経営方針
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンスの基本的な考え方
当社グループは「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」に基づき、ステークホルダーのみなさまのご期待にお応えし続けることで、持続的な企業価値の向上と社会の持続的発展に貢献します。
その実現に向けた経営の最重要課題は、コーポレートガバナンスの強化であると認識し、当社のコーポレートガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用しています。監督においては、ステークホルダーのみなさまの視点を反映するため、取締役会を中心に外部の客観的かつ多様な視点を重視した体制を構築し、執行に対して適切な監督をおこなうことで、経営の透明性・客観性の向上を図ります。
現状のコーポレートガバナンスの概要
当社は、株主総会から経営の負託を受けた取締役会の基に、執行役会議および各種委員会を置き、業務の執行を適正におこなうとともに、取締役会等を通じて取締役および執行役の職務執行を監督しております。当社のコーポレートガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、2020年6月より執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用しています。
【コーポレートガバナンス体制図】

※関西電力送配電(株)においても、ガバナンスについては、一般送配電事業者としての中立性の確保を前提に、当社が株主としての権利を有する関係において、適切な体制を実現してまいります。
コーポレートガバナンス体制
1.監督
取締役会
◆構成
取締役会については、当社の事業規模、事業内容、経営課題への対処、および監督機能の観点から、ジェンダーや国際性なども含む多様性を踏まえ、必要かつ適正な体制とし、経営者や専門家として培われた豊富な経験と識見を有する幅広い分野からの独立社外取締役(8名)、当社事業について豊富な経験と識見を有する社内取締役(6名)により構成しています。
また、適切な意思決定と実効的な監督をおこなう観点から、取締役会を構成する取締役の員数は、20名以内とし、その過半数を独立社外取締役としています。
なお、取締役会議長は、独立社外取締役が務めることとしております。
◆役割と責務
取締役会は、多様で幅広いステークホルダーの立場を踏まえたうえで、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上のために、①「企業戦略等の大きな方向性を示すこと」、②「執行役による適切なリスクテイクを支える環境整備をおこなうこと」、③「独立した客観的な立場から、経営に対する実効性の高い監督をおこなうこと」を主要な責務としています。
経営計画等の経営の基本方針については、多様な観点から十分に議論をおこなったうえで決定し、その進捗状況を定期的にモニタリングし、その結果を今後の方針に反映させます。
また、実効的な内部統制やリスク管理の体制を整備し、特にコンプライアンスの観点から経営を監督しつつ、執行役の迅速・果断な意思決定を支援します。
執行と監督を明確に分離する観点から、取締役会は、経営の基本方針に基づく業務執行の決定については、原則として執行役に委任します。なお、執行役への委任の有無にかかわらず、特に重要な業務執行について、必要に応じ、検討段階において取締役会で事前に議論をおこない、執行役は社外取締役をはじめとする取締役からの適切な意見・助言を得ます。
指名委員会
指名委員会の委員長は独立社外取締役であり、また委員4名全員が独立社外取締役です。
当委員会は、「取締役候補の指名をおこなうに当たっての方針」を定めたうえで、取締役の選解任に関する株主総会議案を決議するほか、その他役員人事に関する事項について、決議・審議をおこないます。また、グループ全体の持続的成長と、中長期的な企業価値の向上のため、執行役社長の選定を、最も重要な戦略的意思決定であると捉え、十分な時間と資源をかけて後継者計画および後継者候補の計画的育成に取り組みます。後継者計画の策定にあたり、次の執行役社長に期待する成果や必要な経験・スキル、コンピテンシー(能力)、ポテンシャル(素質)、価値観、人柄について審議し、「社長のあるべき姿像」を確認します。
加えて、社内評価や、第三者機関による外部評価等も活用し、多面的に候補者の情報を収集するとともに、指名委員が直接面談するなど、選任プロセスを明確化し、高い透明性・客観性を確保します。
- 委員長:榊󠄀原定征
- 委員:沖原隆宗、小林哲也、髙松和子
報酬委員会
報酬委員会の委員長は独立社外取締役であり、また委員4名全員が独立社外取締役です。
当委員会は、「取締役・執行役の報酬を決定するに当たっての方針」を定めたうえで、取締役および執行役の個人別の報酬を決議するほか、その他役員報酬に関する事項について、決議・審議をおこないます。また、取締役の報酬水準など、報酬に関する諸課題の検討にあたっては、外部専門機関のデータや他社状況等を活用します。
- 委員長:小林哲也
- 委員:榊󠄀原定征、沖原隆宗、加賀有津子
