ガバナンス

方針・考え方

当社グループは、2006年4月に定めた「関西電力グループリスク管理規程」に則り、組織目標の達成に影響を与える可能性のある事象をリスクとして認識、評価したうえで、必要な対策を実施するとともに、対策後にその評価を行い、改善していく一連のプロセスにより、当社グループへの影響を適切なレベルに管理しています。

体制

当社グループの事業活動に伴うリスクについては、各業務執行部門が自律的に管理することを基本としております。
各業務執行箇所には、「内部統制・コンプライアンス担当」を新設し、第一線職場等との連携や、リスク管理計画と実績評価を通じた、自部門の自律的なリスク管理を推進しております。
また、組織横断的かつ重要なリスク(情報セキュリティ、子会社の経営管理、人財基盤、市場リスク、財務報告の信頼性、環境、エネルギー政策、災害、コンプライアンス(競争環境における法令含む)、調達の適正性)については、必要に応じてリスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所を定め、業務執行部門に対して、助言・指導を行うことで、リスク管理の強化を図っています。
これらの取組みを「コンプライアンス推進本部」がサポートし、グループ全体のコンプライアンス推進やリスクマネジメント等を一元的に推進しています。
※コンプライアンス推進体制の全体像について
さらに、リスクを統括的に管理する「内部統制部会」を設置し、その主査であるコンプライアンス推進本部長(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を「当社グループのリスク管理統括責任者」とする体制のもと、当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理するよう努めています。
内部統制部会では、専門性を有するコーポレート部門と業務執行部門の連携によりリスク管理計画を統括する等、グループ全体のリスクマネジメントに取組んでおり、リスク評価結果を執行役会議および、適宜、取締役会へ報告し、必要に応じてリスク管理の仕組み、体制の改善を行っています。
さらに、リスク管理体制の整備と運用に関して、経営監査室による内部監査を受け、監査結果を基に改善を図っています。なお、2023年度においては、外部専門家の意見等も踏まえ、リスク管理を含む内部統制システムの課題を明確化したうえで、具体的な改善策を検討してまいります。

リスク管理体制図

リスク管理体制図

取組み

当社グループの事業活動に大きく影響を与える重要リスク項目を抽出し、その管理状況を全社的視点から把握・評価しています。
重要リスク項目は、当社グループの持続的成長をとげるだけでなく、SDGs等のグローバルな社会課題の解決を通じて、社会の持続的な発展に貢献していくESGの観点と財務目標達成の観点から、体系立てて整理するとともに、評価にあたっては、影響度や発生可能性の観点から重要性を評価し、リスクマップ上に分類・整理したうえで、俯瞰的にリスク管理状況を把握・管理・評価し、その結果に基づき、必要に応じて業務執行部門への改善指示を行っています。なお、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性のある「重要リスク項目」の具体的な内容および、その対応策については、第99期有価証券報告書(事業等のリスク)および第100期第1四半期報告書(事業等のリスク)に記載のとおりです。

重要リスク項目

重要リスク項目

<重要度区分の変更理由>
《4》人財基盤:上述の重要リスク項目の統廃合に伴い、今回よりリスク事象を、多様で優秀な人財の安定的な確保に支障をきたすことと定義し、改めて評価した結果、リスクの重要度区分を中に設定
《11》送配電事業の利益低下:新たな託送料金制度が導入され、外生的要因に起因する収支変動等が事後調整される仕組みが整備されたことなどにより、リスクが低減していることを踏まえ、リスクの重要度区分を下方に変更
《12》情報通信事業の利益低下:至近年度にリスクが発生していないことを踏まえ、リスクの重要度区分を下方に変更
《13》生活・ビジネスソリューション事業の利益低下:至近年度にリスクが発生していないことを踏まえ、リスクの重要度区分を下方に変更

リスクマップ

リスクマップ

投資リスクのマネジメント

<投資評価体制>
国内再エネ・国際事業ならびにグループ事業や新規事業等への投資については、投資の妥当性の評価に加えて、投資後のモニタリングと撤退・再建策の検討・実施も含めた一連のマネジメントプロセスを構築・運用し、事業推進部門およびコーポレート部門の担当役員で構成される社内会議体(投資評価部会)において、専門的知見に基づく審議・検討を行っています。これにより、個別案件の意思決定における適切な判断を支援するとともに、リスク顕在化時にはタイムリーな対処を促し、投資リスクの適正な管理に努めています。こうしたマネジメント状況は定期的に執行役会議に報告するとともに、必要に応じて評価・管理の枠組みや手法を改善しています。
<投資妥当性評価>
投資の実施にあたっては、個々の案件ごとに、投資の目的・ねらいの全社方針との整合性に加え、リスクを十分に審査のうえ、採算性の確保を前提に、その妥当性を評価しています。
<モニタリング>
投資実施後は、個々の案件ごとに、投資のねらいの達成状況や採算性を確認するモニタリングを定期的に行い、採算性低下等の課題発生時には必要な対策の実施を求めています。
<撤退・再建策の検討>
採算性が大きく悪化した案件や保有意義が薄れた案件は、リスク等の状況を総合的に勘案のうえ、すみやかに撤退・再建の対応策を検討・審議し、リスクへの適切な対処に努めています。