あくなき安全性の追求
安全を支える基本的な取組み

放射性物質を閉じ込める5重の壁

原子力発電所では、ウラン燃料の核分裂に伴い、放射性物質が発生します。この放射性物質はペレット、被覆管(ひふくかん)、原子炉圧力容器、原子炉格納容器、外部遮へい壁の5重の壁で、建物の中に閉じ込める仕組みになっています。
2 津波によって起きたこと

多重防護システム

原子力発電所では、「止める」「冷やす」「閉じ込める」を実現することで安全を守っています。
機械の故障や操作ミスを防ぐ設計

余裕を持った安全設計

設計の更新や材料強度に関する社内基準は、国が定めた法令より厳しい数値にするなど、安全に余裕を持たせています。

フェイル・セイフ・システム

危険な状態を避けるため、機器が故障した場合、必ず安全な側に移行するように設計されています。例えば、ストーブの自動消火装置と同じ

インターロック・システム

万一、人間が間違った操作をしても、連動する設備に誤操作が伝わらないようなシステムを用いています。
例えば、オートマチック車で、ボタンを押しながらでないとバックにチェンジできないのと同じ
異常発生時すぐに原子炉を止める
異常を早期に発見し、自動的に制御棒を挿入。直ちに核分裂を止めます。
原子炉を冷やし、
放射性物質を閉じ込める
非常用炉心冷却装置(ECCS)で自動的に原子炉を冷やし、5重の壁で放射性物質を閉じ込め、異常放出の防止を図ります。

原子炉を冷却する方法

原子力発電所が停止したあとは、電動の余熱除去ポンプで冷却器を使って1次系の水を冷却します。また、万が一、電源がすべてなくなった場合でも、蒸気の力で動くタービン動補助給水ポンプにより蒸気発生器へ水を給水し、1次系の水を冷却します。

運転員・保修員の教育・訓練

原子力発電の安全・安定運転を維持するうえで、現場を担う運転員・保修員の技術力の向上をはかることは大変重要です。このため定期的に教育や訓練を社内・社外で実施しています。

・日常の業務を通じて実務訓練を行います。
・運転員は通常の運転操作や故障の際の対応などをシミュレーターを使って定期的に確認します。
・保修員は、原子力研修センターで発電所と同様の機器を使って点検作業などの訓練を行います。

入念な点検・検査

原子力発電の安全・安定運転を維持するうえで、現場を担う運転員・保修員の安全・安定運転のため、原子力発電所では日常的に設備や機器の点検を行うとともに、法令に基づき発電所を止めて定期検査の実施や、このほか、10年に1回の定期安全レビューを行っています。
・定期検査(一定期間ごと)/設備の状態に関するデータなどを評価して、各設備の特性に応じた点検内容や頻度を定めて点検や修理を実施しています。
・定期安全レビュー(10年ごと)/10年に1回、最新技術や他の発電所のトラブルから得られた教訓・再発防止策などが適切に反映されているか評価・確認します。
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