ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する基本方針 コーポレートガバナンス・ガイドライン [PDF 1,236,036B ]
コーポレート・ガバナンスに関する運用状況 コーポレート・ガバナンス報告書 [PDF 662,715B ]

コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

 当社グループは「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」に基づき、ステークホルダーのみなさまのご期待にお応えし続けることで、持続的な企業価値の向上と社会の持続的発展に貢献します。
その実現に向けた経営の最重要課題は、コーポレート・ガバナンスの強化であると認識し、当社のコーポレート・ガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用しています。
監督においては、ステークホルダーのみなさまの視点を反映するため、取締役会を中心に外部の客観的かつ多様な視点を重視した体制を構築し、執行に対して適切な監督を行うことで、経営の透明性・客観性の向上を図ります。

現状のコーポレート・ガバナンスの概要

 当社は、株主総会から経営の負託を受けた取締役会のもとに、執行役会議および各種委員会を置き、業務の執行を適正に行うとともに、取締役会等を通じて取締役および執行役の職務執行を監督しています。

コーポレート・ガバナンス

※関西電力送配電(株)においても、ガバナンスについては、一般送配電事業者としての中立性の確保を前提に、当社が株主としての権利を有する関係において、適切な体制を実現してまいります。

コーポレート・ガバナンス体制

1.監督

取締役会

◆構成

 取締役会については、当社の事業規模、事業内容、経営課題への対処、および監督機能の観点から、ジェンダー、国際性、職歴や年齢などの多様性と適正な規模の両立を図り、様々な分野の経営者や専門家として培われた豊富な経験と識見を有する独立社外取締役(8名)と、当社事業について豊富な経験と識見を有する社内取締役(5名)により、全体としてバランスのとれた構成としています。
また、適切な意思決定と実効的な監督を行う観点から、取締役会を構成する取締役の員数は、20名以内とし、その過半数を独立社外取締役としています。
なお、取締役会議長は、独立社外取締役が務めることとしています。

◆役割と責務

 取締役会は、多様で幅広いステークホルダーの立場を踏まえたうえで、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上のために、「企業戦略等の大きな方向性を示すこと」、「執行役による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと」、「独立した客観的な立場から、経営に対する実効性の高い監督を行うこと」を主要な責務としています。経営計画等の経営の基本方針については、多様な観点から十分に議論を行ったうえで決定し、その進捗状況を定期的にモニタリングし、その結果を今後の方針に反映させます。実効的な内部統制やリスク管理の体制を整備し、特にコンプライアンスの観点から経営を監督しつつ、執行役の迅速・果断な意思決定を支援します。また、特に重要な事項については、重点的に報告を求める等、取締役会による特別監督を行います。
執行と監督を明確に分離する観点から、取締役会は、経営の基本方針に基づく業務執行の決定については、原則として執行役に委任します。なお、執行役への委任の有無にかかわらず、特に重要な業務執行の決定については、必要に応じ、検討段階において取締役会で事前に議論を行い、執行役は社外取締役をはじめとする取締役からの適切な意見・助言を得ます。

指名委員会

 指名委員会の委員長は独立社外取締役であり、また委員4名全員が独立社外取締役です。
当委員会は、「取締役候補者の指名を行うに当たっての方針」を定めたうえで、取締役の選解任に関する株主総会議案を決議するほか、その他役員人事に関する事項について、決議・審議を行います。また、グループ全体の持続的成長と、中長期的な企業価値の向上のため、執行役社長の選定を最も重要な戦略的意思決定であるととらえ、十分な時間と資源をかけて後継者計画および後継者候補の計画的育成に取り組みます。後継者計画の策定にあたり、次の執行役社長に期待する成果や必要な経験・スキル、コンピテンシー(能力)、ポテンシャル(素質)、価値観、人柄について審議し、「社長のあるべき姿像」を確認します。
加えて、社内評価や、第三者機関による外部評価等も活用し、多面的に候補者の情報を収集するとともに、指名委員が直接面談するなど、選任プロセスを明確化し、高い透明性・客観性を確保しています。

  • 委員長:榊󠄀原定征
  • 委員:髙松和子、真鍋精志、園潔

報酬委員会

 報酬委員会の委員長は独立社外取締役であり、また委員4名全員が独立社外取締役です。
当委員会は、「取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針」を定めたうえで、取締役および執行役の個人別の報酬を決議するほか、その他役員報酬に関する事項について、決議・審議を行います。また、取締役の報酬水準など、報酬に関する諸課題の検討にあたっては、外部専門機関のデータや他社状況等を活用しています。

