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若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.13 2012年3月26日現在

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福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力災害時の初動体制等に係る追加安全対策について

 当社は、これまで実施してきた安全性向上対策に関し、福井県からいただいたご意見や、平成23年12月26日に東京電力福島原子力発 電所における事故調査・検証委員会において取りまとめられた中間報告を踏まえ、当社が取り組んできた安全性向上対策や訓練の内容・ 結果に対し、追加・充実すべき点がないか再度検討を行いました。
 その結果、5つの重点項目を抽出し、それらを自主的な追加安全対策として取りまとめ、平成24年3月23日、福井県に報告しました。
 当社の報告に対し、福井県からは、一定の評価をいただき、「今後も新たな知見が出れば反映してほしい」とのご意見をいただきました。

【5つの重点項目の概要】
1.初動人員体制の強化
 福島第一原子力発電所事故では、災害への対処に必要な各種オペレーション(初動対応)要員の確保、整備が不十分であったとされていることから、体制を強化します。

【具体的な取組み】
(1)初動対応要員のさらなる増員

 外部支援がない状態であっても電源確保と給水確保が独立して実施できるよう、初動対応要員を各発電所で現状の40名程度から10名程度増員することとします。[平成24年4月末完了目途]

初動対応要員のさらなる増員 図

(2)協力会社による発電所支援体制の構築
 緊急時の発電所支援体制として、これまで当社社内からの支援、プラントメーカーによる支援の充実を図ってきましたが、さらに、協力会社による支援体制の強化として、非常時に必要な技量を持った要員の派遣を各発電所で約150名程度確実に受けることができるよう協力会社との間で支援体制を構築しました。[平成23年度実施済]

2.指揮命令系統の明確化
 発電所複数号機における同時災害発生時に情報が混乱し、指揮命令が遅れることがないよう体制を構築します。

【具体的な取組み】
(1)指揮命令系統の明確化

 複数号機同時災害発生時に、発電所長が号機ごとの指揮者を指名するとともに、号機に特化して情報収集や事故対策を行う事故対応者の体制を定めました。[平成23年度実施済]

(2)特命班の設置
 予期しない事象が発生し、新たな役割が必要となった場合に、発電所長の指示により対応する特命班を設置する体制を定めました。[平成23年度実施済]

3.運転員等のシビアアクシデント※1対応能力の向上
 運転員等のレベルアップを図るために、マニュアルの整備、教育、訓練についての充実を図ります。

※1「シビアアクシデント」とは……原子力発電所の安全設計において想定している事象を大幅に超え、原子炉の燃料が重大な損傷を受けるような過酷事故

【具体的な取組み】
(1)現場操作の詳細情報を盛り込んだマニュアルの整備

1 現場操作機器の設置場所、操作方法等の詳細の明記
 シビアアクシデント対応マニュアルについて、中央制御室で発電所や機器の状態など必要な情報が確認できない場合の代替確認手段や、現場における操作方法等の妥当性について再度点検を行うとともに、現場において確実な操作が実施できる よう、現場操作機器の設置場所、操作方法等の詳細情報を追加記載します。[平成24年度完了目途]
2 シビアアクシデント時の線量率予測図の作成
 万一の炉心損傷時には、発電所建屋内の放射線量の上昇が予想されることから、放射線量に関する情報を事前に入手して おくことにより、現地作業あるいは避難誘導のためのアクセスルート等の検討に活用することが可能となります。このため、 発電所建屋内の放射線線量率予想図を作成し、シビアアクシデント対応マニュアルに反映します。[平成25年度完了目途]

(2)自らがプラント状態を理解して対応するための教育
 アクシデントマネジメント※2対応要員の知識をさらに深めるために、発電所の設計思想やシビアアクシデント時の機器動 作等の深い知識について、メーカー等の協力を得て教育を実施します。[平成24年度より開始予定]

※2「アクシデントマネジメント」とは……シビアアクシデント(過酷事故)に至る恐れのある事態が発生しても、それが拡大することを防止し、万が一、 シビアアクシデントに拡大した場合にも、その影響を緩和するための対策

(3)より厳しい条件を想定した訓練の実施
 実施を事前に周知しない抜き打ち訓練や、休日・夜間等を考慮した訓練、通信設備や発電所事故対策本部にあるプラントの 運転状態を表示するシステムが使用不能な場合を想定した訓練、高放射線環境を想定した訓練など、より厳しい条件を想定し た訓練を充実させていきます。[平成24年度より開始予定]

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