エネルギー・環境教育

どうして地球には生命が生まれたの?
環境

どうして地球には生命が生まれたの?

「奇跡(きせき)の星」。
地球はときどき、そんな風に呼ばれることがあります。なぜでしょう?

人間が生まれたから?

緑が豊かだから?

もちろんそれもあてはまるでしょう。

しかし、おおもとをたどれば、地球の奇跡とは、「水が液体で存在できる星であること」にあります。たしかに、水が豊富にあるといわれる惑星(わくせい)は、太陽系にもあります。

たとえば金星。しかし、金星は太陽に近すぎて気温が高く、水は水蒸気になっています。あるいは、天王星や海王星。しかしこちらは、太陽から遠すぎるため、水は常に氷の状態で地表をおおっているだけです。太陽からちょうどよい距離(きょり)にあり、大部分の水が液体で存在できること。これが地球のすごいところなのです。

地球の表面の約71%は海でおおわれています。海には、地球上にある水の約94%がたくわえられています(そのほかは、川の水や地下水、雲、氷河など)。地球の水は、地球が生まれたときに内部から水蒸気が出てきて、それが冷えて雲をつくりました。この雲は、地表が冷えるにつれ、雨となって降り注ぎました。このときの海水は強い酸性(さんせい)でしたが、岩に含まれるカルシウムなどを溶かすことで中和(ちゅうわ)されていきました。このため、海水には、80種類もの元素が溶けています。海中の元素は、次第に結びつき、アミノ酸や糖となり、やがてタンパク質や核酸ができたと考えられています。これが遺伝子の元となり、生命が誕生し、人間にまで進化をとげたのです。だから私たち生命は、すべて「海の子」といっても過言ではありません。

現に、私たちの体は約60%(20歳男性)が水でできています。
人間は、水がなければ生活できません。人間の社会が発展する動機には、「水をいつでも便利に使えるようにしたい」という望みもあるのです。水を知ることは、地球を知ることであり、生命を知ること。そして、社会を知ることです。