  • 委員長:髙松和子
  • 委員:榊󠄀原定征、真鍋精志、矢萩典代

監査委員会

 監査委員会の委員長は独立社外取締役であり、独立社外取締役4名と執行役を兼務しない社内取締役2名で構成しています。監査委員会を構成する取締役には、適切な経験・能力および必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者を選任するものとしています。
監査委員会は、その職務を執行するために必要な基本方針、規則等を定めたうえで、当社または当社の子会社の執行役、取締役または従業員等の職務執行について適法性・妥当性の観点から監査を行うとともに、監査の状況・結果について取締役会に報告・意見表明等を行っています。また、必要に応じて執行役等に対して助言または勧告を行います。
監査委員会、内部監査部門および会計監査人は、適宜、連携して監査を実施することおよび監査計画や監査結果の意見交換等を通じて互いに緊密な連携を図ることで、効率的かつ実効性のある監査に努めています。
また、監査委員は、執行役会議などの重要な会議体に出席し、執行役から経営上の重要事項に関する説明を聴取しています。

  • 委員長:友野宏
  • 委員:内藤文雄、田中素子、園潔、島本恭次、西澤伸浩

コンプライアンス委員会

 当社グループにおけるコンプライアンスに係る監督機能強化のため、執行から独立した「コンプライアンス委員会」を取締役会直下に設置しています。コンプライアンス委員会は委員長を含む委員の過半数を社外有識者として、コンプライアンスに係る基本方針や、取締役および執行役等に関する問題事象の対処方針など特に重要なものについて、審議・承認するとともに、社長等執行に対して必要に応じ直接指導、助言、監督し、取締役会に定期的に報告を行っています。

取締役

◆指名方針

 当社取締役は、「関西電力グループ経営理念Purpose & Values」のもと、その全員が、コンプライアンスはもとより、サステナビリティの観点を重視し、自らの職務を執行することができる人物である必要があります。
そのうえで、取締役候補者の指名については、ジェンダー、国際性、職歴や年齢などの多様性を踏まえたうえで、適切な意思決定と実効的な監督を行う観点から、能力、経験、人格、識見などについて、当社取締役としてふさわしい人物かどうかを総合的に勘案し、指名委員会で審議し、決定しています。その際、十分な経営経験を有するものを一定数選任することとしています。また、当社は、東京証券取引所が定める独立役員の要件を踏まえ、下記のとおり、独自の独立性基準を策定しており、社外取締役については、取締役会の監督機能強化の役割を担う観点から、当該基準に照らして、社外取締役の独立性を判断しています。なお、社外取締役が他の上場企業の役員を兼任する場合には、当社の社外取締役としての役割・責務を適切に果たすために必要となる時間・労力を確保できるよう、兼任数を合理的な範囲内としています。

【当社が定める独立性基準】

 当社は、社外取締役が以下1〜9のいずれにも該当しない場合に、独立性を有するものと判断しています。

1 当社を主要な取引先とする者またはその業務執行者
2 当社の主要な取引先またはその業務執行者
3 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家(当該財産を得ている者が法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)
4 当社から多額の寄付・会費を受けている者またはその業務執行者
5 当社の監査法人の業務執行者
6 当社の主要株主である者またはその業務執行者、および当社が主要株主である会社の業務執行者
7 当社または当社子会社から役員を受け入れている会社の業務執行者
8 最近において、上記1~7のいずれかに該当していた者
9 次のいずれかに掲げる者(重要でない者を除く)の配偶者または二親等以内の親族
(1)上記1~3までに掲げる者
(2)現在または最近における当社または当社子会社の業務執行者
【取締役のスキル・マトリックス】

 指名委員会が選定した当社の取締役会が有すべき経験や識見、および取締役のスキルの保有状況は次のとおりです。

取締役 経営
経験
特に期待する知見・能力
法務・
ガバナンス
財務・
会計
環境・
エネルギー
テクノロジー・
イノベーション
顧客・社会
エンゲージメント
グローバル
ビジネス
人財開発
榊󠄀原 定征
友野 宏
髙松 和子
内藤 文雄
真鍋 精志
田中 素子
園 潔
矢萩 典代
森 望
荒木 誠
小川 博志
島本 恭次
西澤 伸浩
◆役割と責務

