一意専心~関西電力の安全DNA~
一人ひとりの「安全ヘの想い」
大飯発電所 タービン保修課 峰
1989年入社。関西電力学園にて原子力部門の知識を学んだ後、1990年に大飯発電所に配属。プラントの運転業務を行う発電室に勤務する。1999年より現所属のタービン保修課に配属、2010年から作業長を務める。

原子力発電所は、原子炉で生み出した高温高圧の熱水(約300度)を利用して蒸気をつくり、その蒸気の力で発電機につながっているタービンを回して発電しています。このタービンの保全・管理業務を行っているのが、タービン保修課。峰は2010年から作業長を務めています。
どの設備をどの時期に点検するか、という段取りが安全かつスムーズに作業を進めるためにも重要
「タービン保修課の仕事は、法的に決められた点検や、自分たちで決めた管理マニュアルに沿ったメンテナンスを、どのように実施するかの計画を立て、タービン設備の定期的な分解・点検をすること。原子力発電所の運転中のトラブルを防ぐためにも、設備のメンテナンスは欠かせません」
安定して電気を供給するには、トラブルを未然に防止することを念頭において、設備を保全・管理する必要があります。
たとえば、海外も含め他の発電所で起こったトラブルは、どんな小さなことであっても情報を入手し、大飯発電所の設備ではどこに該当するのかを調べ、類似品が使用されていたり、同じような環境だと分かれば、速やかに設備のメンテナンス計画を立てています。
たとえば、海外も含め他の発電所で起こったトラブルは、どんな小さなことであっても情報を入手し、大飯発電所の設備ではどこに該当するのかを調べ、類似品が使用されていたり、同じような環境だと分かれば、速やかに設備のメンテナンス計画を立てています。
「安全意識をもって作業管理をすることには、常に難しさを感じています」
タービン設備の分解・点検を行う際には、協力会社の作業員も含め50~60人くらいで行われます。
タービンは重いもので百トン程度にも及ぶ巨大な機器ですから、クレーン等の重機を使う必要があり、一歩間違えれば大きな事故につながりかねません。
設備を分解する工事の立案や工程の計画、どの設備をどの時期に分解するのかなどの段取りは、安全にかつスムーズに作業を進めるためにも非常に重要になってきます。
タービンは重いもので百トン程度にも及ぶ巨大な機器ですから、クレーン等の重機を使う必要があり、一歩間違えれば大きな事故につながりかねません。
設備を分解する工事の立案や工程の計画、どの設備をどの時期に分解するのかなどの段取りは、安全にかつスムーズに作業を進めるためにも非常に重要になってきます。

後ろで見守る人がいることの大切さに気づいた
「安全」という言葉から、峰が思い出す先輩の一言があります。
まだ作業長になる前のこと、現場で作業責任者と作業員が一緒に働いているところを見たことがありました。すると一緒にいた先輩が「作業責任者が作業してはダメだろう」と言ったのです。
まだ作業長になる前のこと、現場で作業責任者と作業員が一緒に働いているところを見たことがありました。すると一緒にいた先輩が「作業責任者が作業してはダメだろう」と言ったのです。
「その頃の私には、その言葉の意味が分かりませんでした。でも、その後自分が体験してようやく分かったのは、作業に没頭すると、その部分しか見えなくなるということ。
自分が作業をしていたとき、作業長から『危ないぞ』と言われて、後ろで見守る人がいることの大切さに気づきました。作業責任者は一歩引いた目で見ることが、安全につながっていくのだと感じたことをよく覚えています」

