一意専心~関西電力の安全DNA~
一人ひとりの「安全ヘの想い」
野江電力所 有田
平成11年入社。関西電力学園で1年の研修後、小曽根電力所へ配属。平成19年より野江電力所に勤務。作業長として、現場の指揮を執る。

高いものでは約150mと、ビル40階相当の高さにもなる送電鉄塔。下から見上げるだけでも、足がすくむような高さの鉄塔に昇り、作業する社員たちがいます。
「一度バランスを崩すと、もう立て直せない。
1年間みっちり訓練をして、ようやく可能になる仕事です」
と話すのは、野江電力所作業長を務める、有田。 彼の仕事は、送電線やそれを支える送電鉄塔の保守・保全です。細い送電線をまたいでバランスをとるだけでも、訓練していなければできない過酷な仕事です。
発電所でつくられた電気は送電線を通り、各地の変電所等を介してお客さまの元へ届けられますが、高圧の送電線で万が一、事故が起きてしまうと、大規模な停電につながりかねません。
つまり、彼の仕事は電気の安定供給を支える重要な仕事。各設備は3ヶ月に1回、巡視と呼ばれる設備の確認をし、事故があれば即座に駆けつけるなど、地道な確認作業と、時には臨機応変な対応が必要になります。
つまり、彼の仕事は電気の安定供給を支える重要な仕事。各設備は3ヶ月に1回、巡視と呼ばれる設備の確認をし、事故があれば即座に駆けつけるなど、地道な確認作業と、時には臨機応変な対応が必要になります。
「自然災害などによる事故発生時には、ある区間で事故が起こっていることは機械やシステムでわかりますが、どの鉄塔のどの箇所に事故原因があるかまでは、わかりません。
最終的には人の力で発見しなければならないんです。
ですから、事故原因を特定できるまでは、何度でも次々に鉄塔に昇ります。1基昇って問題なければ、また次、というように…」
“早期の発見が、早く通常の状態へ復旧させることにつながる”という思いから、1日に7回昇ったこともあれば、大雨の中で作業を行ったこともありました。最新のシステムや地形条件、加えて経験も活かし、早期に事故原因を発見できたときが、彼のやりがいにつながっているといいます。

徹底した安全確認とチームワークが大切
こういった保守・保全を行っているのは、有田を含め約700人の社員たち。
彼らによって、約3万5000基の鉄塔と、約1万kmに及ぶ送電線が守られています。
彼らによって、約3万5000基の鉄塔と、約1万kmに及ぶ送電線が守られています。
鉄塔に昇っての作業は危険がつきもの。
電線へ乗り出すときは、バランスを崩しやすいため、胴綱(どうづな)と呼ばれる自分の体と電線を一巻きにするようなロープに加え、さらに補助ロープも併用して、2重の墜落防止対策を行っています。
また、作業中、工具や資材の落下による災害を絶対に起こさないために、落下防止ロープなどの活用や、常に自問自答して確認しながら、作業員間の相互監視も行うなど、徹底した安全確認を実施しています。
電線へ乗り出すときは、バランスを崩しやすいため、胴綱(どうづな)と呼ばれる自分の体と電線を一巻きにするようなロープに加え、さらに補助ロープも併用して、2重の墜落防止対策を行っています。
また、作業中、工具や資材の落下による災害を絶対に起こさないために、落下防止ロープなどの活用や、常に自問自答して確認しながら、作業員間の相互監視も行うなど、徹底した安全確認を実施しています。
「鉄塔の上は非常に狭いため、数人で作業をしていると、胴綱フックの取り付け位置が集中し混乱してしまうことがあります。私も新人の頃、自分の胴綱フックを外そうとして、先輩の胴綱フックを外しそうになり、先輩にひどく怒られたことがありました。以降、自分はもちろん後輩への指導の際にも、胴綱フックの取り外しの確認は必ず行っています」
「たとえ真夏であっても、長袖長ズボンに手袋をはめ、安全靴を履き、5kg以上の重さの安全帯と呼ばれる安全装備を身につけ工具類を背負い、鉄塔に昇ります。
老朽化した部品を取り替えるときなどは、倍ほどの重さを身に付けて昇ることもあります。山奥にある鉄塔は車で近づけず、数時間かけて歩くこともあるんですよ」
何重にも安全対策をとり、徹底した安全確認を経て、慎重かつ迅速に進められている作業。その作業を自分だけでなく、チーム全員の安全も考えて進められるようにするのも彼の仕事なのです。
有田のコンダクトカードには、『行動前には安全を確認します』と記されています。
まずは必ず一呼吸おいて安全を確認すること。安全最優先で作業するためには、なによりそれが大切だと有田は考えています。
まずは必ず一呼吸おいて安全を確認すること。安全最優先で作業するためには、なによりそれが大切だと有田は考えています。

一意専心 Contents List
関西電力の安全の原点
一人ひとりの「安全への想い」
- この決意を後輩たちに伝えていく責務がある
美浜発電所 阿部 - 自分のできる最善を、鉄の意志でやりぬく
高浜発電所 中島 - 細かな異常に注意を払い、巨大な設備を動かす
大飯発電所 峰 - 徹底した安全確認とチームワークが大切
野江電力所 有田 - 厳しい冬も、猛暑の夏も、気の抜けない毎日
黒部川電力システムセンター 丸山 - この操作が命を救うこともある、そう肝に銘じています
御坊発電所 赤松 - 自ら“マモルンジャー”となって高める、一人ひとりの安全意識
小浜営業所 根木 - 未来を見据え、"道なき道を切り拓く"
加須良川引水設備新設工事所 米井 - 動作一つひとつの意味を理解し、実践する
我孫子電力所 杉浦 - 急いでいるときこそチョット待て! 一度みんな集まって考えようや!
姫路第二発電所 保修課 山根 - 安全を守る。それは現場で働く仲間のため、その家族のため。
土木建築エンジニアリングセンター 永井 - 原子力安全統括という責務を胸に、世界最高水準の安全性確保を目指す
大飯発電所 原子力安全統括 佐藤 - 当たり前を当たり前に支えるために。~無災害への挑戦~
東海電力部 一海 - 廃止措置のパイオニアとして、無事故無災害での完遂を目指す
美浜発電所 機械工事グループ 増井 - 安全が最大の品質、土木建築のプロフェッショナルとして、原子力発電所の安全を支える
高浜発電所 副所長(土木建築) 阿部 - 「運転員が最後の砦」揺るぎない想いで、安全を支える”ひと”を育てる。
原子力研修センター(おおい) シミュレータ講師 市原