ガバナンス
- コンプライアンス
- コンプライアンスポリシー
- 関西電力グループ税務方針
コンプライアンス
コンプライアンス推進体制
当社グループでは、グループ全体のコンプライアンス推進、内部統制強化を図るため、執行側に「コンプライアンス推進本部」、監督側に取締役会直下の任意委員会として「コンプライアンス委員会」を設置しています。
コンプライアンス委員会は、社長等執行から独立しており、委員長を含め過半数が社外委員で構成されています。コンプライアンス委員会参照
また、コンプライアンス推進の最高責任者としてCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を設置し、併せて、グループ全体のリスク管理をはじめとした内部統制について審議を行うために内部統制部会を新設しています。加えて、第一線職場を含めた事業部門における内部統制の実効性を高めるべく、各事業部門に内部統制・コンプライアンス担当を新設し、コーポレート部門との連携強化に向けた体制整備を図っています。
コンプライアンス推進本部は、法的知見を有するスタッフのほか、多様な職歴を有するスタッフで構成されています。グループ全体のコンプライアンス推進活動の統括、支援および問題事象への対応を担うとともに、各種コンプライアンス研修や、法令等遵守のためのコーポレート部門と連携した働きかけ、各業務部門等に対する取組み状況のヒアリング・指導を行います。
また、コンプライアンスに係る諸事象について、コンプライアンス委員会に報告、付議しています。そして、コンプライアンス委員会の指導、助言、監督のもと、社長等執行が具体的な取組みを行っています。
※リスクマネジメントの詳細について
〈参考〉コンプライアンス委員会の開催状況(2024年度)
コンプライアンス委員会は、四半期ごとの定期開催に加え、特に重大な問題事象発生時には、機動的に開催することとしています。
2024年度は、コンプライアンス上の問題事象に関する報告や内部統制・コンプライアンス推進計画、コンプライアンスに係る研修等についての審議を中心に、計7回開催しました。またコンプライアンス委員会の職務執行については開催の都度、取締役会に報告しています。
コンプライアンス推進の取組み
当社グループでは、コンプライアンス上のリスクを毎年評価し、対応すべきコンプライアンスリスク項目を選定しています。
2025年度は、「安心して仕事ができる環境づくり」を推進すべく、「多面的なコミュニケーションの充実」「 コンプライアンス遵守等に向けた研修、啓発活動の推進」「生成AI等も活用した効率的な業務運営サポート」に重点的に取組みます。
コンプライアンス推進の具体的な取組み
1.多面的なコミュニケーションの充実
◆第一線職場への組織風土改革と内部統制の理解浸透活動
第一線職場の従業員とのコミュニケーションにより、組織風土改革と内部統制(コンプライアンス含む)の理解を深めるとともに、ルールや手順の見直しなどを含めた業務改善のためのサポートを行います。
◆コンプライアンス委員会社外委員と従業員の対話活動の実施
コンプライアンス意識の向上につなげるべく、コンプライアンス委員会社外委員と従業員とのコミュニケーションを行います。
2.コンプライアンス遵守等に向けた研修、啓発活動の推進
◆コンプライアンス研修の実施
知識の習得にとどまらず、日々の業務において真にコンプライアンスを徹底・実践するための実効的なコンプライアンス研修を、グループ各社役員・従業員を含む、グループ全体に対して実施します。その他各法令遵守に関連する研修も実施します。
(2024年度実績)
スワイプしてご覧ください。
研修名 | 対象 | 実施期間 |
---|---|---|
コンプライアンス研修 |
役員・全従業員・グループ各社 | 2024年度下期 |
リスク管理研修 |
リスク管理担当者(各部門・グループ各社[一部]) 96人 | 2024年11〜12月 |
グループ会社役員研修 |
グループ各社社長および役員 247人 | 2024年8、9月 2025年1、3月 |
行為規制研修 |
役員・全従業員・行為規制担当役職者 | 2024年8、10月 |
独占禁止法研修 |
役員・全従業員・指定部門 100人 | 2024年10〜11月 |
外国公務員等贈賄防止研修 |
海外業務従事者 826人 | 2025年3月 |
◆トップメッセージの継続的な発信
コンプライアンスが徹底された風通しの良い自由闊達な組織風土醸成についての経営トップによるメッセージを継続的に発信します。
◆内部通報の活用・促進に向けた取組み
