一意専心~関西電力の安全DNA~
一人ひとりの「安全ヘの想い」
美浜営業所 タービン保修課 阿部
1982年入社、関電ガクセンで学んだ後、翌年美浜発電所発電室に勤務し、1994年から機械保修課タービン係(現タービン保修課)に配属。その間、三菱重工(高砂製作所 原子力・火力本部)および日本原燃に出向。2013年より現職。

美浜発電所タービン保修課でタービン係長を務める阿部。これまで三菱重工業や日本原燃への派遣・出向経験があり、これらの会社でも安全に対する取組みを学んできました。
「安全を守るという考え方は、どの職場でも変わりません。
一番重要なのはチームワーク。チームで意識を共有すること、コミュニケーションをとることが非常に大切です」
発電所におけるコミュニケーションは“ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)”が基本です。困ったことや判断に迷う時は必ず立ち止まる。そして必ず、相談することです。
時間がかかり遠回りしているように思われるかもしれませんが、判断に迷うときは必ず立ち止まることが安全への近道なのです。
時間がかかり遠回りしているように思われるかもしれませんが、判断に迷うときは必ず立ち止まることが安全への近道なのです。

設計図を頭のなかでイメージできているか
阿部が担当するタービン設備や機器類は、何万もの部品で構成されています。一つ一つの機器の特性、劣化メカニズムなどを理解した上で、メンテナンスをしなければ安全にはつながりません。
「不具合があった時、頭のなかでその現場のイメージができている場合とできていない場合では、大きく違います。だからこそ何度も現場へ足を運びます」


決して忘れてはならない。胸に誓った経験
阿部には決して忘れられない、そして忘れてはならないと胸に誓った経験があります。
それは2004年8月9日、美浜発電所3号機タービン建屋内で起こった配管破損事故
。事故を知らせる第一報を聞いて、現場にかけつけた阿部は、天井からは雨が降るかのように大量の熱水が流れ落ち、床に熱水がたまるという現場を目の当たりにしました。
それは2004年8月9日、美浜発電所3号機タービン建屋内で起こった配管破損事故

「あの時の状況は今も脳裏に焼き付いています」
この事故を経て、阿部自身も、これまで以上により慎重になりました。物事を進める際、コンプライアンスやルールなどさまざまな視点から「これでいいか?間違っていないか?」と自問自答しながら、慎重に一つずつ確認し、ゆっくりと前に進むようになったといいます。
「品質記録へサインする際にも、自分が納得できるまでサインはしません。サインしなければならない記録の量は膨大ですが、1つ1つじっくりと確認します。サインするときはそれに対して最後まで責任を持ちます。安全に対して、決して妥協はしません」
さらに事故現場に立ち会った人間として、この事故を後輩たちに伝えていく責務があると痛感しています。部下への指導の際には事故についても触れながら、具体例を挙げて細かに説明をしています。
「あのような事故は2度と起こしてはならない。これは常に心に留めて仕事をしています」

分かりきっていることでも問いただし、確認していく。
これが安全文化の基本
阿部は2013年7月に係長着任した際、部下たちに「基本動作を徹底させる」ことを改めて伝えました。基本動作とは、指差呼称といった基本的なルールの遵守のほか、K(危険)Y(予知)T(トレーニング)の実施やTBMの問いかけカード(写真参照)の確認などです。
美浜発電所では独自にこの問いかけカードを作成し、作業員全員が携帯しています。
美浜発電所では独自にこの問いかけカードを作成し、作業員全員が携帯しています。
「基本動作についてはしつこいほど、繰り返し伝え、問いただしています。分かりきっていることでも問いただし、確認していく。これが安全文化の基本ではないかと思います。ヒューマンエラーをゼロにするのは難しいですが、少なくすることは可能です」 阿部のモットーは「One for All 一人はみんなのために」。
1+1が3にも5にもなるような相乗効果を生むチームプレーを目指したいと語ります。
「いくら優れた人間が一人いても、一人で設備全部のメンテナンスができるわけではありません。協力会社さんと一体となり一人ひとりが成長し、One for Allの精神で、仕事も安全についても相乗効果がでるようにしたいと考えています」
「いくら優れた人間が一人いても、一人で設備全部のメンテナンスができるわけではありません。協力会社さんと一体となり一人ひとりが成長し、One for Allの精神で、仕事も安全についても相乗効果がでるようにしたいと考えています」

阿部のコンダクトカード
関西電力全の従業員は常に「コンダクトカード」という安全行動宣言とCSR行動宣言を記したカードを持ち歩いています。これは各個人が年に一度安全に対する目標をたてるもので、阿部は「 STAR(Stop Think Action Restart)」という目標を立てています。※TBM(ツールボックスミーティング)
作業内容や方法、段取り、問題点について、短時間で話し合い指示伝達を行うもの
作業内容や方法、段取り、問題点について、短時間で話し合い指示伝達を行うもの
一意専心 Contents List
関西電力の安全の原点
一人ひとりの「安全への想い」
- この決意を後輩たちに伝えていく責務がある
美浜発電所 阿部 - 自分のできる最善を、鉄の意志でやりぬく
高浜発電所 中島 - 細かな異常に注意を払い、巨大な設備を動かす
大飯発電所 峰 - 徹底した安全確認とチームワークが大切
野江電力所 有田 - 厳しい冬も、猛暑の夏も、気の抜けない毎日
黒部川電力システムセンター 丸山 - この操作が命を救うこともある、そう肝に銘じています
御坊発電所 赤松 - 自ら“マモルンジャー”となって高める、一人ひとりの安全意識
小浜営業所 根木 - 未来を見据え、"道なき道を切り拓く"
加須良川引水設備新設工事所 米井 - 動作一つひとつの意味を理解し、実践する
我孫子電力所 杉浦 - 急いでいるときこそチョット待て! 一度みんな集まって考えようや!
姫路第二発電所 保修課 山根 - 安全を守る。それは現場で働く仲間のため、その家族のため。
土木建築エンジニアリングセンター 永井 - 原子力安全統括という責務を胸に、世界最高水準の安全性確保を目指す
大飯発電所 原子力安全統括 佐藤 - 当たり前を当たり前に支えるために。~無災害への挑戦~
東海電力部 一海 - 廃止措置のパイオニアとして、無事故無災害での完遂を目指す
美浜発電所 機械工事グループ 増井 - 安全が最大の品質、土木建築のプロフェッショナルとして、原子力発電所の安全を支える
高浜発電所 副所長(土木建築) 阿部 - 「運転員が最後の砦」揺るぎない想いで、安全を支える”ひと”を育てる。
原子力研修センター(おおい) シミュレータ講師 市原