運転を終了した原子力発電所は、使用済燃料等を取り出すとともに、施設を解体撤去し、これに伴い発生する廃棄物の処理処分などを行います。これを「廃止措置」といいます。
廃止措置を行うにあたっては、あらかじめ廃止措置に関する計画を定め、法令に基づき原子力規制委員会に申請し、その認可を受ける必要があります。
関西電力では、2015年4月27日に美浜発電所1,2号機を廃止した後、2016年2月12日に「廃止措置計画認可申請書」を原子力規制委員会に提出し、2017年4月19日に認可されました。第2段階以降の計画見直しを2021年7月29日変更認可申請、2022年3月23日に認可されたことを受け、2021年度に第1段階を終了し、2022年度から第2段階を開始しています。
また、2018年3月1日大飯発電所1,2号機を廃止した後、2018年11月22日に「廃止措置計画認可申請書」を原子力規制委員会に提出し、2019年12月11日に認可されました。
ここでは、例として美浜発電所1,2号機の廃止措置の計画についてご説明します。
私たちの基本方針と計画
人と環境の 安全確保 |
安全の確保を最優先に、放射線被ばく線量及び放射性廃棄物発生量の低減に努め、保安のために必要な機能を維持管理しつつ着実に進めます。 |
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安全遂行に向けた 工法・技術策定 |
周辺の公衆及び放射線業務従事者の放射線被ばくを低減するよう、廃棄物処理に必要な設備の機能を維持しつつ、効果的な除染技術、遠隔装置の活用等を講じた解体撤去の手順及び工法を策定し実施します。 |
万全の体制 | 廃止措置を安全かつ着実に進めていくため、「廃止措置技術センター」(2015年6月、原子力事業本部に設置)を主体に、協力会社と一体で進めます。 |
関西電力の原子力安全に係わる理念は「原子力発電の安全性向上への決意」をご覧ください。
廃止措置の計画
美浜1、2号機廃止措置の計画
廃止措置の全体工程(約30年間)を4段階に区分し、段階的に進めます。大飯1,2号機廃止措置の全体工程はコチラを参照ねがいます。
大飯1、2号機廃止措置の計画
廃止措置の全体工程(約30年間)を4段階に区分し、段階的に進めます。
第1段階 解体準備期間(2017[認可後]~2021年度)
解体準備期間として、系統除染、残存放射能調査を実施し、第2段階からの工事計画を立案します。
また、核燃料物質(新燃料)の搬出を行うとともに、放射性物質により汚染されていないタービン建屋内の2次系設備などの解体に着手します。
工事内容 | 安全対策 |
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第2段階 原子炉周辺設備解体撤去期間(2022~2035年度)
放射能レベルの低い原子炉周辺設備の解体撤去を開始するとともに、第2段階が終了するまでに核燃料物質(使用済燃料)を搬出します。
工事内容 | 安全対策 |
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第3段階 原子炉領域解体撤去期間(2036~2041年度)
放射能レベルの減衰を待って原子炉領域を解体撤去します。
工事内容 | 安全対策 |
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第4段階 建屋等解体撤去期間(2042~2045年度)
管理区域を解除するとともに原子炉格納容器などの建屋を解体撤去します。
工事内容 | 安全対策 |
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