事業所・関連施設

若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.14 2012年4月17日現在

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7

平成23年東北地方太平洋沖地震から得られた地震動に関する知見を踏まえた原子力発電所等の耐震安全性評価に反映すべき事項(中間とりまとめ)に基づく報告書の提出について

 当社は、平成24年1月27日、原子力安全・保安院より、原子力発電所の耐震安全性評価※26において活断層※27の連動性を否定していたものに関し、その連動の可能性について再度検討を行い、報告するようご指示を受けました。
 活断層の連動の可能性を否定していたものについては、これまで国や事業者(当社、日本原子力発電株式会社、独立行政法人日本原子力研究開発機構)の調査及び国の審議会においても否定されてきましたが、15組の活断層について、地形や地質の状況や成り立ち、活断層同士の力学的な相互作用に着目し、再度検討しました。
 その結果、改めて連動を考慮する必要はないと評価し、平成24年2月29日に原子力安全・保安院に報告書を提出しました。

  • ※26 原子力発電所の耐震安全性評価とは… 原子力発電所周辺の地質調査を行い、発電所に影響のある活断層を評価し、起きると想定される最も大きな地震による揺れ(基準地震動)を策定し、基準地震動により、安全上重要な機器を有する施設の安全機能が確保されていることを確認すること
  • ※27 活断層とは… 原子力発電所の耐震設計上考慮する活断層は、後期更新世(約12〜13万年前)以降の活動が否定できない断層

【当社の報告概要】

1.連動の可能性を検討した活断層(15組)
  1. 1柳ヶ瀬(やながせ)断層とウツロギ峠北方−池河内(いけのこうち)断層
  2. 2柳ヶ瀬断層南部とウツロギ峠北方−池河内断層
  3. 3柳ヶ瀬断層南部とウツロギ峠北方−池河内断層南部、浦底(うらそこ)−内池見(うちいけみ)断層北部
  4. 4浦底−内池見断層と敦賀(つるが)断層
  5. 5浦底−内池見断層と白木(しらき)−丹生(にゅう)断層
  6. 6C断層と白木−丹生断層
  7. 7C断層と三方(みかた)断層
  8. 8三方断層と花折(はなおれ)断層
  9. 9大陸棚外縁(たいりくだながいえん)断層〜B断層〜野坂(のさか)断層と敦賀断層
  10. 10大陸棚外縁断層〜B断層〜野坂断層と白木−丹生断層
  11. 11大陸棚外縁断層〜B断層〜野坂断層とC断層
  12. 12大陸棚外縁断層〜B断層〜野坂断層と三方断層
  13. 13FO−A〜FO−B断層と熊川(くまがわ)断層
  14. 14和布(めら)−干飯崎(かれいざき)沖〜甲楽城(かぶらぎ)〜柳ヶ瀬〜鍛冶屋(かじや)〜関ヶ原(せきがはら)断層
  15. 15ウツロギ峠北方−池河内断層南部と浦底−内池見断層北部

若狭湾周辺の活断層

2.検討内容と結果
  1. (1)地形や地質の状況や成り立ちに着目した検討
     連動の可能性を検討した活断層について、地形・地質の状況、断層の配列、地下深部の構造、文献等のデータを基に、連動の可能性を再検討した結果、活断層の連動の可能性を否定してきたこれまでの評価を変えるものはありませんでした。
  2. (2)活断層同士の力学的な相互作用に着目した検討
     活断層は、繰り返し活動するものであり、その活動に伴い地盤中の力のバランスが変わり、他の活断層の活動が誘発され連動する場合があります。この連動の発生間隔を検討した結果、活断層同士の連動が発生する間隔は、約46万年〜100万年以上となり、連動する可能性は極めて低いと判断しました。

活断層同士の力学的な相互作用に着目した検討のイメージ

(3)総合評価
  • ○連動の可能性を検討した活断層について、地形や地質の状況や成り立ち、活断層同士の力学的な相互作用に着目し、検討した結果、 その連動を考慮する必要はないと評価しました。
  • ○今回実施した活断層の連動に関する検討の結果、FO−A〜FO−B断層と熊川断層の連動については、改めて考慮不要であると判断しましたが、念のため、これらの活断層が仮に連動した場合の地震動を算定し、大飯発電所3、4号機ストレステストのクリフエッジ※28評価結果(基準地震動Ssの1. 8倍)との比較を行いました。その結果、ストレステストにおいて確認したクリフエッジ(基準地震動Ssの1. 8倍)を下回ることから、仮に連動を伴う地震が発生した場合でも問題がないことを確認しました。
  • ※28 クリフエッジとは… プラントに影響を与える事象の厳しさが、あるレベルを超えた途端に事象進展の状況が急変すること

【当社の検討結果についての国の審議状況】
 平成24年3月28日、原子力安全・保安院において、専門家による審議会が開催され、当社の検討結果について審議いただきました。現時点での審議状況は、次のとおりです。

  • ○当社が評価したFO−A〜FO−B断層と熊川断層の3つの活断層が仮に連動するとして算定した地震動の評価結果を妥当であるとの見解をいただきました。
  • ○大飯発電所においては、この地震動を用いた施設の耐震安全性評価の実施を必要とする評価をいただきました。
  • ○上記以外の連動の可能性については、今後、引き続き審議いただく予定です。

【今後の対応】

  • ○大飯発電所においては、今後、原子力安全・保安院の見解を踏まえ、念のため、FO−A〜FO−B断層と熊川断層の連動を考慮した場合の地震動を用いた施設の耐震安全性評価を実施します。
  • ○今後も引き続き、活断層の連動性に関する情報収集に努め、新たな知見が判明した場合や国の審議会の結果を踏まえ、適切に対応してまいります。
企業情報