一意専心~関西電力の安全DNA~
一人ひとりの「安全ヘの想い」
小浜営業所 小浜ネットワーク技術センター所長 根木

ネットワーク技術部門では、変電所からお客さまへ毎日電気を安定してお届けするための設備保守・運用・形成業務などを行っています。
たとえば、台風や雷といった自然災害などで電柱や変圧器などの設備が損傷すれば緊急修理をしたり、お客さまから新たな電気の申し込みがあれば電柱を建て、電柱に取り付けられている変圧器※の吊り替えを行って電気を送れるようにするなど、関西電力のなかでも特にお客さまに近い技術部門といえます。
「お客さまへ常に安定した電気をお届けすること。
これは私たちネットワーク技術部門の使命でもあり、やりがいでもあります。一方で台風や雷、地震など条件の悪いときほど電柱に昇って修理をしたり、6600Vの電圧が流れる電線を扱ったりしますから、常にリスクを背負いながらの作業になります」

「人間は失敗する動物ですが、だからといって失敗は許されません。ですから後輩たちには非常に厳しく指導しますし、たとえば車に乗ったときに習慣でシートベルトをするように、安全を守る行動も無意識のうちにできるようになるまで粘り強く指導しつづけます」

安全への思いがつまった「マモルンジャー活動」
「当時私が務めていた職場では社員災害や公衆災害が重なっていて、所員全員の安全への意識が高まっていました。そこに私の“二度と事故を繰り返したくない”という思いも重なって、始めたのが“マモルンジャー活動”なんです」

例えば2つの事業所に同じような業務がある場合、第三者が両事業所の業務を一括して見守りながら、安全に関する良い活動があればそれを広め、弱みがあれば是正していくというもの。この取り組みのなかで、根木自身が“マモルンジャー”となって、各事業所を定期的に訪問し、役職者と膝をつきあわせてコミュニケーションをとりながら、安全活動の全体的な底上げをはかっていきました。
「私の活動はあくまでも安全意識の動機づけ、起爆剤だと思っています。 よそから『ああやれ、こうしろ』と言われても、その本人の“気付き”がなければ、何も変わりません。私が直接職場を訪れ、安全に対する熱い思いを聞いてもらうことで、現場の所員たちそれぞれが安全に対する意識を芽生えさせられれば、と思っていました」
「この賞をいただいて、さらに安全に対する思いを強くしました。
『安全最優先』という言葉がありますが、これは何かをしようとするとき、次の場面に危険が潜んでいるのかを予測して、危険な箇所を除去するか回避するか、もしくは撤退するかを考えることです。しかし人間は長時間集中力が持続するわけではなく、どこかで不安全な状態に陥ってしまうのです。私は『この世に完全に安全な状態など存在しない』ということを肝に銘じながら、安全への思いを言い続けなければならないのだと思っています」

「あと少し、もうちょっと」の言葉を胸に
「基本動作についてはしつこいほど、繰り返し伝え、問いただしています。分かりきっていることでも問いただし、確認していく。これが安全文化の基本ではないかと思います。ヒューマンエラーをゼロにするのは難しいですが、少なくすることは可能です」
日常会話の中では『言わなくても分かるでしょう?』ということは省略されがちですが、でもこれこそ間違いの序曲。ハインリッヒの法則※のように、些細なミスがいずれは大きな災害を招くかもしれません。
あと少し、もうちょっと“伝え”られたり、あと少し、もうちょっと“考えれば”、防げることは世の中にはたくさんあります。今後もこうした安全への活動を続け、より多くの人にこの思いを反映してもらいたいと思っています」

根木のコンダクトカード
関西電力の全従業員は常に「コンダクトカード」という安全行動宣言とCSR行動宣言を記したカードを持ち歩いています。これは各個人が年に一度安全に対する目標をたてるもので、根木は「 言い続けます。アト少し もうチョッと 具体的な確認会話」という目標を立てています。
一意専心 Contents List
関西電力の安全の原点
一人ひとりの「安全への想い」
- この決意を後輩たちに伝えていく責務がある
美浜発電所 阿部 - 自分のできる最善を、鉄の意志でやりぬく
高浜発電所 中島 - 細かな異常に注意を払い、巨大な設備を動かす
大飯発電所 峰 - 徹底した安全確認とチームワークが大切
野江電力所 有田 - 厳しい冬も、猛暑の夏も、気の抜けない毎日
黒部川電力システムセンター 丸山 - この操作が命を救うこともある、そう肝に銘じています
御坊発電所 赤松 - 自ら“マモルンジャー”となって高める、一人ひとりの安全意識
小浜営業所 根木 - 未来を見据え、"道なき道を切り拓く"
加須良川引水設備新設工事所 米井 - 動作一つひとつの意味を理解し、実践する
我孫子電力所 杉浦 - 急いでいるときこそチョット待て! 一度みんな集まって考えようや!
姫路第二発電所 保修課 山根 - 安全を守る。それは現場で働く仲間のため、その家族のため。
土木建築エンジニアリングセンター 永井 - 原子力安全統括という責務を胸に、世界最高水準の安全性確保を目指す
大飯発電所 原子力安全統括 佐藤 - 当たり前を当たり前に支えるために。~無災害への挑戦~
東海電力部 一海 - 廃止措置のパイオニアとして、無事故無災害での完遂を目指す
美浜発電所 機械工事グループ 増井 - 安全が最大の品質、土木建築のプロフェッショナルとして、原子力発電所の安全を支える
高浜発電所 副所長(土木建築) 阿部 - 「運転員が最後の砦」揺るぎない想いで、安全を支える”ひと”を育てる。
原子力研修センター(おおい) シミュレータ講師 市原