 取締役は、取締役会等において、積極的に意見を表明し、建設的な議論を尽くすものとし、また、職務を執行するにあたり、他の取締役や執行役に対し説明を求めることを含め、十分な情報収集に努めています。
社外取締役は、経営者や専門家としての豊富な経験や識見を活かし、外部の客観的な視点から、取締役会の監督機能強化の役割も担っています。また、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、社外取締役同士で意見交換を活発に行うとともに、執行役とも十分に連携しています。

◆トレーニング

 取締役に対して、その役割・責務を果たすうえで必要な知識を付与するため、就任の際、また就任後も定期的に研修を行う等、適切なトレーニングの機会を設けています。社外取締役に対しては、その役割・責務を果たすうえで必要な知識を習得できるよう、就任の際、また就任後も継続的に、当社グループの事業・財務・組織等に関する説明を行っています。更に、事業内容の理解促進を目的とした当社施設の視察や第一線職場との対話等も行っています。

スキル・マトリックス作成の考え方

 当社は、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を最上位概念として、お客さまや社会にとっての「『あたりまえ』を守り、創る Serving and Shaping the Vital Platform for a Sustainable Society」という存在意義のもと、安全を守り抜くことを大前提に「公正 Fairness」「誠実 Integrity」「共感 Inclusion」「挑戦 Innovation」という価値観を大切にして事業活動を行い、持続可能な社会を実現することを掲げており、「コンプライアンス」や「サステナビリティ」については、取締役全員が備えるべき視点・姿勢と位置付けています。
 この理念のもと、中期経営計画の達成に向けて、特に重要となる10個のマテリアリティを特定しております。これらマテリアリティの解決・達成に向けて、経営の監督機能を適切に発揮するため、経営経験者には、経営戦略の策定やリスクマネジメント、組織運営など、総合的な知見の発揮を期待するとともに、取締役会全体として備えるべき専門的な知見・能力を下記のとおり特定いたしました。

法務・ガバナンス 公正な事業活動、持続的な企業価値向上に向けて、法令遵守状況や、コーポレート・ガバナンス・内部統制・リスク管理の体制構築・運用状況を監督できる知見・能力が重要であるため
財務・会計 正確な財務報告や財務健全性の維持、企業価値の向上に向けた成長投資の推進、財務戦略や資本政策等を監督できる知見・能力が重要であるため
環境・エネルギー エネルギーをはじめとするグループ各事業において、社会情勢や政策動向等を踏まえながら、ゼロカーボンへの挑戦をはじめとする環境負荷の少ない事業推進を監督できる知見・能力が重要であるため
テクノロジー・
イノベーション
当社の事業基盤を支え、新たな価値を提供していくためには、最新の技術動向を踏まえ、DX・イノベーション推進等を監督できる知見・能力が重要であるため
顧客・社会エンゲージメント 多様なステークホルダーから信頼され、共に成長・発展していくためには、広報、コミュニケーション、マーケティング、地域共生等に関する取組みを監督できる知見・能力が重要であるため
グローバルビジネス 異なる文化・商慣習に即した海外事業の展開や収益性向上、ビジネスパートナーとの良好な関係構築等を監督できる知見・能力が重要であるため
人財開発 従業員一人ひとりが、意欲や能力を最大限に発揮し、いきいきと活躍するためには、人財育成やDE&I推進、人事制度等の人財基盤の強化の取組みを監督できる知見・能力が重要であるため

2.執行

執行役

◆選任方針

 執行役は、「 関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等に定めた経営の基本的方向性や行動の規範に従い、また、社長による「ステークホルダーのみなさまに対する宣誓」、「公正な競争の実現に向けたコミットメント」の趣旨に則り、率先して、自らの職務の執行を律することが求められています。執行役の選解任については、当社事業の各分野における豊富な専門的知識と経験、業務執行能力、人格などについて、当社執行役としてふさわしい人物かどうかを総合的に勘案し、取締役会において審議し、決定しています。