社内リニエンシー制度活用慫慂、内部通報の心理的ハードルを下げるための情報発信等、内部通報制度の一層の理解・浸透に向けた啓発活動をグループ全体に行います。
◆メールマガジンの配信
全従業員およびグループ会社に対して、毎月1回、内部統制の強化・コンプライアンス意識の向上(各部門の内部統制改善事例、グループ内や他社において発生した不適切事案の紹介等)に資する情報を発信。
◆全従業員参加型企画の実施
全従業員の「気づく、言える、行動する」の意識を喚起し、能動的で気軽に参加できる企画を展開。(2022年度クイズラリー、2023年度標語募集、2024年度まちがい探し)引き続き能動的にコンプライアンスについて考えることができるツールの展開や、参加型のイベントを実施します。
3.生成AI等も活用した効率的な業務運営サポート
ITシステムを活用した、社内標準等への法改正反映におけるの業務効率化の仕組み導入とグループ会社への展開。
コンプライアンス相談窓口
当社グループでは、関西電力グループ行動憲章において、コンプライアンス上の疑問や違和感を覚えた際の、窓口への報告・相談について定めています。
当社が開設している「コンプライアンス相談窓口」は、公益通報をはじめとした各種法令違反、不適切な業務運営といった、職場においてコンプライアンス上疑問を感じることについて相談を受け付けています。当社グループ各社とその取引先の役員、従業員に加えて、それらを退任・退職した者の利用も可能で、コンプライアンス上問題となる行為の未然防止、早期発見および是正を図ることを目的としています。更に、必要に応じ、事象に即した分野の専門弁護士が対応することとし、自らの判断でコンプライアンス委員会あるいは監査委員会に対処を求め、実効的措置を講じることができる仕組みとなっています。
窓口は匿名での相談を可能としたり、女性相談員を配置するなど、相談しやすい環境整備に努めており、相談したことによる相談者への不利益取扱いの禁止を徹底しています。相談者の秘密保護に細心の注意を払っており、相談者の氏名は、事実調査・対応に最低限必要な関係者にしか開示せず、当該関係者には守秘義務を課しています。また、事実調査を行うにあたっては、相談者の意向を確認しながら進めています。
窓口利用の重要性に鑑み、当社各部門、グループ各社に対し、イントラネットやポスター、リーフレット等各種ツールにより、窓口の周知や活用の慫慂を継続的に行っています。
社内リニエンシー制度の導入をはじめとする相談窓口制度の充実・強化
2023年5月に定めた業務改善計画を踏まえて、相談窓口制度の利用に対する抵抗感を払拭するため、相談窓口の活用事例やよくある質問について漫画を用いて周知するなど、更なる活用促進に取組むとともに、2023年11月に社内リニエンシー制度を導入しました。社内リニエンシー制度とは、従業員が会社に対し、自主的にコンプライアンス違反事象について報告等を行った場合、最終的な懲戒内容の軽減について考慮する取扱いです。今後も、法令違反や不適切な業務運営を早期に発見し、組織として対応するべく、相談窓口制度を充実、強化します。
コンプライアンス違反への対応
当社および関西電力送配電(株)では、2019年度に定めた業務改善計画を踏まえ、問題事象発生時の報告体制について整備し、役員、従業員の報告ルールについて社内規程に明記しました。
各部門の長は、その所管する部門等において、当社および関西電力送配電(株)の対外的信頼等に影響する、重大な法令違反(法令等により定められた手続きの遺漏含む。)や不正等のコンプライアンス上問題となる事象に関する情報を察知した際は、ただちにCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)に報告し、CCOは、当該事象に適切に対処するとともに、コンプライアンス委員会に報告し、指導、助言および監督を受けます。
また、役員は、コンプライアンス上問題となる事象、またはその発生のおそれを認識した場合、コンプライアンス委員会の社外委員および取締役会議長に報告することとしています。従業員については、同様の場合において、上司へ報告することとしており、また報告内容にかんがみ、社内外に設置するコンプライアンス相談窓口への報告が適切であると判断した際は、上位職位へ報告する代わりに当該窓口へ報告することも可能であり、当該窓口は、報告を受けた場合、必要に応じて関係部門または関係者と協力して調査、対応を行います。調査の結果、法令違反等が明らかになった場合は、関係各部門または関係者がすみやかに是正措置および再発防止策を講じることとしており、必要に応じて、関係行政機関への報告や、報道機関への公表等を実施します。CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)は、関係部門または関係者に対して、必要に応じてフォローアップを実施することとしており、是正措置や再発防止策が十分に機能しているか、コンプライアンス上問題となる行為が再発していないかなどを確認し、コンプライアンス上の問題行為が再発している場合は、当該部門やその他関係する部門などと、必要な対応について協議することとしています。
