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若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.13 2012年3月26日現在

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福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力災害時の初動体制等に係る追加安全対策について
4.途絶しない情報通信網の確立
 これまで発電所内においてはトランシーバや専用通信線の敷設、また発電所内外の通信手段確保のための衛星携帯電話を追加配備しましたが、情報通信網のさらなる充実を図ります。

【具体的な取組み】
(1))衛星携帯電話※3の屋外アンテナの新設

 衛星携帯電話の屋外アンテナを追加設置し、衛星携帯電話による屋内での通信を確実にします。[平成24年度上期完了目途]

※3「衛星携帯電話」とは……通信衛星を基地局とした携帯電話

(2)オフサイトセンター※4への衛星携帯電話(屋外アンテナ付)の新規配備
 オフサイトセンターに衛星携帯電話を新たに配備するとともに、屋外アンテナを設置し、連絡手段の充実化を図ります。[平成24年度上期完了目途]

※4「オフサイトセンター」とは……緊急事態応急対策拠点施設

(3)モニタリングポスト※5のバックアップ回線の新設
 福島第一原子力発電所事故においては、地震及び津波により発電所敷地境界モニタリングポストによる監視が不能となったことから、モニタリングポストのデータ伝送系について、従来の有線に加え無線バックアップ回線を追加し二重化します。[平成26年度完了目途]

※5「モニタリングポスト」とは……環境の放射線を定期的に、または連続的に監視測定する装置

衛星携帯電話 オフサイトセンター モニタリングポスト
衛星携帯電話 オフサイトセンター モニタリングポスト

(4)可搬型モニタリングポストの整備
 地震や津波によりモニタリングポストが機能しなくなることに備え、電源及び通信機能が付いた可搬型モニタリングポストを追加配備します。[平成25年度完了目途]

(5)原子炉等の状態を監視する計測器の開発
 シビアアクシデント時の過酷な環境下においても、原子炉水位等の重要な情報を計測できるシステムを、国と事業者が一体となって研究開発を実施していきます。[平成24年1月より検討開始]

5.災害対応資機材等の充実
 資機材の充実と予備品の追加確保、格納容器破損防止のためのフィルタ付ベント(圧力逃がし)設備の設置に取り組んでいきます。

【具体的な取組み】
(1)資機材の充実と予備品の追加確保

 発電所内の機器に使用されている空気作動弁等の動力確保のための窒素ボンベや、内部被ばくの確実な防止のためのマスク用チャコールカートリッジ※6、計測機器の電源確保のためのバッテリー等を追加確保するとともに、地震・津波により生じる瓦礫・漂流物を撤去し、災害時のアクセスルートを確保するために、機能の充実した重機に変更配 備します。[平成24年度完了目途]

変更配備
する重機
ショベル付ブルドーザー
(ドーザーショベル) クレーン付大型運搬トラック
(ウニモグ)
  ショベル付ブルドーザー
(ドーザーショベル)
クレーン付大型運搬トラック
(ウニモグ)

※6「マスク用チャコールカートリッジ」とは……マスクに取り付けるフィルタで、事故時等で大気中に放出された放射性よう素をチャコール(活性炭)により吸着し、体内に取り込むことを防止するもの

(2)格納容器破損防止のためのフィルタ付ベント設備の設置
 福島第一原子力発電所事故においては、格納容器保護のために格納容器ベントがなされ、環境中に大量の放射性物質が放出されました。当社においては格納容器の設計や安全対策の実施により、格納容器が破損する事態に至らないことを確認していますが、万一炉心が損傷し、格納容器の内圧が大きく上昇した場合に、圧力を低減して損傷を防止するとともに、この際の放射性物質の放出量を低減させるために、念のため、さらなる安心の観点から格納容器フィルタ付ベント設備を設置します。[数年後完了目途]

フィルタ付ベントイメージ図

〈今後の対応について〉

 これまでに実施している安全性向上対策の計画に加え、今回、新たに自主的に追加策定した実行計画を鋭意実施し、安全性向上対策をさらに充実させることで、実効性の向上に取り組んでいきます。
 今後も、福島第一原子力発電所事故についての情報収集、分析を継続し、新たな知見獲得に努めるとともに、さらなる安全性向上対策を迅速かつ的確に実施することで、原子力発電所の安全性を向上させ、皆さま方に安心していただけるよう、全社一丸となって努力してまいります。

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