◆役割と責務

 執行役は、取締役会決議により、取締役会から委任された業務執行の決定を行い、かつ、会社の業務を執行しています。

◆トレーニング

 執行役に対して、その役割・責務を果たすうえで必要な知識を付与するため、就任の際、また就任後も定期的に研修を行うなど、適切なトレーニングの機会を設けています。

執行役会議、各種委員会

 取締役会の決定した基本方針に基づいて、当社グループ全般の重要な業務執行方針および計画ならびに業務執行に関し審議するとともに、必要な報告を受けるため、執行役社長を議長に全ての執行役で構成する「執行役会議」を原則として毎週開催し、迅速かつ適切な会社運営を実施しています。上記に加え、当社は、執行の適正化と円滑化を図るため各種委員会組織を設置し、執行役会議を通じた意思決定や各部門の業務執行を支援しています。これらは各目的に関連する業務を担当する執行役を主として構成し、定期的に開催もしくは必要に応じて適宜開催しています。

◆組織風土改革会議

 「組織風土改革会議」については、組織風土改革をはじめとした新電力顧客情報の不適切な取扱いに係る事案および小売電気事業における独占禁止法違反に係る事案の再発防止策を総合的に推進します。同会議は、当該事案に係る全社的な課題の把握・分析、再発防止に向けた総合的方策の策定、組織風土改革や内部統制の強化に向けた具体的方策の検討・推進および実施状況の確認等を行っています。

◆内部統制部会

 当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理し、当社グループの持続的な成長を実現するため、「内部統制部会」を設置しています。同部会では、内部統制システムの整備・運用状況の評価や、改善に係る総合的方策の検討、また、不備事項の改善指示および改善状況の確認・支援を行っています。

◆サステナビリティ推進会議

 サステナビリティに係る課題の対応については、当社グループとしての基本的な考え方や、遵守すべき行動の規範を「関西電力グループ行動憲章」に定めるとともに、執行役社長の森望を議長に計23名で構成する「サステナビリティ推進会議」を設置し、当社グループ全体のサステナビリティに関する総合的方策の策定や、実践状況の確認に加え、グループが社会の持続的な発展に貢献するための総合的方策の策定を行い具体的な活動を展開しています。

◆原子力安全推進委員会・原子力安全検証委員会

 原子力安全については、将来世代の従業員まで引き継いでいく原子力安全に係る理念を社達「原子力発電の安全性向上への決意」として明文化し、これに基づき、たゆまぬ安全性向上に取り組んでいます。また、「原子力安全推進委員会」において、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策の推進や安全文化の醸成、福島第一原子力発電所事故を踏まえた自主的・継続的な取組みに関して、広い視野から確認、議論を行い、全社一丸となり、取組みを推進しています。
更に、社外の有識者を主体とする「原子力安全検証委員会」において、独立的な立場から助言等を得て、安全性向上の取組みに反映しています。

◆調達等審査委員会

 工事の発注や契約手続き、寄付金や協力金に関する拠出手続きの適切性、透明性を確保することを目的に、社外有識者を過半数とする「調達等審査委員会」を設置し、外部の専門家の視点で審査する仕組みを構築しています。

◆経営監査委員会

 内部監査については、安全・品質に関する経営的諸問題を幅広く共有・審議するとともに、社外の見識や情報を取り入れ、公正かつ専門的な立場から、グループ全体の内部監査の適正を確保するため、「経営監査委員会」を設置しています。

3.顧問

 当社は下記のような顧問制度を採用しています。

◆制度

 当社グループの持続的な発展に寄与する場合、必要に応じて顧問を置くことができることとしています。

◆委嘱・報酬決定プロセス

 客観性を確保する観点から、取締役および執行役を退任した者に顧問等を委嘱する場合は、その委嘱の必要性ならびに業務内容および報酬について、指名委員会および報酬委員会ならびに取締役会において、厳正に審議し、決定するとともに、顧問の委嘱業務および個別の報酬額について開示しています。

◆役割

 顧問は、自らの経験や人脈等を活かし、業界活動、地域経済からの要請への対応など、関西経済および当社グループ事業の発展につながる社会貢献活動等を行う一方、経営への指導および助言活動は行いません。

4.取締役・執行役の報酬

◆取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針
(報酬制度の方針および概要)

 取締役および執行役の報酬は、会社法の規定に基づき、報酬委員会において決定しています。
業務執行を担わない取締役の報酬については、その役割を踏まえ、基本報酬のみの構成としています。
業務執行を担う執行役の報酬については、企業業績と企業価値の持続的な向上に資するよう、各執行役の地位等に応じて求められる職責などを勘案した基本報酬に加えて、短期インセンティブ報酬としての業績連動報酬および中長期インセンティブ報酬としての株式報酬で構成し、その支給割合については、目安として「基本報酬:業務連動報酬:株式報酬=6:3:1」となるよう、設定しています。

