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若狭トピックス

関西電力からのお知らせ 2021年2月28日

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60年間運転した時点での原子炉容器の安全性について

 金属は中性子線(核分裂で発生する放射線の一種)を浴び続けると、その材料が元々持っているねばり強さ(外から加わる力に対して抵抗する力)が徐々に低下します。原子炉容器は、核燃料を収納している金属製の容器で、燃料から放出される中性子線によって、原子炉容器の金属(燃料に近い部分)もねばり強さが、運転とともに徐々に低下しますが、60年運転した場合でも原子炉容器の安全性に問題がないことを確認しています。

測定方法

原子炉容器のねばり強さがどれだけ低下しているのかを測定するために、建設時に、原子炉容器と同じ材料の金属をカプセル(8体)に入れ、原子炉容器より燃料に近く、多くの中性子線を受ける位置に設置しています。そのカプセルを調べることで、原子炉容器の将来の状態を確認することができます。
→既に4体のカプセルを計画的に取り出しており、約50年運転した時点での原子炉容器のねばり強さがどれだけ低下しているかを事前に確認できています。今後も計画的にカプセルを取り出し、最終的には60年間運転した時点でのねばり強さを測定していきます。

確認結果

  • ○特別点検により、原子炉容器に傷がないことを確認しました。
  • ○実験(監視試験)により、ねばり強さがどれだけ低下しているかを測定した結果、ルールで定められた傾向と同様であり、ねばり強さの低下が予想の範囲内であることを確認しました。
  • ○60年間運転した時点での原子炉容器のねばり強さと、その際に事故が発生した場合に生じる力(破壊力)を比較した結果、ねばり強さが十分にあり、原子炉容器が壊れないことを確認しました。
  • ※より厳しく評価するため、破壊力はあえて大きな力を想定し、比較しています。
Q.原子炉容器は中性子線を浴びるとねばり強さが低下するとのことだが、想定している値よりも、急激に低下することはないのか。A.一般的には、材料の劣化の度合いは、時間がたつほど緩やかになっていくと
考えられています。

原子力発電の必要性について

 各発電方法には、安定供給・経済効率・環境適合といったそれぞれの側面で、さまざまな長所や短所があり、エネルギー資源に乏しい日本では、さまざまな発電方法をバランスよく組み合わせることが重要です。
 政府は、2030年度時点のあるべき発電方法の組み合わせとして、原子力発電の比率を20~22%としていますが、もし原子力発電所が40年を超えて運転せず、今後、国内の原子力発電所の新増設がない場合、2030年度での比率は20~22%に届きません。これにより、不足した電力を火力発電等で補うことになれば、CO排出量の増加等を招く可能性があります。安全確保を大前提に、国内の原子力発電所を最大限活用することとしています。
日本の電源構成(発電のためのエネルギー源)の推移

当社は引き続き、原子力発電の安全性をたゆまず向上させていくとの
強い意志と覚悟を持って原子力発電の運営を行ってまいります。

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