監査委員会
監査委員会の委員長は独立社外取締役であり、独立社外取締役4名と執行役を兼務しない社内取締役2名で構成しています。また、選定された監査委員会を構成する取締役には、適切な経験・能力および必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者を選任することとしています。
監査委員会は、その職務を執行するために必要な基本方針、規則等を定めたうえで、当社または当社の子会社の執行役、取締役または従業員等の職務執行について適法性・妥当性の観点から監査をおこなうとともに、監査の状況・結果について取締役会に報告します。また、必要に応じて執行役等に対して助言または勧告をおこないます。
監査委員会、内部監査部門および会計監査人は、適宜、連携して監査を実施することおよび監査計画や監査結果の意見交換等を通じて互いに緊密な連携を図ることで、効率的かつ実効性のある監査に努めます。
また、監査委員は、取締役会以外の重要な会議にも出席し、主要な事業所の業務および財産の状況を調査するなど、日常的に監査をおこないます。
- 委員長:友野宏
- 委員:佐々木茂夫、加賀有津子、内藤文雄、杉本康、島本恭次
コンプライアンス委員会
当社グループにおけるコンプライアンスにかかわる監督機能強化のため、執行から独立した「コンプライアンス委員会」を、取締役会直下に設置しています。コンプライアンス委員会は委員長を含む委員の過半数を社外有識者として、コンプライアンスにかかわる基本方針や、取締役および執行役等に関する問題事象の対処方針など特に重要なものについて、審議・承認するとともに、社長等執行に対して必要に応じ直接指導、助言、監督し、取締役会に定期的に報告をおこないます。
取締役
◆指名方針
当社取締役は、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等に定めた経営の基本的方向性や行動の規範に従って、率先して、コンプライアンスを重視し、自らの職務の執行を律することが求められます。取締役候補者の指名については、ジェンダーや国際性などを含む多様性を踏まえたうえで、適切な意思決定と実効的な監督をおこなうとの観点から、能力、経験、人格、識見などについて、当社取締役としてふさわしい人物かどうかを総合的に勘案し、指名委員会で審議し、決定します。社外取締役候補者については、特に、外部の客観的な視点から、取締役会の監督機能強化の役割を担うとの観点から、独立性を有していることも確認します。
当社は、東京証券取引所が定める独立役員の要件を踏まえ、下記のとおり、独自の独立性基準を策定しており、当該基準に照らして、社外取締役の独立性を判断します。
また、社外取締役が他の上場企業の役員を兼任する場合には、当社の社外取締役としての役割・責務を適切に果たすために必要となる時間・労力を確保できるよう、兼任数を合理的な範囲内とします。
【当社が定める独立性基準】
当社は、社外取締役が以下1~9のいずれにも該当しない場合に、独立性を有するものと判断します。
1 | 当社を主要な取引先とする者またはその業務執行者 |
---|---|
2 | 当社の主要な取引先またはその業務執行者 |
3 | 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家 (当該財産を得ている者が法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者) |
4 | 当社から多額の寄付・会費を受けている者またはその業務執行者 |
5 | 当社の監査法人の業務執行者 |
6 | 当社の主要株主である者またはその業務執行者、および当社が主要株主である会社の業務執行者 |
7 | 当社または当社子会社から役員を受け入れている会社の業務執行者 |
8 | 最近において、上記1~7のいずれかに該当していた者 |
9 | 次のいずれかに掲げる者(重要でない者を除く)の配偶者または二親等以内の親族 |
(1)上記1~3までに掲げる者 | |
(2)現在または最近において、当社または当社の子会社の業務執行者 |
【取締役のスキル・マトリクス】
当社は、取締役会全体で知識・経験・能力等の多様性を確保するため、取締役が備えるべきスキルとして、コーポレートガバナンス・コードに照らした基本的スキルに加えて、当社の重要課題に照らし必要なスキルを選定し、指名委員会においてこれを決定しました。
取締役 | 経営 経験 |
ガバナンス・ リスク マネジメント |
財務 ・会計 |
法務・ コンプ ライアンス |
テクノ ロジー |
産業 政策 |
広報 戦略 |
グローバル 経験 |
販売・ マーケ ティング |
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榊󠄀原 定征 | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
沖原 隆宗 | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
小林 哲也 | ● | ● | ● | ● | |||||
佐々木 茂夫 | ● | ● | |||||||