(報酬決定プロセス)

 社外取締役のみで構成している報酬委員会において、「取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針」を定めたうえで、この方針に則り、取締役および執行役の個人別の報酬を決議しています。
また、報酬水準など、報酬に関する諸課題の検討に当たっては、外部機関のデータや他社状況などを活用しています。

◆報酬体系(基本報酬、業績連動報酬、株式報酬)
(基本報酬)

 当社の基本報酬は、各取締役および執行役の地位等に応じて求められる職責などを勘案して、役位に応じた基準額を支給しています。

(業績連動報酬)

 当社の業績連動報酬は、前年度の業績等に係る達成度を踏まえて決定する「業績連動報酬Ⅰ」および、当年度の業績等に係る達成度を踏まえて、今後決定する「業績連動報酬Ⅱ」により構成しています。「業績連動報酬Ⅰ」は基本報酬と合わせて定期的に支給し、「業績連動報酬Ⅱ」は賞与として、2025年6月開催予定の報酬委員会の決議により支給することを予定しています。
なお、業績については、中期経営計画の財務目標に沿った各指標およびESG等の取組み実績を踏まえた全社業績と、各担当部門の取組み実績を踏まえた個人別業績から構成しており、その支給額については、役位ごとの基準額に、目標に対する達成度合に応じて算定することとしています。

(株式報酬)

 当社の株式報酬は、執行役等に、役位に応じた基準額に基づき、毎年一定のポイントを付与し、退任時にポイントの累積値に応じて、当社株式を交付および当社株式の換価処分金相当額の金銭を支給しています。

◆報酬体系
業績連動報酬の内訳
  • (※)1 業績連動報酬の役位別基準額(年額)
    • ・取締役執行役社長 2,700万円
    • ・取締役執行役副社長 2,010万円
    • ・執行役副社長 1,860万円
    • ・執行役常務 1,260万円
  • 2 全社業績は、業績の達成度に応じて0~150%の範囲で変動する。
  • 3 個人別業績は、個人別の成果などに応じて0% ~120%の範囲で変動する。
     なお、執行役社長は、個人別業績を適用せず、会社業績の割合を100%とする。

5.子会社のマネジメント

 子会社に対しては、「 関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、浸透を図るとともに、子会社管理に係る社内規程に基づき、子会社における自律的な管理体制の整備を支援、指導すること等により、企業集団の業務の適正を確保しています。
また、子会社における重要な意思決定については、事前に関与することや、経営状況を定期的に把握することに加え、特に当社グループの成長の柱となる事業を担う中核会社については、重要な業務執行方針および計画を執行役会議で審議することにより、グループ全体の企業価値の毀損を未然に防止し、またはこれを最小化するよう努めています。
具体的には、業績評価制度に基づき、各社の計画・方針と当社グループ方針との整合を確認したうえで、期初に財務・非財務の目標を設定し、期中や期末において経営幹部がコミュニケーションを行うなど、進捗確認を行っています。加えて、一定規模の投資や新規事業分野への進出などの個別の計画等に関しては事前に調整を行っており、これらを通じて、グループ全体の企業価値の向上および企業価値毀損の未然防止に努めています。

6.取締役会の実効性評価と対応方針

当社は、取締役会や指名・報酬・監査委員会の機能向上のため、取締役会等の実効性評価を実施し、取締役会運営をはじめとするコーポレート・ガバナンスの改善を図っています。

(1)2023年度の実効性評価の概要
評価・分析方法 評価項目
  • 2024年1月、全取締役を対象とするアンケート(5段階評価+自由記述)により、取締役会等の実効性に関する調査を実施。
  • 調査に当たっては、評価の透明性・客観性向上のため、第三者機関を活用。
  • 第三者機関による調査結果の分析を踏まえ、取締役会等の実効性について、2024年4月30日開催の取締役会にて審議・評価。
  1. 1.取締役会の役割・機能
  2. 2.業務改善計画の取組状況
  3. 3.取締役会の構成・規模
  4. 4.取締役会の運営
  5. 5.指名・報酬・監査委員会の運営
  6. 6.社外取締役の役割・サポート体制
  7. 7.株主・投資家等との関係
  8. 8.2022年度の主な課題に対する改善状況
2023年度の調査結果の総評
2022年度の評価結果に引き続き、取締役会の役割である「経営戦略等の中長期的な重要テーマに関する議論が充実している」こと、および活発な議論を支える「事前の十分な情報提供、議長による議事運営」等が強みとして挙げられる分析結果を確認しております。
また、2022年度の主な課題点に対する改善状況について、約85%の取締役から「概ね改善している」との結果を得る等、全般的に改善傾向にあり、取締役会等の実効性が着実に向上していることを確認しております。
当社は、2023年度の評価結果を踏まえ、今後「グループガバナンスに対する監督」「取締役会の運営の改善」に重点的に取り組み、取締役会等の実効性向上に努めてまいります。
(2)2023年度の実効性向上の主な取組みと評価結果
2022年度の主な課題 2023年度の主な取組み

