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若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.20 2013年1月25日現在

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炉心が損傷を受けるような過酷事故時の水素爆発防止対策として、原子炉格納容器内に発生する水素を低減するための装置を設置しました 高浜発電所3、4号機に国内初の設置

 当社は、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、当社原子力発電所における更なる安全性・信頼性向上のためのさまざまな対策を実施しており、平成24年12月12日に高浜発電所3号機で、12月18日には同4号機で、静的触媒式水素再結合装置を各5台設置しました。
 なお、この水素再結合装置の設置は、その他のプラント※1にも展開する予定であり、大飯発電所3、4号機は次回定期検査時に、その他のプラントは平成25年度中に設置する予定です。
 当社は、今後も引き続き、原子力発電所の更なる安全性・信頼性の向上に取り組むとともに、世界最高水準の安全性を達成すべく、最大限の努力をしてまいります。

  • ※1 大飯発電所1、2号機においては、既に過酷事故(シビアアクシデント)時の対策設備として水素燃焼装置(イグナイタ)を設置しているため、現時点では計画しておりませんが、更なる安全性・信頼性向上の観点から、引き続き、水素爆発防止対策について検討してまいります。
    シビアアクシデントとは、原子力発電所の安全設計において想定している事象を大幅に超え、原子炉の燃料が重大な損傷を受けるような過酷事故のことをいいます。
水素再結合装置の概要
【設置目的】過酷事故(シビアアクシデント)時の水素爆発防止対策として、水素濃度を低減するために設置
当社原子力発電所(PWR※2プラント)は、大型の格納容器を備えており、シビアアクシデント時でも原子炉格納容器の健全性に影響を及ぼすような水素爆発の可能性は極めて低いと考えています。しかし、東京電力福島第一原子力発電所事故では、格納容器から漏洩した水素が原因と考えられる水素爆発が発生したことを踏まえ、更なる安全性・信頼性向上の観点から、シビアアクシデント時に原子炉格納容器内に発生する水素を低減するための静的触媒式水素再結合装置を設置しました。
【特徴・仕様】電源を必要とせずに水素を低減
  • ○静的触媒式水素再結合装置は、電源を必要とせず、触媒※3の働きにより水素を低減できる装置です。
  • ○装置内に流入した水素分子と酸素分子が触媒プレートに吸着され、水分子に再結合することにより水素濃度を低減するこ とができます。(水素濃度2%程度以上になると自動的に反応が始まり水素を除去)
  • ○水素処理能力:約13m3/h(1. 2kg/h)の水素を除去することができます。〔格納容器内の水素濃度が4%の場合〕
【設置台数】
高浜発電所3、4号機に各5台
  • ※2 PWR(加圧水型軽水炉)…原子炉で発生した熱を取り出す1次系冷却水に高い圧力をかけ、沸騰を抑える 形式の原子炉。当社の11基の原子力発電所はすべてPWR
  • ※3 触媒…その物自身は変化しないまま、接触する周りの物質の化学反応を促進あるいは抑制する物質

水素再結合装置の概要 図

2ページでは、その他の更なる安全性・信頼性の向上に向けた中長期対策の進捗状況を説明します。

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