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若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.37 2016年3月22日現在

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高浜発電所4号機の原子炉が自動停止 発電機と送電系統を接続した際、電気系統の保護装置(M87B)が動作し、原子炉が自動停止しました

 平成28年2月29日14時01分、高浜発電所4号機は並列操作(発電機を送電系統に接続する操作)を実施した際、送電線側からの瞬間的な電流変化により、電気系統の保護装置(M87B)が動作したことで発電機が自動停止し、続いてタービンおよび原子炉が自動停止しました。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はありませんでした。

原因 暫定運用した保護装置(M87B)の動作設定値が適切ではありませんでした

 送電開始に向けて発電機と送電系統を接続した際に、送電系統と発電機の電力のズレにより、発電機側に許容範囲内の瞬間的な電流が流れ込みましたが、保護装置(M87B)の設定値が適切でなかったため、発電機と送電系統を切り離す指示が出てしまいました。
 これは、定期検査において保護装置(G87)の取替えを実施したため、取替え後の健全性を発電機の出力が5%の状態で確認するまでの間、代替として暫定運用していた保護装置(M87B)が動作したものです。保護装置(M87B)は、主変圧器を流れる電流の差を検知する運用から、発電機側に流れる電流を検知する運用に変更していましたが、暫定運用する際の事前検討において、これまで実績のある運用であったこと、発電機からの電流に対して設定値に余裕があることは考えたものの、送電線側からの瞬間的な電流変化を想定して評価をしていなかったことが判明しました。
 なお、保護装置の設定値の決定における、瞬間的な電流変化の検討の必要性についての関係者に対する教育が不足していました。

保護装置動作時のイメージ

対策 保護装置の設定値を安全上問題のない範囲内の90%に変更する等を実施します

 設備的な対策を実施するとともに、技術検討の強化策等、以下の5つの対策を実施します。

  • (1)並列時に発生する瞬間的な電流の変化を考慮し、並列時の保護装置(M87B)の暫定的な設定値を90%に設定します。
  • (2)保護装置の暫定設定値の検討時に、確認すべき項目を含んだチェックシートを用いて検討することをルール化します。
  • (3)保護装置に係る工事の発注時、瞬間的な電流の変化も含めた評価を要求することをルール化します。
  • (4)電気設備の所管部署に対して、送電系統の所管部署による送電系統の動き、および保護の考え方についての教育を実施します。
  • (5)メーカで実施する対策について実施状況を確認します。

対策前と対策後 表

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