美浜発電所の状況について
美浜発電所だよりVOL.127 2025年12月発行
■3号機:定格熱出力で運転中
■1、2号機:廃止措置工事実施中
(原子炉周辺設備の解体撤去作業を実施中)
美浜発電所3号機の運転上の制限の逸脱・復帰について
美浜発電所3号機(定格熱出力一定運転中)において、10月24日9時19分から補助建屋よう素除去排気ファン※1起動試験を行っていました。9時32分にB補助建屋よう素除去排気ファンを起動し、動作確認後の9時37分に同ファンを停止した際、ファン出口の第2ダンパ※2が本来全閉となるべきところ、開度25%で停止したことを運転員が確認しました。このため、9時38分に同試験を中断し、同日10時37分に保安規定の運転上の制限※3を満足していない状態にあると判断しました。
当該ダンパの駆動装置※4を動作確認した結果、ダンパ駆動軸の動作不良※5が認められました。当該箇所に潤滑油を塗布し再度動作確認および中断していた起動試験を実施したところ、動作に異常がないことが確認できたため、同日17時40分に保安規定の運転上の制限を満足する状態に復帰しました。
本事象によりプラントの運転状態に異常はなく、環境への放射能の影響はありません。
- ※1:事故時に補助建屋内の安全補機室(ポンプや冷却器などが設置されている部屋)からの放射性物質の拡散および放出を防止することを目的に、よう素フィルタを通して、空気を浄化し外気に放出するためのファン。2台設置しており、それぞれの下流にダンパを2台設置している。
- ※2:流路の確保および停止時の逆流防止のために設置。
- ※3:運転上の制限とは、安全機能を確保するために必要な機器(ポンプ等)の台数や、原子炉の状態毎に遵守すべき温度や圧力の制限を定めているもの。一時的にこれを満足しない状態が発生すると、運転上の制限からの逸脱を宣言し、予め定められた時間内に措置を行うことが必要。
- ※4:ダンパを開閉するための装置。
- ※5:外観検査は異常なし。ちりやほこりの付着進展により、ダンパ駆動軸が回る際の抵抗力が増加し、固着したと推定。
1976年12月の営業運転開始以来、美浜3号機は地域の皆さまのご理解とご支援に支えられ、2025年11月6日6時36分に、総発電電力量2,000億kWhに到達いたしました。
今後も、地域と共に、信頼される原子力発電所を目指してまいります。
10月24日・25日、福井県主催の原子力総合防災訓練が実施されました。
訓練では、嶺南地域を震源とした地震により外部電源喪失後、原子炉冷却材の漏えいが発生。さらに設備故障等により非常用炉心冷却装置による原子炉への全ての注水が不能となり、全面緊急事態となる事象を想定しました。
美浜発電所構内では対策本部を設置し、福井県等関係機関への通報連絡、事故制圧対応訓練等を実施。福井県等との連携を図りながら、各手順が的確かつ円滑に実施できることを確認しました。
当社では、今後とも原子力発電所の安全を確保することはもちろんのこと、緊急時対応の継続的向上に努めてまいります。

当社は10月10日、使用済燃料対策ロードマップの現在の進捗状況について、福井県にご報告しました。
使用済燃料の県外搬出を確実に進めていくために、引き続き、使用済燃料対策ロードマップに基づく取組みを着実に実施してまいります。
使用済燃料対策ロードマップの進捗状況について
2025年2月13日に見直しを行った使用済燃料対策ロードマップに従って、取組みを進めている。
〈六ヶ所再処理工場〉
- ・日本原燃は、9月29日の審査会合において、残りの説明項目数や日本原燃での準備、1回の審査会合での説明物量などを勘案すると、あと3回程度の審査会合での説明が必要であり、11月までの説明完了は難しい、との認識を示す。
- ・説明終了時期が大きくずれ込むことはないこと、また説明終了後の検査、保安規定等に対して、検査体制の構築や訓練のやり方を工夫し、効率的に進めていくことから、2026年度中の竣工目標に影響はない考え。
〈使用済MOX燃料再処理実証研究〉
- ・仏国へ使用済燃料を輸送する輸送容器の準備を進めており、輸送容器の設計について国土交通省の承認後、容器承認申請を行い、輸送容器の製作を開始している。
〈中間貯蔵施設〉
- ・2030年頃の操業開始に向けて、引き続き、最大限取り組む。
〈国からの要請事項への対応〉
- ・日本原燃が必要とする支援内容について、電気事業連合会と調整の上、補正申請書のチェックや検査、保安規定、訓練等のスケジュール精緻化などの支援を実施していく。
当社は、10月29日、原子力規制委員会から美浜発電所構内における使用済燃料乾式貯蔵施設の設置計画について、原子炉設置変更許可をいただきました。本申請は、2024年7月12日に同委員会に提出したものです。
引き続き、地元をはじめとする皆さまのご理解を賜りながら本計画を推進していくとともに、原子力発電所の一層の安全性・信頼性の向上に努めてまいります。
<設置変更許可の概要>
使用済燃料乾式貯蔵施設の設置
■対象プラント
美浜発電所3号機
■変更内容
使用済燃料乾式貯蔵施設を設置する。
■変更理由
使用済燃料の中間貯蔵施設へのより円滑な搬出、さらに搬出までの間、電源を使用せずに安全性の高い方式で保管できるよう、発電所からの将来の搬出に備えて、発電所構内に使用済燃料乾式貯蔵施設を設置する。
■工期
2026年~2030年頃※
※輸送・貯蔵兼用キャスク1基目の貯蔵開始をもって竣工
<使用済燃料乾式貯蔵施設の設置計画の概要>
◆施設の概要【容量、設置位置】