①組織風土改革・コンプライアンス強化に向けた更なる取組み

  • ・組織風土改革・内部統制強化等、業務改善計画に掲げる各再発防止策について、取締役会の特別監督事項とし、毎月、その進捗状況について徹底的に審議。
  • ・社外取締役と第一線職場等の従業員との対話(2023年度計6回)を通じた、各種再発防止の取組みの浸透状況、課題の確認。

②取締役会による指名・報酬委員会への監督のあり方

  • ・取締役会の監督に必要な報告内容を整理、各取締役と認識共有。
  • ・その認識のもと、各委員会の職務執行状況について、適時適切かつ充実した内容で取締役会に報告。

③株主・投資

  • ・株主総会やIR結果等を踏まえ、株主・投資家等とのエンゲージメントのあり方について議論を充実。
  • ・資本コストや株価の分析を実施し、財務の健全性確保を前提とした資産効率向上等の方針について複数回議論。

④取締役会の構成の更なる向上

  • ・将来の経営環境を見据えた、あるべき取締役会構成に関する指名委員会の継続議論。(スキル・マトリックスの見直し含む)
評価結果
  • ・組織風土改革・コンプライアンス強化に対する監督機能を実効性高く発揮し、特に重点的に、当社および関西電力送配電(株)の取組みを強力に推進した。
  • ・今後は、更に対象を拡大した、グループ会社の内部統制強化等が重点課題である。
  • ・総じて、評点向上、肯定コメントが多く、改善傾向。
  • ・2023年度の取組みを今後も継続し、取締役会等の実効性を更に向上すべき。
(3)今後の主な課題と取組方針
今後の主な課題 取組方針

(審議テーマ)
グループガバナンスに対する監督

内部統制の抜本的強化の一環として、グループ会社に対するガバナンス強化の取組みについても、今後の取締役会の重点テーマとし、定期的に審議を行う。

(審議充実のサポート)
取締役会運営の改善

グループガバナンスに加え、中長期的な経営戦略といった重要議題の審議を質・量ともに、より一層充実させるため、下記に取り組む。
  • ・取締役会が監督すべき事項について、取締役間で認識共有する機会を設け、適宜、再整理。
  • ・より実効的な審議を行うため、執行側が各議題の論点を明確、簡潔に提示するよう努める。

2023年度の運営状況

◆取締役会

 法令および取締役会規則に基づき、株主総会議案や各委員会の構成、執行役人事、役員人事措置、中期経営計画の達成に向けた具体的な取組事項等、当社グループの経営にかかわる重要事項等について決議しています。また、四半期ごとの決算を含む中期経営計画の進捗状況、内部統制に関する運用状況、および資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等について定期的に報告を受け、審議を行っています。加えて、2023年度は、新電力顧客情報の不適切な取扱いによる電気事業法違反等および特別高圧電力および高圧電力の取引に関する独占禁止法違反を受け策定した業務改善計画のもと、各種再発防止策の進捗状況、組織風土改革および内部統制の抜本的強化の取組状況について、取締役会による特別監督として、取締役会の開催に合わせ、徹底的に審議を行っています。上記の決議および審議を行うに当たって、取締役会議論の充実およびコーポレート・ガバナンスの強化を目的として、2023年度は、取締役による意見交換会を7回、取締役および執行役による役員合同研修会を1回開催し、当社グループのありたい姿の実現に向けた事業ポートフォリオやゼロカーボンロードマップの見直し等、当社の経営課題や将来的な成長戦略の方向性等について幅広く議論しています。
これらの意見交換会や研修会等を通じて得た意見は、以降の取締役会での議論等を通じて経営に反映しています。
また、独立社外取締役は、取締役会議題等に係る事前説明の聴取、第一線職場の視察、従業員との対話等、年間を通じて、積極的に当社の状況把握に努めています。