加賀 有津子 | ● | ● | ● | ||||||
友野 宏 | ● | ● | ● | ● | |||||
髙松 和子 | ● | ● | ● | ||||||
内藤 文雄 | ● | ● | |||||||
森本 孝 | ● | ● | ● | ||||||
彌園 豊一 | ● | ● | ● | ||||||
稲田 浩二 | ● | ● | ● | ||||||
森 望 | ● | ● | |||||||
杉本 康 | ● | ● | |||||||
島本 恭次 | ● | ● |
◆役割と責務
取締役は、取締役会等において、積極的に意見を表明し、建設的な議論を尽くすものとし、また、職務を執行するにあたり、他の取締役や執行役に対し説明を求めることを含め、十分な情報収集に努めます。
社外取締役は、企業経営者や専門家としての豊富な経験や識見を活かし、外部の客観的な視点から、取締役会の監督機能強化の役割も担います。また、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、社外取締役同士で意見交換を活発におこなうとともに、執行役とも十分に連携します。
◆トレーニング
取締役に対して、その役割・責務を果たすうえで必要な知識を付与するため、就任の際、また就任後も定期的に研修をおこなうなど、適切なトレーニングの機会を設けています。
社外取締役に対しては、その役割・責務を果たすうえで必要な知識を習得できるよう、就任の際、また就任後も継続的に、当社グループの事業・財務・組織等に関する説明をおこなっています。さらに、事業内容の理解促進を目的とした当社施設の視察や第一線職場との対話等も適宜おこなっています。
2.執行
執行役
◆選任方針
執行役は、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等に定めた経営の基本的方向性や行動の規範に従い、また、社長による「ステークホルダーのみなさまに対する宣誓」の趣旨に則り、率先して、自らの職務の執行を律することが求められています。執行役の選解任については、当社事業の各分野における豊富な専門的知識と経験、業務執行能力、人格などについて、当社執行役としてふさわしい人物かどうかを総合的に勘案し、取締役会において審議し、決定します。
◆役割と責務
執行役は、取締役会決議により、取締役会から委任された業務執行の決定をおこない、かつ、会社の業務を執行します。
◆トレーニング
執行役に対して、執行役としての職責を果たすうえで必要な知識を付与するため、就任の際、また就任後も定期的に研修をおこなうなど、適切なトレーニングの機会を設けています。
執行役会議、各種委員会
取締役会の決定した基本方針に基づいて、当社グループ全般の重要な業務執行方針および計画ならびに業務執行に関し審議するとともに、必要な報告を受けるため、執行役社長を議長にすべての執行役で構成する「執行役会議」を原則として毎週開催し、迅速かつ適切な会社運営を実施しています。上記に加え、当社は、執行の適正化と円滑化を図るため各種組織委員会組織を設置し、執行役会議を通じた意思決定や各部門の業務執行を支援しております。これらは各目的に関連する業務を担当する執行役を主として構成し、定期的に開催もしくは必要に応じて適宜開催しております。
◆サステナビリティ推進会議
サステナビリティに係る課題の対応については、当社グループとしての基本的な考え方や、遵守すべき行動の規範を「関西電力グループ行動憲章」に定めます。さらに、「サステナビリティ推進会議」を設置し、当社グループ全体のサステナビリティに関する総合的方策の策定や、実践状況の確認をおこない、グループが社会の持続的な発展に貢献するための具体的な活動を展開します。
◆リスク管理委員会
当社グループの事業活動に伴うリスクについては、「関西電力グループリスク管理規程」に基づき、各業務執行部門が自律的に管理することを基本とし、組織横断的かつ重要なリスク(情報セキュリティ、子会社の経営管理、安全・健康、市場リスク、財務報告の信頼性、環境、災害、コンプライアンス)については、必要に応じてリスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所を定め、各業務執行部門に対して、助言・指導をおこなうことでリスク管理の強化を図ります。さらにリスクを統括的に管理する「リスク管理委員会」を設置し、リスク管理委員会の委員長をリスク管理統括責任者とする体制のもと当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理するよう努めています。
◆原子力安全検証委員会・原子力安全推進委員会
原子力安全については、将来世代の従業員まで引き継いでいく原子力安全に係わる理念を「原子力発電の安全性向上への決意」として明文化し、これに基づき、たゆまぬ安全性向上に取り組んでいます。また、「原子力安全推進委員会」において、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策の推進や安全文化の醸成、福島第一発電所事故を踏まえた自主的・継続的な取組みに関して、広い視野から確認、議論をおこない、全社一丸となり、取組みを推進しています。さらに、社外の有識者を主体とする「原子力安全検証委員会」において、独立的な立場から助言等を得て、安全性向上の取組みに反映しています。