【貯蔵方式(個別格納方式)】
- ・輸送・貯蔵兼用キャスクに衝撃吸収カバーを取り付け、横向きの状態で架台に載せ、基礎等に固定しない方法を採用。
- ・発電所敷地境界外での放射線量を低減するため、遮蔽用の鉄筋コンクリート製の格納設備をキャスクごとに設置。敷地境界外における空間線量率は、原子炉施設本体等からの線量を含めても目標値である年間50μSvを十分下回る。
- ・この方式は、乾式貯蔵に係る規制が見直され※、安全性が確保された様々な貯蔵方式に対応したことを受けたもの。
- ※原子力発電所敷地内での輸送・貯蔵兼用乾式キャスクによる使用済燃料の貯蔵に関する審査ガイド(2019年3月制定)

◆輸送・貯蔵兼用キャスクの概要
【安全機能】
徐熱機能:発生する熱をキャスクの表面に伝え、外気で冷却
閉じ込め昨日:一次蓋、二次蓋の二重蓋で密封を維持し、放射性物質を閉じ込め
遮蔽機能:金属製の胴・蓋や中性子遮蔽材料等により放射線を遮蔽
臨界防止機能:バスケットにより使用済燃料の間隔を保持し臨界を防止
堅牢性:地震時に作用する力、竜巻による飛来物の衝突、森林火災等の自然現象および地震等による格納設備損傷の影響に対しても安全機能が維持できる

◆【主な仕様】
| 主要寸法 (キャスク※本体) |
全長 約5.2m 外径 約2.4m |
|---|---|
| 収納燃料 | 15×15型ウラン燃料 |
| 使用済燃料収納体数 | 21体 |
| 収納可能な使用済燃料の使用済燃料ピットでの冷却期間 | 16年以上 |
| 設計貯蔵期間 | 60年 |
※キャスクを取り扱う既設クレーンの吊上荷重に収まるように軽量化するため、原子力規制委員会により安全性が確認されているキャスク(MSF-24P(S)型)をベースに収納体数、収納燃料の発熱量や放射線量等を考慮し新たに設計したキャスク
当社は、2011年3月12日以降見合わせていた美浜発電所の後継機設置検討の自主的な現地調査を再開することとし、2025年9月17日に調査計画を公表しました。
現地調査の実施に向けた準備が整ったことから、11月5日、資機材搬入を開始し、調査に着手しました。ボーリング調査や地表踏査等による概略調査を2027年3月頃まで実施予定です。
本調査を安全最優先で進めるとともに、原子力発電所の安全・安定運転に全力で取り組み、地元をはじめとする皆さまのご理解を賜りながら、原子力発電事業を推進してまいります。
■調査内容、期間(予定)■
●概略調査(2025年11月5日から2027年3月)
原子炉等の設置に適した地質、地盤であるか等を確認するため、陸域及び海域のボーリング調査・弾性波探査・地表踏査により地質の状況を概略把握します。

丹生神社にて安全祈願を執り行いました
●詳細調査(2027年4月から2029年~2030年)
原子炉等の設置に適した地質、地盤であるか等を確認するため、概略調査の結果を踏まえ、選定されたエリアにおいて試掘坑調査、弾性波探査、深浅測量及び地震に関する調査により地形・地質の状況を詳細把握します。

ボーリング調査の様子
美浜発電所では、従業員送迎用として大型電気バス「エルガEV」を導入し、9月26日に納車式を行いました。
この車両は、国内大手自動車メーカーとして初の大型電気バスであり、福井県内および関西電力としても初の導入となります。
当社グループでは、2021年2月に策定した「ゼロカーボンビジョン2050」においてデマンドサイドのゼロカーボン化に取り組んでおり、その一環としてEVバス導入を決定しました。また、美浜町では「美浜町エネルギービジョン」においてEV自動車等の普及が掲げられており、今回のEVバス導入がそのリーディングケースの一つとして地域に貢献できると考えています。
今後も、持続可能な社会の構築に向けて、ゼロカーボン社会の実現に取り組んでまいります。

納車式でのテープカットの様子
運行開始時期
納車後、試運転を経て10月20日から運行開始
運行ルート
- ・美浜発電所~JR美浜駅間を運行(3往復/日)
- ・見学・視察にも活用




