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高浜発電所の安全対策

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高浜発電所だよりVOL.128 2020年4月発行

高浜発電所1、2号機 安全対策工事における協力会社作業員の方の
労働災害(死亡事故)の原因と対策

再発防止対策等について

(発生の状況)
  • ○3月13日、トンネル奥で掘削作業の準備を監視していた作業員の方が背後から後退してきた火薬運搬用のトラックに轢かれ、病院に救急搬送されましたが、同日、お亡くなりになられました。
(作業状況)

 現場周辺にいた作業員からの聞き取り結果などから、以下の状況が判明しました。

  • ○被災者の方は、作業区画内の道路中央付近でトラックに背を向けて掘削壁面の穴あけ作業を見ていたと推定。
    また、発破作業など騒音環境のために耳栓をしており、音が聞き取りにくい状況であったと推定。
  • ○トラック※1の運転手は、誘導員がいなくても作業エリア※2内に進入しても良いものと思い込み、車両を後退させた。
  • ※1 荷台には火薬保管用のコンテナがあり、ルームミラーやサイドミラーから車両後方が確認できない死角の多い車両
  • ※2 立入禁止エリア
(原因)
  • ○トラックの運転手は、車両の誘導がないにもかかわらず、作業エリア内へ車両を後退させたことから、車両の後方死角に被災者の方がいることに気付かず、被災者の方を轢いた。

作業現場 トンネル縦断図

(対策)

 トンネルの掘削工事を行う現場作業においては、以下の対策①から③を実施。

  • ① 車両後退においては、新たに誘導員を配置
  • ② 騒音環境での車両進入を警告するセンサー・パトライト(拡声器付き)を視認できる位置に設置
  • ③ 車両の死角をカバーするバックモニターを活用

労働災害発生の傾向の分析と対応

  • ○労働災害発生防止のための抜本的対策を検討するため、各発電所の工事(特重工事、安全対策工事、廃炉工事他)について、現場状況等の確認、最近の労働災害の傾向分析および協力会社とのコミュニケーションを実施しました。
(最近の労働災害の傾向)
  • 土木建築工事に関係する労働災害が多く、その原因は、「基本動作の遵守」からの逸脱が共通している。また、特に工事量の多い高浜発電所で多数の労災が発生している。
  • 対策として、「労働安全コンサルタント」の資格を有する安全技術アドバイザー1名を新たに高浜発電所専属として配置し、土木建築工事を重点的に見回り、現場指導を行います。
  • ※労働安全コンサルタントは、厚生労働大臣が認めた労働安全のスペシャリストとして、労働者の安全水準の向上のため、事業場の診断・指導を行う国家資格(士業)

協力会社とのコミュニケーションを踏まえた全体工程の見直し

 安全対策工事、特重工事等の大規模工事がある中、協力会社の意見を踏まえ、今後の作業変更等を想定し、要員配置や作業期間の調整に余裕を持たせるため全体工程を見直しました。

全体工程図

献花台

 高浜発電所において、発電所構内にある「鎮魂の碑」に献花台を設置しました。
 お亡くなりになられました被災者の方に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方に寄り添いながら誠心誠意尽くしてまいります。

電気事業法に基づく業務改善計画の提出について

 当社の役職員が、社外の関係者から金品等を受け取っていた問題等により、高浜町の皆さまからの信頼を裏切り、多大なるご迷惑をおかけしていることについて、深くお詫び申し上げます。

 当社は、2020年3月に、第三者委員会から、今回の事案に係る事実関係、原因究明、再発防止の提言などを取りまとめた調査報告書を、また、経済産業省から、電気事業法に基づく業務改善命令を受領しました。当社は、報告書ならびに本命令を厳粛かつ真摯に受け止め、新たに設置した「経営刷新本部」において、再発防止策を取りまとめ、3月30日に業務改善計画を策定しました。今後、新たな経営体制のもとで、具体的な施策を決定のうえ確実に実行してまいります。

 業務改善計画においては、今後、再発防止に責任をもって取り組むにあたり、経営責任ならびに役職員の責任の所在の明確化を図っております。また、第三者委員会の調査報告書において、役員退任後の嘱託等の報酬について、正当性が認められないとのご指摘をいただきました。当社としては、このご指摘を厳粛かつ真摯に受け止め、支給済みの嘱託等報酬の全額回収を図ることとしました。今後、役員退任後の嘱託等の業務委嘱については、取締役会で決定することで、客観性を高め、再発防止に努めてまいります。

再発防止に向けた業務改善計画の主な内容

◎企業風土の変革
  • ●不退転の決意で改革を断行していくために、「常にユーザー目線で考え、行動し続けること」や「誠実で透明性の高い開かれた事業活動を継続していくこと」などを宣誓します
  • ●「ユーザー目線」でのコンプライアンス意識を醸成するために、コンプライアンス推進に係る基本方針等を網羅的に見直します
  • ●内向きの企業体質を是正するために、コンプライアンスに係るトレーニング・研修を強化し、コンプライアンスを重視する健全な組織風土の醸成に取り組みます
◎ガバナンス体制の再構築
  • ●執行と監督が明確に分離され、外部の客観的な視点を重視した実効的なガバナンス体制を構築し、取締役会の監督機能を強化するために、指名委員会等設置会社への移行を検討します。
    また、取締役会の議長は、社外出身者の取締役会長が担います
  • ●原子力事業本部を健全なガバナンスの効いた組織にするために、コンプライアンスを所管する本部長代理を設置します。
    また、監査機能を強化するために、常駐する監査特命役員を任命します
◎コンプライアンス機能の強化
  • ●コンプライアンスに係る監督機能を強化するために、社長等執行から独立した「コンプライアンス委員会」を新設します
  • ●コンプライアンスに係る推進機能を強化するために、執行側に「コンプライアンス推進室」を新設します
  • ●グループ全体のコンプライアンス機能の強化を図るために、「コンプライアンス委員会」と「コンプライアンス推進室」の双方が積極的に連携します
◎発注業務等の適切性と透明性の確保
  • ●工事の発注・契約等に係る牽制機能を強化するために、一部を除き契約権限を調達本部に移管します
  • ●工事の発注・契約手続き等の透明性を確保するために、外部の専門家等で構成される「調達等審査委員会」を新設します
  • ●競争発注を形骸化させないために、特定の個人や企業に対してのみ便益を供するような、工事の発注・契約等に係る事前情報提供等を禁止します

業務改善計画の詳細と今後の取組みの進捗状況を、当社ホームページでご報告いたします。

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