エネルギー・環境教育

電流で磁石がつくれるってホント?
電磁石

電流で磁石がつくれるってホント?

磁界は、電流のまわりにもつくることができます。つまり、電流が流れているところには、磁力がはたらいているのです。この磁力は、導線をのばしたままよりも、導線をバネのようにくるくる巻いたコイルの方が強くなります。
ここに電流を流すと、上のような磁界が発生して、コイルは磁石の性質を持つようになるのです。このように電流を流すことで強い磁力を生むものを「電磁石(でんじしゃく)」といいます。

電磁石は永久磁石と異なり、電流の向きによって磁力線の向きが変わります。電流の強さや、コイルを巻く数、導線の太さなどによって磁力は強くなったり、弱くなったりします。コイルの中に鉄の芯(しん)を入れると、その鉄も磁石となって、より強い磁力を出すことができます。

リニアモーターカー

「磁石の力で走る」ってどうやるの?

ここ>で説明した電磁石(でんじしゃく)には、「電流を流すことでN極とS極を自由に入れ替えることができる」、「コイルの作り方によって磁力を強力にできる」といった性質があります。これを利用した乗りものがリニアモーターカーです。リニアモーターカーのしくみは車輪に頼らないため、時速500kmを超える走行スピードを出すことも可能です。
リニアモーターカーでは、車両に電磁石をつけ、走行路にも電磁石をいくつも並べておきます。こうして電磁石に電流を流すと、ちがう極同士で反発する力、同じ極同士で引き合う力が生まれるので、それを利用して車両を浮上させ、前に動かすことができるというわけです。
愛知万博で「リニモ」に乗ったのを覚えている人もいるのではないですか?
リニアモーターカーのしくみは、一部の地下鉄でも利用されています。
地下鉄には、車輪もついていますが、リニアモーターもついています。車輪で車両を支え、リニアモーターで前に進む、というしくみにすることで、急カーブや急な坂を安全に走ることが可能となります。