峰のコンダクトカード
関西電力の全従業員は常に「コンダクトカード」という安全行動宣言とCSR行動宣言を記したカードを持ち歩いています。これは各個人が年に一度安全に対する目標をたてるもので、峰は「手順を考え、一つ一つ確認し、基本動作を徹底します」という目標を立てています。
「何が危険だと思うか」を自ら考え、答えを出す
作業長になって4年目という峰。後輩に対して、作業に関することはもちろん、安全についても伝えていく立場となった今、「自分の理想とする作業長像にはまだまだ到達できていない」と話します。理想は1から10まですべて教えるのではなく、本人が自分で気づくことのできる環境をつくれる作業長。なぜなら “自分で考える時間”が絶対に必要だからです。
「現場では『あの作業の何が危険だと思うか』という問いかけを若手の所員にしています。危険なことを教えるのは簡単ですが、それでは本人のためになりません。自分なりに勉強し、自分で考えて、先輩からの問いに答える。この繰り返しによって、知識や感受性が自分のなかにしっかりと蓄積されていくのだと思います」
こうした取組みは「K(危険)Y(予知)トレーニング」といい、作業の状況のなかにひそむ危険の種(タネ)とそれが引き起こす現象を、皆で話し合い、考えあって、予防する能力を高める手法です。発電所ではあらゆる場面で実践されています。
峰本人は先輩からのこのような問いかけに対し、自ら考え、答えることで様々なことを学んでいきました。そして今では作業長として、部下や後輩に問いかけることで、関西電力の安全文化を担う従業員一人ひとりの能力、意識を高めることにつなげています。
「今は再稼動に向けて、シビアアクシデント対策工事の作業管理を行っています。求められるレベルがこれまで以上に上がってきているのを感じますし、これらの経験は私も含めて、作業員全員のスキルアップにつながっていると確信しています。関西電力は団結力のある会社です。これからも一致団結し、安全を胸に刻んで頑張っていきたいと思います」
峰本人は先輩からのこのような問いかけに対し、自ら考え、答えることで様々なことを学んでいきました。そして今では作業長として、部下や後輩に問いかけることで、関西電力の安全文化を担う従業員一人ひとりの能力、意識を高めることにつなげています。
「今は再稼動に向けて、シビアアクシデント対策工事の作業管理を行っています。求められるレベルがこれまで以上に上がってきているのを感じますし、これらの経験は私も含めて、作業員全員のスキルアップにつながっていると確信しています。関西電力は団結力のある会社です。これからも一致団結し、安全を胸に刻んで頑張っていきたいと思います」

一意専心 Contents List
関西電力の安全の原点
一人ひとりの「安全への想い」
- この決意を後輩たちに伝えていく責務がある
美浜発電所 阿部 - 自分のできる最善を、鉄の意志でやりぬく
高浜発電所 中島 - 細かな異常に注意を払い、巨大な設備を動かす
大飯発電所 峰 - 徹底した安全確認とチームワークが大切
野江電力所 有田 - 厳しい冬も、猛暑の夏も、気の抜けない毎日
黒部川電力システムセンター 丸山 - この操作が命を救うこともある、そう肝に銘じています
御坊発電所 赤松 - 自ら“マモルンジャー”となって高める、一人ひとりの安全意識
小浜営業所 根木 - 未来を見据え、"道なき道を切り拓く"
加須良川引水設備新設工事所 米井 - 動作一つひとつの意味を理解し、実践する
我孫子電力所 杉浦 - 急いでいるときこそチョット待て! 一度みんな集まって考えようや!
姫路第二発電所 保修課 山根 - 安全を守る。それは現場で働く仲間のため、その家族のため。
土木建築エンジニアリングセンター 永井 - 原子力安全統括という責務を胸に、世界最高水準の安全性確保を目指す
大飯発電所 原子力安全統括 佐藤 - 当たり前を当たり前に支えるために。~無災害への挑戦~
東海電力部 一海 - 廃止措置のパイオニアとして、無事故無災害での完遂を目指す
美浜発電所 機械工事グループ 増井 - 安全が最大の品質、土木建築のプロフェッショナルとして、原子力発電所の安全を支える
高浜発電所 副所長(土木建築) 阿部 - 「運転員が最後の砦」揺るぎない想いで、安全を支える”ひと”を育てる。
原子力研修センター(おおい) シミュレータ講師 市原