◆調達等審査委員会
工事の発注や契約手続き、寄付金や協力金に関する拠出手続きの適切性、透明性を確保することを目的に、社外有識者を過半数とする「調達等審査委員会」を設置し、外部の専門家の視点で審査する仕組みを構築しています。
◆経営監査委員会
内部監査については、安全・品質に関する経営的諸問題を幅広く共有・審議するとともに、社外の識見や情報を取り入れ、公正かつ専門的な立場から、グループ全体の内部監査の適正を確保するため、「経営監査委員会」を設置しています。
また、内部監査の専任組織として、経営監査室を設置し、業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況に係る適正性・有効性等を定期的に監査しています。
3.顧問
当社は、指名委員会における審議を経て、従来の相談役・顧問制度を改廃し、新たな顧問制度を施行しております。新たな顧問制度のもとでは、役員退任後の業務委嘱において、相談役を廃止いたしました。
執行役
◆制度
当社グループの持続的な発展に寄与する場合、必要に応じて顧問を置くことができることとしています。
◆委嘱•報酬決定プロセス
客観性を確保する観点から、取締役および執行役を退任した者に対して顧問等を委嘱する場合は、その委嘱の必要性ならびに業務内容および報酬について、指名委員会および報酬委員会ならびに取締役会において、厳正に審議し、決定するとともに、顧問の委嘱業務および個別の報酬額について開示します。
◆役割
顧問は、自らの経験や人脈等を活かし、業界活動、地域経済からの要請への対応など、関西経済および当社グループ事業の発展につながる社会貢献活動等をおこなう一方、経営への指導および助言活動はおこないません。
4.取締役・執行役の報酬
取締役・執行役報酬は、会社法の規定に基づき、報酬委員会において決定します。
業務執行を担わない取締役の報酬については、その役割を踏まえ、基本報酬のみの構成とします。
業務執行を担う執行役の報酬については、企業業績と企業価値の持続的な向上に資するよう、各執行役の地位等に応じて求められる職責などを勘案した基本報酬に加えて、短期インセンティブ報酬としての業績連動報酬および中長期インセンティブ報酬としての株式報酬で構成し、その支給割合については、「基本報酬:業務連動報酬:株式報酬=6:3:1」の割合が目安となるよう設定します。
5.子会社のマネジメント
子会社に対しては、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、浸透を図るとともに、子会社管理に係る社内規程に基づき、子会社における自律的な管理体制の整備を支援、指導すること等により、企業集団の業務の適正を確保しています。
また、子会社における重要な意思決定については、事前に関与することや、経営状況を定期的に把握することに加え、特に当社グループの成長の柱となる事業を担う中核会社については、重要な業務執行方針および計画を執行役会議で審議することにより、グループ全体の企業価値の毀損を未然に防止し、またはこれを最小化するよう努めています。
6.取締役会の実効性評価と対応方針
実効性評価の方法
取締役会は、年1回、第三者機関を活用し、全取締役を対象に、取締役会等の実効性に関するアンケートを実施し、その集約・分析結果を踏まえて、取締役会等の実効性について評価をおこない、取締役会運営をはじめとしたコーポレートガバナンスの改善を図っております。
2020年度の取締役会等の実効性評価に関するアンケートについては、金品受取り問題および役員退任後の嘱託等の報酬に関する問題の反省に立ち、再発防止のため策定した業務改善計画の取組状況(執行と監督の明確な分離による監督機能強化を目的とした、2020年6月25日付の指名委員会等設置会社への移行を含む)を確認する設問を追加したうえで実施いたしました。
実効性評価の結果
2020年度の全体評価 |
---|
「指名委員会等設置会社への機関設計の変更に伴う会議運営の仕組みの構築(取締役会付議事項の適正化、各委員会の基本的な運営面など)」、「取締役会の構成」、「取締役会の議論の充実に向けた取組み(社外取締役への事前の情報提供など)の実施およびそれによる取締役会の活発な議論」については、適切または概ね適切であると評価する意見が多く、取締役会は、当事業年度の取締役会等の実効性は確保されていると判断しました。 |
今後の課題 |
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対応方針 |
取締役会は、上記の課題を踏まえ、改善計画を策定し、社外取締役と執行役が、中長期的な経営方針や成長戦略の方向性等について、相互に議論を重ね、認識を深める機会を充実してまいります。 また、関係会社の経営状況やリスク管理状況、内部通報制度の運用状況を含む報告内容の一層の充実を図り、グループガバナンスの実践・強化を図ってまいります。今後も、取締役会は、実効性評価を基点に課題の共有を行い、さらなる実効性の向上のため、継続的な取組みを行ってまいります。 |
2020年度の運営状況
◆取締役会
