運転開始から40年を超える美浜発電所3号機および高浜発電所1、2号機の再稼動に向け、安全の確保に万全を期してまいります
関西電力からのお知らせ 2021年5月16日発行
運転開始から40年を超える美浜発電所3号機
および高浜発電所1、2号機の再稼動に向け、
安全の確保に万全を期してまいります。
▲最初に、原子力発電所で取り組んでいる安全対策をご説明いたします。
原子力発電所の安全確保について(その1)
- 事故を起こさない、起こったとしても進展・拡大を防ぐため、何重もの安全対策を行っています。
- 事故の進展を食い止めるためには、「機器や計器を動かす電源」と「原子炉を冷やし続ける水」を確保する必要があります。そのため、電源や給水手段について何重もの対策(多重化・多様化)を行っています。
原子力発電所の安全確保について(その2)
- また、万が一重大事故が発生した場合の対策として、原子炉格納容器の水素爆発を防ぐ対策等を行っており、さらにテロ等のあらゆる事態への備えとして、意図的な航空機衝突等に対処するための施設の設置も進めています。
- これまでご説明した安全対策は、東京電力福島第一原子力発電所事故を教訓として取り組んでいるものです。
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福島第一原子力発電所事故の概要について
原子力発電所では、原子炉容器内の核燃料が核分裂する際に発生する熱を利用して蒸気をつくり、その蒸気でタービンを回して発電しています。また、原子力発電所は、核分裂を「止める」、燃料を「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」という考え方で設計されています。しかし、福島第一原子力発電所では、地震に伴い発生した津波によって、全ての電源を失い、「冷やす」「閉じ込める」の機能が働かなくなり、重大事故に至りました。
事故が発生した場合の対応能力の向上について
- 万が一の事故に備え、発電所構内に、速やかに対応できる要員49名が24時間常駐。さらに、事故が発生した際は、当社社員に加え、協力会社やプラントメーカー、建設会社による発電所支援により、合計700名以上が事故収束に注力することになっています(美浜発電所の例)。また、教育・訓練の充実・強化や防災訓練の実施により、事故時の対応能力の向上を図っています。
▲続いて、運転期間が40年を超える美浜発電所3号機および
高浜発電所1、2号機における取組みについてご説明いたします。
原子力発電所の運転期間について
- 福島第一原子力発電所の事故後、法律(原子炉等規制法)の改正により、原子力発電所の運転期間が40年とされるとともに、原子力規制委員会の認可を受ければ、1回に限り20年延長(最長60年運転)できるルールとなりました。美浜発電所3号機および高浜発電所1、2号機は、60年までの運転期間延長について、原子力規制委員会から認可をいただいています。
- なお、アメリカでは、稼働中の94基のうち約9割の86基が60年まで運転することが認可されており、そのうち、47基は既に40年を超えて運転しています(2021年4月末時点)。
大型機器等の取替え
- 高浜発電所1、2号機では、全ての設備や機器に対して計画的にメンテナンスを行い、大型機器や配管等、取り替えられるものは積極的に新しいものに取り替え、事故の未然防止に努めています。
取替えが難しい設備への対応
- 運転開始から40年を迎えるにあたって、取替えが難しい「原子炉容器」、「原子炉格納容器」、「コンクリート構造物」については、通常のメンテナンスに加え、設備の状況を詳細に把握するために、詳細な点検(特別点検)を行いました。その結果、いずれの設備にも異常がないことを確認しています。
さらに、高浜1、2号機それぞれ約3,000以上ある重要な設備を、部品レベルに仕分けて評価を行い、60年運転時点の設備の状態を想定しても、運転を安全に行うことができることを確認しています。
●40年を超える原子力発電所の安全性については、こちらからもご覧いただけます。
- ■長浜市長と高島市長による美浜発電所視察
2020年10月9日(金)、美浜発電所の安全性向上対策について、長浜市の藤井市長と、高島氏の福井市長に現地をご視察いただきました。
■住民説明会での説明
長浜市と高島市で、地域の皆さまを対象に開催された住民説明会において、美浜発電所3号機と高浜発電所1、2号機で実施している安全対策について当社がご説明いたしました。
長浜市長(左から2人目)と
高島市長(右から2人目)が
発電所を視察される様子
住民説明会の様子
- ▲ 住民説明会の資料・動画、ご質問・ご意見は、各市ホームページからご覧いただけます。
高島市
長浜市
原子力発電の必要性について
- 各発電方法には、安定供給・経済効率・環境適合といったそれぞれの側面で、さまざまな長所や短所があり、エネルギー資源に乏しい日本では、さまざまな発電方法をバランスよく組み合わせること(エネルギーミックス)が重要です。
- 政府は、2030年度時点のあるべき発電方法の組み合わせとして、原子力発電の比率を20~22%としていますが、もし原子力発電所が40年を超えて運転せず、今後、国内の原子力発電所の新増設がない場合、2030年度での比率は20~22%に届きません。これにより、不足した電力を火力発電等で補うことになれば、CO2排出量の増加等を招く可能性があります。安全確保を大前提に、国内の原子力発電所を最大限活用することとしています。