一意専心~関西電力の安全DNA~
一人ひとりの「安全ヘの想い」
御坊発電所 赤松
平成5年より1年間の研修の後、御坊発電所発電室に配属。主に発電設備の運転や巡視・点検を行う。

東日本大震災以降、原子力発電所がほとんど稼働していないなか、依存度が高まっている火力発電所。
その一つである、和歌山県の御坊発電所で働く赤松は、現在の状況をそう感じています。
その一つである、和歌山県の御坊発電所で働く赤松は、現在の状況をそう感じています。
御坊発電所は昭和59年に1号機が運転を開始、まもなく30年が経とうとしており、火力発電所のなかでも“古株”ともいえる存在。しかし原子力発電が稼働していない現在は、そんな御坊発電所でも、フル稼働せざるを得ません。そのうえ、少しでも供給力を確保するため、電気事業法で定められた定期点検も、延長を申請している状態です。 (2014年4月時点)
そんな状況だからこそ、これまで以上に、緊張感と使命感を持って作業をしている赤松ら発電室当直員。彼らは3交代24時間で巡回点検を行っています。
1日3度の巡回点検では、巨大なボイラやタービンなどが問題なく動いているか、約200のポイントを確認して廻ります。
1日3度の巡回点検では、巨大なボイラやタービンなどが問題なく動いているか、約200のポイントを確認して廻ります。
「点検・確認は、もちろん機器を使っていますが、大切なのは“人間の五感”。焦げたり、油臭いようなにおいがしないか、おかしな音がしないかと、感覚を研ぎ澄ませながら作業しています。正常な状態は体が覚えているので、それと比べて異常や不具合がないか、確かめているんです」

求められるスキルと判断力
以前、赤松が点検作業中にタービンの不具合が発生したことがあり、不具合解消までの間、重さ約450トンもある巨大なタービンを、当直員総出で1時間以上も回し続け、設備の損傷を防ぎました。※
「20年働いても、まだまだ勉強しなければならないことばかり。そんな僕でも、トラブルが起こって、自分の知識やスキルを頼りに無事運転させられたときは、安定供給に貢献できていると感じられて嬉しいですね」
※タービンは運転停止中も次の起動に備えて、5~6回転/分で回し続けなければならない。

この操作が命を救うこともある、そう肝に銘じています
巡回点検は、ほんの小さな見落としが電力供給をストップさせてしまうかもしれない危険性をはらんでいるため、その責任は重大です。
「私は上司から『その一操作が人の命を救うことがあると思って操作しなさい』と教えられました。自分の一操作でユニットをストップさせることなく運転継続させられたら、在宅医療を受けている人の命を救うことにつながるかもしれない。
だからどんな状況でも確実な操作ができるよう、日々技術力の向上に努め、“たかが一操作”と思わず、この一操作が命を救うこともあると思って操作しています」
厳しい電力需給が続く中、発電室当直員たちの間にもピリピリとした空気が漂っていると感じている赤松。そのため「逆にリラックスした雰囲気をつくるように心がけています。実は私も緊張していましたが、焦るとミスも増えますから」と、経験の浅いスキルアップ途中のメンバーもさりげなくサポートするようにしています。
「業務量が多く繁忙感を感じているときなどは、つい楽をしたいという思いがわいてきますが、かつて先輩から言われた『楽はいつでもできる』という言葉を思い出し、自分の周りでは絶対に事故や怪我をさせないよう、仲間の安全も自分が守るんだという強い思いを持って業務にあたっています」

一意専心 Contents List
関西電力の安全の原点
一人ひとりの「安全への想い」
- この決意を後輩たちに伝えていく責務がある
美浜発電所 阿部 - 自分のできる最善を、鉄の意志でやりぬく
高浜発電所 中島 - 細かな異常に注意を払い、巨大な設備を動かす
大飯発電所 峰 - 徹底した安全確認とチームワークが大切
野江電力所 有田 - 厳しい冬も、猛暑の夏も、気の抜けない毎日
黒部川電力システムセンター 丸山 - この操作が命を救うこともある、そう肝に銘じています
御坊発電所 赤松 - 自ら“マモルンジャー”となって高める、一人ひとりの安全意識
小浜営業所 根木 - 未来を見据え、"道なき道を切り拓く"
加須良川引水設備新設工事所 米井 - 動作一つひとつの意味を理解し、実践する
我孫子電力所 杉浦 - 急いでいるときこそチョット待て! 一度みんな集まって考えようや!
姫路第二発電所 保修課 山根 - 安全を守る。それは現場で働く仲間のため、その家族のため。
土木建築エンジニアリングセンター 永井 - 原子力安全統括という責務を胸に、世界最高水準の安全性確保を目指す
大飯発電所 原子力安全統括 佐藤 - 当たり前を当たり前に支えるために。~無災害への挑戦~
東海電力部 一海 - 廃止措置のパイオニアとして、無事故無災害での完遂を目指す
美浜発電所 機械工事グループ 増井 - 安全が最大の品質、土木建築のプロフェッショナルとして、原子力発電所の安全を支える
高浜発電所 副所長(土木建築) 阿部 - 「運転員が最後の砦」揺るぎない想いで、安全を支える”ひと”を育てる。
原子力研修センター(おおい) シミュレータ講師 市原