法令および取締役会規則に基づき、株主総会議案や各委員会の構成員のほか、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」や「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」、「ゼロカーボンビジョン2050」をはじめとした当社グループの経営に関わる重要事項等について決議しております。また、電気事業法に基づく業務改善計画の取組状況に加え、四半期ごとの決算、内部統制に関する運用状況等について定期的に報告を受け、審議をおこなっております。上記の決議および審議をおこなうに当たって、取締役会議論の充実およびコーポレートガバナンスの強化を目的として、当該事業年度は、取締役による意見交換会を6回、独立社外取締役のみで構成する会合を1回開催し、当社の経営課題や将来的な成長戦略の方向性等について幅広く議論しております。これらの意見交換会や会合を通じて得た意見を経営や以降の取締役会議論に反映しております。執行側からの取締役会議題等の事前説明、原子力発電所をはじめとする第一線職場の視察、従業員との対話等、年間を通じて、社外取締役向けにさまざまな施策を実施しています。
◆指名委員会
株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定、取締役の選任方針の決定をおこなうほか、執行役社長の後継者計画の内容および育成プロセスや顧問の委嘱等について、審議をおこないます。当該事業年度、重点的に審議をおこなった事項には、以下を含みます。
- 執行役社長の後継者計画
- 取締役が備えるべきスキル(スキル・マトリックス)
- 社外取締役の独立性基準
◆報酬委員会
取締役および執行役の個人別の報酬等の内容に関する方針の決定、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定をおこなうほか、顧問の報酬等について、審議をおこないます。当該事業年度、重点的に審議をおこなった事項には、以下を含みます。
- 他社の役員報酬水準や報酬方針の動向等に係る調査結果を踏まえた当社役員報酬の水準
- 業績連動報酬の仕組みや目標設定
◆監査委員会
取締役会で決定した当社グループの経営に関わる重要事項等を踏まえた監査計画を策定し、当社グループの事業活動が適法・適正におこなわれているか、また、リスクの防止と企業価値の向上に向けて適切・妥当な意思決定や業務執行がおこなわれているか、との観点から監査をおこなうとともに、監査委員間での審議、取締役会や執行側への意見、提言をおこないます。当該事業年度、重点的におこなった監査等の事項には、以下を含みます。
- 業務改善計画を受けたコンプライアンス、ガバナンス強化の取組状況の確認
- 総合エネルギー事業の収支改善などの取組状況の確認
- 第一線職場との対話
- 金品受取り問題および役員退任後の嘱託等の報酬に関する問題について、当社が提起した旧役員を被告とする損害賠償請求訴訟の対応
なお、当該業年度の取締役会および指名・報酬・監査委員会の開催状況および個々の取締役の出席状況については次のとおりです。
氏名 | 開催状況および出席状況 | |||
---|---|---|---|---|
取締役会 | 指名委員会 | 報酬委員会 | 監査委員会 | |
榊󠄀原 定征 ※ | ◎100%(13/13回) | ◎100%(8/8回) | 100%(3/3回) | - |
沖原 隆宗 ※ | 100%(18/18回) | 100%(8/8回) | 100%(3/3回) | - |
小林 哲也 ※ | 100%(18/18回) | 100%(8/8回) | ◎100%(3/3回) | - |
佐々木 茂夫 ※ | 94%(17/18回) | - | - | 95%(18/19回) |
加賀 有津子 ※ | 89%(16/18回) | - | 100%(3/3回) | 84%(16/19回) |
友野 宏 ※ | 100%(13/13回) | - | - | ◎100%(13/13回) |
髙松 和子 ※ | 100%(13/13回) | 100%(8/8回) | - | - |
内藤 文雄 ※ | 100%(13/13回) | - | - | 100%(13/13回) |
森本 孝 | 100%(18/18回) | - | - | - |
彌園 豊一 | 100%(18/18回) | - | - | - |
稲田 浩二 | 100%(18/18回) | - | - | - |
杉本 康 | 100%(18/18回) | - | - | 100%(19/19回) |
山地 進 | 100%(13/13回) | - | - | 100%(13/13回) |
(注1)()内は、出席回数/在任中の開催回数を示しております。
(注2)◎は議長または委員長を示しております。
(注3)※は独立社外取締役を示しております。
(注4)監査委員会の出席状況には、当社が指名委員会等設置会社へ移行した2020年6月25日開催の第96回定時株主総会以前に開催した監査役会を含んでおります。
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