美浜発電所1、2号機 廃止措置の状況について
美浜発電所だよりVOL.92 2018年3月発行
当社は、作業員の被ばく量を低減させるための系統除染作業を美浜発電所1号機は平成29年8月に、美浜発電所2号機は12月にそれぞれ約1ヶ月をかけて実施し、放射線量を除染目標である30分の1まで低減することができました。
今後は、原子炉容器内(原子炉容器内壁、炉内構造物)および原子炉容器外(原子炉格納容器内、原子炉補助建屋内)の残存放射能調査ならびにタービン建屋内機器等の解体工事を順次実施する
予定です。
- ②残存放射能調査
- 原子炉周辺設備の解体を行うにあたり、放射線業務従事者と周辺公衆の被ばく低減を考慮した適切な解体工法および解体手順ならびに放射性廃棄物の処分計画を策定するために調査するものです。
この調査は、平成29年度末から行う予定です。
- ③タービン建屋内機器等(2次系)の解体
- 平成29年度末から平成33年度末にかけ、放射性物質による汚染のないタービン建屋内等の機器(保温材、タービン、復水器、給水加熱器、ポンプ、配管等)を段階的に解体撤去します。
美浜発電所3号機は新規制基準に適合するための安全性向上対策工事を実施しています。現在、耐震性向上のための使用済燃料プール補強工事や津波対策の防潮堤設置工事などの大型工事を進めているところです。今後も安全最優先で取り組んでまいります。
①使用済燃料プールラック取替工事
使用済燃料プールの中にある、燃料を収めるためのラックの耐震性を向上させるため、ラックを床に固定し地震に耐える形から、床に固定せず、地震時に水の抵抗で揺れを低減する自立式の「フリースタンディングラック」に取替えます。
使用済燃料プール
原子炉から取り出した使用済燃料を一定期間保管するプールで、プールの水は放射線の閉じ込めと冷却の役割を持っています。
②使用済燃料プール補強工事
使用済燃料プールの耐震性を向上させるため、使用済燃料プールのある建屋の床および周辺の岩盤に鋼管の杭を打ち、鉄筋コンクリートを打設します。鉄筋コンクリート構造物と使用済燃料プールの壁を鉄筋で連結させることで、地震による揺れを低減することができます。
原子力懇談会の様子
2月20日、町内の各種団体の代表の方々と当社社長をはじめとする役員が意見交換をする「美浜町原子力懇談会」を原子力事業本部にて開催しました。
ご出席いただいた皆さまからは、再稼動に向けた工事の安全性についてのご意見の他、地域振興に対するご要望、リプレースや早期再稼動を望むお言葉をいただきました。
地域の皆さまからいただきましたご意見等は、今後の発電所運営に反映させていただきます。
第15回原子力安全検証委員会の様子
当社は、平成29年11月24日本店にて社外有識者の方々を主体とする原子力安全検証委員会(※2)を開催しました。
委員会では、「美浜発電所3号機事故再発防止対策の取組状況」等について審議していただき、委員の方から、「美浜発電所3号機事故の再発防止に向けた活動に関して、ポイントを押さえた活動に進化させることは可能である。検証委員会で出た意見等に基づき、アクションプランに反映して、重要なところに焦点を絞った活動に進化させるよう検討されたい」等のご意見をいただきました。
当社は、今後も社外有識者の助言をいただきながら、原子力発電のたゆまぬ安全性向上に取り組んでまいります。
- ※1:美浜発電所3号機事故・・・平成16年8月9日美浜発電所3号機タービン建屋において2次系配管を破損させた事故。
- ※2:原子力安全検証委員会・・・「美浜発電所3号機事故再発防止対策」「原子力発電の自主的・継続的な安全への取組み」「安全文化醸成活動」について検証・助言をいただくための社外有識者を主体とした組織。