◆指名委員会

 株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定、取締役の選任方針の決定を行うほか、執行役社長の後継者計画の内容および育成プロセスや顧問の委嘱等について、審議を行っています。2023年度、重点的に審議・意見交換を行った事項には、以下を含みます。

  • 執行役社長の後継者計画の運用と後継者候補の育成
  • 株主総会に提案する取締役人事
  • 社外取締役の後継者計画
  • 取締役指名方針等の見直し(取締役会が備えるべきスキル項目を含む)
◆報酬委員会

 取締役および執行役の個人別の報酬等の内容に関する方針の決定、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定を行うほか、顧問の報酬等について、審議を行っています。2023年度、重点的に審議・意見交換を行った事項には、以下を含みます。

  • 他社の役員報酬水準や報酬方針の動向等に係る調査結果を踏まえた当社役員報酬のあり方
  • 業績連動報酬の仕組みや財務、非財務目標の設定
◆監査委員会

 取締役会で決定した当社グループの経営にかかわる重要事項等を踏まえた監査計画を策定し、当社グループの事業活動が適法・適正に行われているか、また、リスクの防止と企業価値の向上に向けて適切・妥当な意思決定や業務執行が行われているか、との観点から監査を行うとともに、取締役会や執行役への報告、意見表明等を行います。2023年度、重点的に行った監査等の事項には、以下を含みます。

  • コンプライアンスの徹底に係る取組みの監視、検証
  • 重要な経営課題に関する業務執行の監視、検証
  • グループガバナンス改革の監視、検証
  • 金品受取り問題および役員退任後の嘱託等の報酬に関する問題について、当社が提起した旧役員を被告とする損害賠償請求訴訟の対応

監査委員会は、会計監査人から、期初の段階で、監査計画の説明を受けるとともに、その実施状況について、四半期毎に四半期レビューの状況、中間と期末に年度監査の状況報告を受け、意見交換を行うなど、互いに緊密な連携を保っています。また、監査上の主要な検討事項(KAM)についても、会計監査人と年度中に複数回協議し、意見交換を行っています。
監査委員会と会計監査人との主な連携の状況は次のとおりです。

項目 時期 概要
監査計画の説明 7月(※1) 当事業年度の監査計画の説明を受ける。
四半期レビュー報告 7、10、1月 会計監査人から四半期レビュー結果について報告を受け、意見交換を行う。
監査の中間報告 12月 会計監査人監査の中間報告を受け、意見交換を行う。
監査の期末報告 5、6月 会計監査人監査の期末報告(内部統制監査状況を含む)を受けるとともに、会計監査人の職務の遂行状況に関する詳細報告を受領する。
監査上の主要な検討事項(KAM) 10、12、2、5、6月 KAMについて監査委員と会計監査人が協議し、意見交換を行う。(※2)
  • ※1 年度を通じて、各報告時に、監査計画の見直しがあればその報告を受けています。
  • ※2 KAMに関連する情報開示の適切性・整合性についても確認をしています。
◆取締役の活動状況

 2023年度の取締役会および指名・報酬・監査委員会の開催状況ならびに個々の取締役の出席状況は次のとおりです。

氏名 開催状況および出席状況
取締役会 指名委員会 報酬委員会 監査委員会
榊󠄀原 定征 ◎100%(15/15回) ◎100%(10/10回) 100%(6/6回) -
沖原 隆宗 100%(15/15回) 100%(10/10回) - 100%(14/14回)
加賀 有津子 87%(13/15回) - 100%(6/6回) -
友野 宏 93%(14/15回) - - ◎93%(13/14回)
髙松 和子 100%(15/15回) 100%(10/10回) ◎100%(6/6回) -
内藤 文雄 100%(15/15回) - - 100%(14/14回)
真鍋 精志 100%(11/11回) 100%(8/8回) 100%(3/3回) -
田中 素子 100%(11/11回) - - 100%(11/11回)
森 望 100%(15/15回) - - -
稲田 浩二 100%(15/15回) - - -
荒木 誠 100%(11/11回) - - -
島本 恭次 100%(15/15回) - - 100%(14/14回)
西澤 伸浩 100%(15/15回) - - 100%(11/11回)

(注)

  • ・小数点以下第一位を四捨五入しております。
  • ・( )は出席回数/在任中の開催回数を示しています。
  • ・◎は議長または委員長を示しています。
  • ・※は独立社外取締役を示しています。