シビアアクシデント対策の改善と大飯発電所の基準津波了承についてご紹介します
大飯発電所だより2015 特別号 VOL.13

[給水訓練における送水車の導入]
大飯発電所では、電源喪失や炉心損傷等の過酷な状況を想定した様々な訓練を行っています。
原子炉等を冷却できない事態を想定した「給水訓練」では、これまで数多くの消防ポンプやホースを敷設していましたが、新たに送水車を導入したことで、消防ポンプを使用するよりも給水開始までの時間を削減することが可能となります。
今後も、訓練の改善を行い、緊急時の対応能力の向上に努めていまいります。
※1 給水開始までに必要な時間は、最初に給水を必要とする仮設水槽(原子炉格納容器への給水ライン)の場合で約15時間と評価しています。
※2 取水系統は送水車1台の構成になりますが、万が一の場合を考慮し送水車の予備を配備し、多重化を図っています。
大飯発電所の基準津波は、平成27年1月23日の審査会合において了承されました。津波の波源となる若狭海丘列付近断層については、音波探査記録等を解析した結果、長さ約38kmと約12kmの2つの断層であると評価していましたが、原子力規制委員会のご指摘を踏まえ、福井県の想定と同じ長さ(約90km)で基準津波の評価を実施しました。
さらに、若狭海丘列付近断層による津波と、海底地すべりによる津波が同時に発電所に到達とするという厳しい条件を想定し基準津波を決定しました。
今後、基準津波に対して防護壁等の対策を実施する予定です。
当社は、原子力発電の信頼を回復するため、規制の枠組みにとどまらず、自主的かつ継続的な安全性向上への取り組みを着実に進めてまいります。