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若狭トピックス
関西電力 高浜発電所では、2010年6月30日、フランスで製造した3、4号機用のMOX燃料集合体12体を受け入れました。
MOX燃料とは、原子力発電所で使用した燃料(使用済燃料)を再処理し、分離・回収することで得られたプルトニウムをウランと混合した燃料のこと。このMOX燃料を、現在の原子力発電所(軽水炉)で使用することを「プルサーマル」といいます。
今回は、MOX燃料の受け入れと輸入燃料体検査に合格したことについて、高浜発電所で燃料を担当する社員に話を聞きました。

高浜発電所の岸壁で、トレーラーに載せたMOX燃料輸送容器を検査する様子
午前8時過ぎ、MOX燃料輸送船が高浜発電所の岸壁に着いたのを機に作業がスタートしました。船からMOX燃料が入った輸送容器を吊り上げ、トレーラーへ移し、構内輸送を経て建屋に納められたのが午後5時頃。船中やトレーラー上での輸送容器の外観や放射線の確認を含め、約9時間にも及ぶ受け入れでした。
輸送容器や燃料の取り扱いを熟知したベテラン作業員を多数配置するなど万全の態勢を整え、安全を最優先にしながら全工程を進めることができました。私は、全体の工程を監視する輸送本部にいたのですが、最後の輸送容器を建屋に納めたと報告を受けたときは、安堵するとともに、「いよいよ、MOX燃料を使うんだ」と、新たな緊張感が高まってきました。

使用済燃料ピット
今回、3号機用8体、4号機用4体のMOX燃料を受け入れました。
新燃料保管庫に保管するウラン新燃料とは異なり、MOX燃料は、新燃料でもプルトニウムから微量の放射線が出るため、放射線を遮へいする専用の取扱装置を使って取り出し、使用済燃料ピットで保管することになります。
具体的には、建屋に搬入した輸送容器の蓋を開け、MOX新燃料取扱装置内部にホルダー(※1)付きのMOX燃料を1体ずつ取り込み、専用の台に移動させホルダーを外します。そして、カメラでMOX燃料の表面に傷がないかどうかなどの確認を行った後、使用済燃料ピット内の燃料ラックに保管します。
(※1)ホルダー:燃料を保護するためのカバー。
MOX燃料保管までの工程図