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若狭トピックス

越前若狭のふれあい 特別号 NO.9 2011年11月4日現在


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福島第一原子力発電所事故を踏まえた過酷事故(シビアアクシデント)への対応について
中央制御室の作業環境の確保
全電源が喪失した場合においても、中央制御室での作業に支障がないよう、中央制御室内を循環し、フィルターにより放射性物質を除去する空調装置に対して、既に配備している電源車から給電し運転できるよう手順書を整備
(6月10日整備済み)
高線量対応防護服等の資機材の確保
および放射線管理のための体制の整備
事故時における高線量区域での作業のため、高線量対応防護服を各発電所に配備(6月9日配備済み)
  高線量対応防護服
高線量対応防護服
個人線量計等の資機材について、必要に応じ原子力事業者間で相互に融通しあうことを確認(6月9日確認済み)
  個人線量計
個人線量計
緊急時においては、放射線管理要員以外の要員が、放射線管理要員を助勢するしくみを整備
(6月10日整備済み)
緊急時における発電所構内通信手段の確保
地震・津波による長時間の全電源喪失や浸水が発生した場合でも、現場と中央制御室間の情報連絡手段を確保するため、乾電池式の携 行型通話装置等を配備
(6月13日配備済み)
乾電池式の携行型通話装置
乾電池式の携行型通話装置
全電源喪失時においても作業が可能となるよう、ハンドライトおよびヘッドライトを配備(4月12日配備済み)
高台に設置を検討している緊急時の対策所となる免震事務棟に、機能を充実した構内内線電話交換機、衛星通信設備他を確保
(平成29年度頃完了予定)
水素爆発防止対策
水素爆発による施設の破壊を防止するため、以下の対策を実施
大飯1,2号機(アイスコンデンサ型格納容器)については、水素対策として設置済みの水素燃焼装置に電源車から給電し運転できるよう手順書を整備
(6月10日整備済み)
その他のプラントについては、格納容器の容積が大きいため水素爆発による格納容器破損の可能性は低いと評価されますが、格納容器から隣接部へ漏えいした水素の滞留を防止するため、外部へ放出する排気ファンに給電し運転できるよう手順書を整備
(6月10日整備済み)
さらに、電源を必要としない水素濃度低減の装置(静的触媒式水素再結合装置)を設置
(平成24〜25年度設置予定)
がれき撤去用の重機の配備
津波発生後、発電所構内に散乱するがれき類を除去するため、各発電所に1台トラクターショベルを配備
(4月11日に配備済み、6月1日に大型に変更済み)
  【美浜発電所の例】
【美浜発電所の例】





大飯発電所3号機の安全性に関する総合評価にかかる報告書の提出について
1.はじめに(ストレステスト導入の経緯)

 政府は、平成23年7月11日に、「我が国原子力発電所の安全性の確認について(ストレステストを参考にした安全評価の導入等)」を公表し、その中で、原子力発電所は現行法令下で適法に運転が行われていること、また、福島の事故を受けて実施した緊急安全対策についても原子力安全・保安院による確認がなされており、従来以上に慎重に安全性の確認が行われているものの、定期検査後の原子力発電所の再起動に関しては、国民・住民の方々に十分な理解が得られているとは言い難い状況にあることから、新たな手続き、ルールに基づく安全評価を実施するとしました。

 それを受け、原子力安全・保安院は、平成23年7月22日に電力事業者に対し、福島第一原子力発電所事故を踏まえた、安全性に関する総合評価(ストレステスト)の指示を出しました。

2.ストレステストとは

 ストレステストとは、原子力発電所が想定を超える地震や津波等(=発電所にとってのストレス)に襲われた場合を想定し、その大きさを徐々に大きくしていった時に、安全上重要な施設や機器等が、どの程度まで耐えられるのかを調べた上で発電所として総合的に安全裕度を評価するものです。

 評価には一次評価と二次評価があり、一次評価は、定期検査で止まっている発電所の運転再開の可否を、二次評価は、運転中の発電所も含め全ての発電所の運転継続の判断のために実施するものです。

3.評価手順の概要(地震の評価の場合)

評価手順の概要
「クリフエッジ」とは……プラントに影響を与える事象の厳しさが、あるレベルを超えた途端に事象進展の状況が急変すること

4.大飯発電所3号機の一次評価結果の概要
  • ○評価の結果、安全上重要な施設・機器等は、設計上の想定を超える事象(地震・津波等)に対する安全裕度を十分に有していることが分かりました。
  • ○また東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、これまでに実施した緊急安全対策等によって、安全を確保するための方策が多段に講じられており、さらに安全裕度が向上していることを確認しました。
  • ○今回の評価に用いた評価条件や許容値は保守的なものとなっており、今回評価した安全裕度を超えた場合でも、直ちに燃料の健全性が損なわれるものではないと考えています。
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