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越前若狭のふれあい 特別号 プルサーマル特集no.10 2010年9月
特集 プルサーマル

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2010年8月12日、国の検査に合格し、プルサーマル実施へ向け着実に前進

輸入燃料体検査に合格したと聞きましたが、どのような検査ですか

関西電力 高浜発電所 保全計画課 課長 佐藤  拓さん
関西電力 高浜発電所 原子燃料課長 井岡 文夫
1966年生まれ。92年関西電力入社後、大飯発電所運転員および放射線管理課、若狭支社コミュニケーショングループ(当時)副長、日本原燃株式会社への出向後、原子力事業本部原燃輸送グループマネジャーを経て、2007年より高浜発電所原子燃料課長。

 輸入燃料体検査とは、原子力発電所で使用する燃料を海外から輸入する場合に、経済産業省(国)により行われる検査のことです。国が、2回の審査とMOX燃料到着後に実施する検査を総合的に判断して、結果を出します。
 まず、海外でMOX燃料を製造し輸入する際、製造を開始する前にMOX燃料の詳細な設計や、品質保証活動の計画などを記載した「輸入燃料体検査申請書」を国に提出し、審査を受けます。その審査後に、MOX燃料の製造は開始され、輸入燃料体検査申請書に記載した計画に従い、品質保証活動や検査を実施します。次に、MOX燃料を日本へ輸送する前に、MOX燃料工場での品質保証活動と検査結果を取りまとめて、「輸入燃料体検査補正申請書」を国に提出し、国はこれを審査します。そして、MOX燃料が発電所に到着した後には、国は水中カメラによる外観確認検査を実施し、MOX燃料の健全性を確認します。これら一連の審査と発電所での外観確認検査に問題がなければ、輸入燃料体検査に合格することができます。
 高浜発電所に到着したMOX燃料のうち3号機用8体については、2010年7月26日、27日に国による外観確認検査が行われ、これまでの審査結果を含め、法令に定める基準を満足するとして、2010年8月12日、国から合格証が交付されました。また、4号機用のMOX燃料4体については、今後、発電所で国の外観確認検査などを受ける予定です。


輸入燃料体検査(外観確認検査)の様子
輸入燃料体検査(外観確認検査)の様子

国から合格証の交付を受ける当社の後藤原子燃料部長(左)
国から合格証の交付を受ける当社の後藤原子燃料部長(左)

輸入燃料体検査合格に向けて、今回、特に気をつけられたことはありますか

 当社は、高い品質のMOX燃料を製造するために品質保証活動を徹底してきました。特に製造期間中、フランスのメロックス工場に社員を数名ずつ常駐させ、検査や巡視などを通じてMOX燃料の品質が適正であることを確認しました。
 また、MOX燃料受入作業や輸入燃料体検査を受けるための作業については、事前に1カ月近く訓練を行い、詳細な手順書を作成して、当日に備えました。
 そういった積み重ねが、「輸入燃料体検査」の合格へとつながったのです。

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