原子力発電について
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Q4.日本では発生しにくい理由はあるのか?

A4.
 インコネル600合金は、1次系水質環境中でSCCが発生する可能性があり、材料、応力、環境(水質、温度)の影響を受けます。SCCの発生には、これらの要因が影響を及ぼすため、同じ型式の上蓋でもSCCが発生する時間は異なります。

(仏国との違い)
当社プラントの管台の材料は、いずれもインコネル600合金製で、フランスのブジェー3号機と同じです。一方、温度条件からはブジェー3号機の頂部温度が約315℃であるのに対し、美浜3号機、高浜1,2号機が約321℃と高くなっていますが、管台の製管方法や内面の加工が異なっています。

   
  <参考>
  フランスと日本では製管方法(仏国:鍛造棒材くりぬき加工、日本:熱間押し出し加工)が異なっています。一般に、材料の応力が高いほどSCCが発生しやすく、仏国素材の方が国内素材より応力が高い傾向があると考えています。
  フランスの管台では、溶接部の管台内側に段つき加工が施されており、日本のプラントより高い応力がかかっていたと考えられています。
 
(米国との違い)
当社プラントの管台の材料は、いずれもインコネル600合金製で、米国のプラントと同じです。米国では、平成12年11月、オコーニ発電所1号機で上蓋管台からSCCによる漏えいが発生し、その後、多数のプラントで周方向を含むSCCが確認されています。これらの損傷はB&W製の管台で多く認められている傾向があります。また、米国原子力規制委員会(NRC)の発行したブリテン(通達)では、製作時や溶接施工後における管の溶接曲がり矯正に伴い高残留応力が発生することも指摘されています。
以上のことは、NRCのホームページに記載されております。
 
 当社プラントでは、温度の高いプラントは上蓋取替済みで、その他は上蓋頂部温度低減対策により、早めの対策をとっています。


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