2021年度下期の取組み実績
1.安全最優先の理念の浸透および定着

経営層が現場の意見に直接耳を傾けるとともに、安全最優先の理念を率先して伝えています。
- 2021年度は、経営層自らが対話の進行役を務め、現場課題などの傾聴や解決に向けた議論をより一層重視するよう、運営を見直しました。

美浜3号機事故を踏まえ、組織の安全文化を評価し、改善につなげる活動を推進しています。
- 今年度は、各所および経営層の自己評価を踏まえ、原子力部門全体の組織の状態を俯瞰的に分析し、経営層と議論を重ね、組織の状態と課題を整理しました。
- 課題を踏まえた改善策を次年度の重点施策(中間管理層の役割に着目した伝わるコミュニケーションの充実)としてまとめました。
2.安全性向上に関する基盤整備

人材育成計画に基づき、「原子力安全を支える人材」を継続的に育成しています。
- OJT指導者向けに、コミュニケーションスキルの研修を実施しました。
- 研修では、相手のレベルにあわせて成長を促すコミュニケーションや、正しい方法だけでなく失敗例も伝えるなどの実践的な指導のコツを、演習形式で学びました。
3.安全性向上に関する活動の実施

- 重要なケーブルを燃えにくい難燃ケーブルへ取替え
(施工距離390km) - 非難燃ケーブルのトレイに防火シートを取付け
(施工距離4.5km) など
40年超運転に向けた、高浜2号機の安全性向上対策工事が完了しました。
- 設計基準強化への対応として高浜2号機で進めてきた火災防護の工事が完了し、計画していた設備の据付けや取替えなどがすべて完了しました※。
※ 国に認可をいただいた安全性向上対策工事の設備の据付けや取替えなど。

国や自治体と事業者が連携した原子力総合防災訓練を実施し、事故時対応能力の向上に努めています。
- 地震によって発電所への電気の供給が途絶えたという想定のもと、当社は、対策本部の運営、事故制圧、住民避難支援訓練を行いました。
- 発電所では、国・自治体が住民避難の判断を行うために必要な情報を遅滞なく的確に通報できる補助ツールを開発し、訓練にて実効性を検証しました。

万一の原子力災害を想定し、緊急時における対応能力の向上に取り組んでいます。
- 重大事故が発生した場合の、発電所対策本部の指揮者向けの研修として、事故の経過に伴い発生する可能性のある様々なストレスへの対応を行う訓練(「たいかん訓練」)を行いました。
4.リスクマネジメントをはじめとするマネジメントシステムの確立・改善

梯子を固定できる架台を拡張設置
事故や災害を未然に防ぐため、リスクマネジメントの取組みを進めています。
- 設備改善要望の聴取りなどにより、現場の潜在リスクを把握し、本質的な安全対策を検討しています。また、社外の労働安全コンサルタントによるパトロールを実施し、労災多発傾向にあった「新規入構者」「高所作業」「重量物運搬作業」を重点的に確認しています。

発電所の安全に係る取組み状況を観察・評価し、改善につなげる取組みを行っています。
- 12月には、美浜発電所にて、他電力社員による所員へのインタビューや作業・現場状況の観察を実施し、専門的・客観的な視点から評価をしていただき、提言や気付き事項をいただきました。
5.コミュニケーションの充実等

社会の皆さまの疑問・不安に向き合い、共に考えていく姿勢で、双方向コミュニケーションを展開しています。
- 公募見学会では、40年超運転に向けた取組み、原子力発電所の必要性・安全性等について理解を深めていただけるよう、PR施設にて、VRも活用して、説明を行いました。