃の竣工とする計画です。

PICKUP

  • あくなき安全性の追求
    <原子力安全に対する私達の決意>

    あくなき安全性の追求 原子力安全に対する私達の決意

  • 再生可能エネルギーの
    普及・拡大に取り組んでいます。

    再生可能エネルギーの普及・拡大に取り組んでいます。

事業概要