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特集 プルサーマル

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フランスで製造したMOX燃料は、現在、日本へ海上輸送しています。高浜発電所では、MOX燃料の受け入れに向けて、万全を期した準備を着実に進めています。
MOX燃料とは、原子力発電所で使用した燃料(使用済燃料)を再処理して分離・回収し得られたプルトニウムと、ウランを混合した燃料のこと。このMOX燃料を、現在の原子力発電所(軽水炉)で使用することを「プルサーマル」といいます。
今回は、MOX燃料を使用する発電所の態勢について、関西電力高浜発電所で働く技術系社員に話を聞きました。

地域の皆さまの信頼に応えるために、安全で安心な発電所として万全の態勢を整えています。

MOX燃料は万全の保安体制で受け入れます

まず、高浜発電所でのMOX燃料の受け入れについて、教えてください

関西電力 高浜発電所 運営統括長 下村 幸男さん
関西電力 高浜発電所 運営統括長 下村 幸男
1957年生まれ。78年関西電力入社後、高浜発電所調査係長、技術係長、統括係長、原子力事業本部発電グループマネジャーを経て、2007年高浜発電所運営統括長に就任。

下村:MOX燃料は、国の厳しい安全審査に合格した専用の輸送容器に入れて輸送します。そして発電所に到着後、保管場所である貯蔵プールへと搬入します。MOX燃料は新燃料でもプルトニウムから微量の放射線が出るため、使用済燃料と同じようにしっかり遮へいして輸送を行います。

佐藤:発電所の構内を輸送するときに求められるのが「保安の監督」。これは、構内輸送中のトラブルを防ぐため、燃料の取り扱いを熟知したベテランが同行し、監督することです。
そして、もうひとつ重要なのがセキュリティ対策で、受入作業を万全に行うためにも、発電所を厳重に警備することが必要なのです。

下村:今お話したことは、私たちがこれまで経験してきた使用済燃料の搬出作業と同じ。MOX燃料は受け入れとなるので、工程が逆になるだけです。発電所の作業としては、これまでに培った技術で十分取り扱いができます。

MOX燃料を受け入れるにあたり、設備面や教育面で取り組まれたことはありますか

MOX新燃料取扱装置
MOX新燃料取扱装置

MOX新燃料取扱装置概要図
MOX新燃料取扱装置概要図

下村:設備に関しては、輸送容器からMOX燃料を取り出し、貯蔵プールへ移動させるための、MOX新燃料取扱装置を新設しました。

佐藤:教育に関しては、MOX燃料の運搬に携わる作業員の教育と、MOX燃料を原子炉に装荷し運用、管理する社員への教育があります。これらの教育はすでに終えています。あとは、受け入れを控え、地域の方々の関心も高まっている中、更に気を引き締めて安全最優先で、業務に取り組むよう、社員をはじめ発電所で働く皆さんに伝えています。

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