事業所・関連施設
原子力事業本部
若狭トピックス

5.ストレステスト一次評価の項目
- □地震:想定を超える地震に、どの程度の地震レベルまで燃料損傷せずに耐えられるか評価
- □津波:想定を超える津波に、どの程度の高さまで燃料損傷せずに耐えられるか評価
- □地震と津波の重畳:想定を超える地震と津波の同時発生に、どの程度まで燃料損傷せずに耐えられるか評価
- □全交流電源喪失:発電所が完全に停電(全交流電源喪失)した場合に、外部からの支援なしでどの程度の時間まで燃料損傷せずに耐えられるか評価
- □最終ヒートシンク喪失:燃料から除熱するための海水を取水できない場合(最終ヒートシンク喪失)に、外部からの支援なしでどの程度の時間まで燃料損傷せずに耐えられるか評価
- □シビアアクシデントマネジメント:これまでに事業者が整備してきたシビアアクシデントマネジメント策について、多重防護の観点からその効果を明示
6.一次評価結果概要
※1「基準地震動」とは……原子力発電所の周辺で起きると想定される最も大きな地震による揺れの大きさ。「原子力発電所の耐震安全性に関する中間報告(追補版:平成21年3月)」では、各発電所の基準地震動を、美浜発電所が750ガル、高浜発電所が550ガル、大飯発電所が700ガルとして評価した結果、安全上重要な施設が安全に機能することを確認済み。なお、ガル(gal)とは、地震による地盤や建物等の揺れの強さを表す加速度の単位。
※2:手順が整備されていない対策などについては、実行できる可能性があるものでも期待しないこととし、極めて保守的な条件で評価した。
※3:外部からの支援なしとした評価結果。外部からの支援を期待するに十分な時間余裕であり、クリフエッジは回避できる。
安全性向上対策により、炉心の冷却手段が多重化され、プラントの安全性が向上したことが確認できた
なぜ、大飯発電所3号機の報告書から提出したの?
現在定期検査中のプラントが再稼働できず、さらに現在運転中のプラントが、今後定期検査に入っていくと、今冬の需給状況は、今夏以上に厳しくなるものと考えています。
したがって、再稼働の条件の一つであるストレステストについては、供給力を少しでも確保できるよう、出力の大きさや評価作業の進捗状況などを考慮して、大飯発電所3号機を先行させることとしました。
ストレステストの一次評価、二次評価の現在の状況は?
一次評価については、全プラントで評価作業に入っています。
また、二次評価については、全プラントともに、評価着手に向けて準備を進めているところであり、原子力安全・保安院からの指示文書に従い、評価作業を進めていく予定です。
今回の一次評価で判明した結果を踏まえて、さらにどのような安全性向上対策を講じるの?
今回の一次評価で明らかになった評価結果を踏まえ、改善を継続的に実施していく必要があると考えています。
具体的には、「津波の衝撃力緩和のための防波堤のかさ上げ」や「恒設非常用発電機の設置によるバックアップ電源の多様化」、「ディーゼル駆動の大容量ポンプの配置による最終ヒートシンクの多様化」、「水密扉の設置」などの対策を推進していきます。
プラントの再稼働についてはどのように考えているの?
プラントの再稼働については、緊急安全対策、応急対策を踏まえた原子力発電所の安全確保に万全を期すとともに、今回提出したストレステストについて、国から評価をいただいた後に、地元のご理解を得ながら計画していきたいと考えています。
具体的なスケジュールについては言及できる立場ではありませんが、できるだけ早い再稼働に向けて、原子力安全・保安院等によるストレステスト結果等の審査を受けていくとともに、福井県、立地町をはじめ、関係各所にご理解を賜りながら対応していきたいと考えています。