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越前若狭のふれあい 特別号 プルサーマル特集No.3 2008年11月

特集 プルサーマル

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窓のないコンクリートの建物が
サイクル施設!?

甲子園球場の160倍、740ヘクタールの広さがある『原子燃料サイクル施設』。現在、ウラン濃縮工場、使用済燃料受入れ貯蔵施設、低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの4つの施設が操業中。そして、再処理工場が試験運転中、将来的にはMOX燃料工場も建設予定です。
日本原燃(株)広報部の西澤さんから「低レベル放射性廃棄物をセメントなどで固型化したドラム缶からは、弱い放射線しか出ておらず、ドラム缶をコンクリートで固めてしまえば周辺の環境に影響はありません」「使用済燃料は受入れ、貯蔵、そして再処理のすべての工程を遠隔操作で行います」などの説明を受けたおふたり。「低レベルの放射性廃棄物って思ったほど危険ではないんですね」「でも、使用済燃料って聞くと少し怖いかな」とそれぞれ感想を。また、テロ対策のため、どの施設も窓のないコンクリートの建物になっていること、施設名が書かれていないことなどを聞き「だから、どの建物も同じように見えるんですね!」と小野さん。そして、社員約2400名のうち半数の方が青森県出身で、しかも六ヶ所村出身の方が約200名という説明に「地元企業として根づいているんですね」と感心していました。

低レベル放射性廃棄物を300年も管理! 再処理工場が本格操業しないと、電気がつくれない!
低レベル放射性廃棄物埋設センターを見下ろす高台で「ここでは低レベル放射性廃棄物を封入・固化したドラム缶をコンクリートピットに固め、粘土で覆い土砂をかぶせ、放射線の影響がなくなるまで300年間管理します。30年ほどで放射線量は自然の中に存在するものと区別できないくらいになりますが、より安全にするために300年間管理するんです」と説明を聞いた小野さんと上村さん。「300年間も管理!?」と、放射性廃棄物の厳しい管理に驚いた様子でした。 再処理工場では、全国の原子力発電所の使用済燃料を受入れ、施設内のプールで冷却・貯蔵した後、せん断・溶解、分離などの工程をへて、ウランとプルトニウムを取り出します。「再処理工場で使用済燃料を受け取らないと、使用済燃料の行き場所がなくなり、原子力発電所で電気が作れなくなってしまう」という説明を受け「再処理工場の大切さが、ここで、はじめて実感できました」など、再処理工場の必要性に思いを新たにされたようでした。
低レベル放射性廃棄物を300年も管理!
● 低レベル放射性廃棄物埋設センターを見渡しながら説明をうける様子。
再処理工場が本格操業しないと、電気がつくれない!
●多くのモニターやコンピュータが並ぶ中央制御室を見学。
増築中の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター! 使用済燃料の再処理、再利用で、廃棄物の量も減る!
次に見学したのは、フランスから返還されたガラス固化体1,310本を貯蔵ピットに収納している高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター。ここでは、現状の貯蔵容量が1,440本のため、今後、イギリスから返還される約850本に対応できるように増築している最中。「しかしここは最終処分地ではないので、地層処分する候補地を早期に決める必要があります」という説明を受け「重要なことがまだ決まっていないんですね」と、おふたりとも真剣な表情でうなづかれているのが印象的でした。 使用済燃料を再処理、リサイクルすることは、廃棄物の発生を少なくし、最終処分の施設をコンパクトにすることにもつながります。また、取り出されたウランとプルトニウムは、原子力発電など平和的に利用するということから、おふたりには「原子燃料サイクルは、使用済燃料からウランやプルトニウムを取り出してMOX燃料に加工し、それを原子力発電所で使ってはじめて完成」「現在高浜発電所でプルサーマル計画を進めているのもその一環なんですね」と、各施設の役割を再認識いただきました。
増築中の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター!
●パネルによる説明を熱心にメモしていました。
使用済燃料の再処理、再利用で、廃棄物の量も減る!
●分厚い窓越しに、はじめて見る貯蔵施設。ふたりとも興味津々の様子。

原子燃料サイクルの必要性をたくさんの方に理解してほしい プルサーマル計画に期待しています
小野恵さん
小野恵さん
原子燃料サイクルについては知識として知っていましたが、今回、各施設を自分の眼で見たことで現実味を帯びました。思っていた以上に長期的な視野でしっかり管理されていたし、身分証のチェックや施設名がわからない建物などのテロ対策もはじめて知りました。ひとりでも多くの方が原子燃料サイクルを正しく理解されればいいなと思いました 上村祥代さん
上村祥代さん
私たちが住んでいる福井県では原子力発電所が、青森県では再処理施設が設置されていますが、どちらも地域の皆さんとうまく共生していると思います。現在、高浜発電所では、資源を有効利用するプルサーマル 計画が進められていますが、「越前若狭のふれあい」などを通じて、原子力を考えるきっかけになってほしいと思います。

 

 

 

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