過去の違反事象への措置の一例
◆当社グループ子会社における不適切事案等
関西電力送配電(株)において、過去に柱上変圧器において不適切な取扱い※があったことが判明しました。その後、関西電力コンプライアンス委員会における客観的な調査を実施し、その調査結果および調査報告書における提言を踏まえた再発防止策を2025年2月3日に公表しました。
また、(株)KANSOテクノスにおいて、環境省から受託していた「令和5年度海洋環境保全上適正な海底下CCS実施確保のための総合検討事業委託業務」の精算報告において、事実とは異なる費用の付け替えや、受託費用の過大請求といった不適切な処理があったことが判明しました。その後、社外弁護士による調査を実施し、2025年5月2日に調査結果および再発防止策を公表しました。
- ※PCBを含有する柱上変圧器を修理した際、一部の変圧器に国が定める低濃度PCB基準値を超過するものがあることを把握しながら、調査等の適切な対応を取らなかった。また、基準値を超過するものがあることを過去から把握していたにもかかわらず、特定の配電部門長の指示により、2018年に初めて発覚したとの説明を国や大阪府等へ行っていた
税務コンプライアンスの推進
税務の透明性確保に向けて、「関西電力グループ税務方針」を制定し、グループ全体の税務コンプライアンス意識の浸透およびガバナンスの一層の向上に取り組んでいます。
◆関西電力グループ税務方針
1.税務コンプライアンス
関西電力グループは、「関西電力グループ経営理念 Purpose&Values」「関西電力グループ行動憲章」「コンプライアンスポリシー」に基づき、事業活動を行う全ての国および地域において適用される税務関連法令を遵守し、適切な申告および納税を行います。
2.税務ガバナンス
関西電力グループは、税務コンプライアンス意識向上を図るため、経理を所管する役員の指揮のもと、適切な経理処理や税務申告に関する教育・啓発活動に努めます。また、重要な税務上の課題が生じた場合は、経理を所管する役員へ適時に報告し対処します。
3.税務リスク管理
関西電力グループは、税務関連法令の解釈に不確実性を認識した場合は、外部専門家や税務当局への相談を行い、税務リスクの低減に努めます。
4.税務プランニング
関西電力グループは、事業活動を行う国および地域において適用される税務関連法令を遵守したうえで、優遇税制の活用や二重課税の排除を通じ、適切な税負担となるよう努めます。
5.税務当局との関係
関西電力グループは、適切な申告・納税を行うとともに、税務当局との良好な関係維持に努めます。税務当局からの要請に誠実に対応し、意見の相違が生じた場合には、その解消に向け対話に努めます。
各部門・グループ各社の特性に応じたコンプライアンスの推進
当社各部門・グループ各社のコンプライアンス推進
各部門・グループ各社が能動的にPDCA サイクルを機能させ、コンプライアンスを推進することで、「コンプライアンスが経営の基盤である」という考え方のグループ全体の浸透・定着を図っています。
具体的には、各部門では、基本方針や重点テーマ、各部門の事業・業務特性、経営環境の変化に伴い今後生じうるコンプライアンスリスク、社内外で過去に発生した不祥事などを踏まえ、各部門において自律的にコンプライアンス推進の実践、評価および改善を図っています。
また、グループ各社では、基本方針、重点取組みを踏まえ、それぞれの事業特性、経営規模などの実態に即してコンプライアンスを推進しています。
各部門・グループ各社の活動に対する支援
コンプライアンス推進本部は、グループ全体のコンプライアンス推進を牽引するとともに、各部門、グループ各社の取組みをサポートしています。グループで発生した不祥事事例も共有し、不祥事の未然防止を図っています。
海外贈賄防止に係る取組み
当社グループは、アジア・北米・欧州のほか、さまざまな地域でグローバルな事業展開を進めており、現地の法令やルールを遵守することがグローバル事業展開の大前提であると考えています。
特に、贈賄規制の強化が世界的な潮流であることから、外国公務員等に対する贈賄防止に関する社内規程を制定し、不正な意図を持った贈答接待などの禁止事項や遵守すべき事項を明確化するとともにグローバルEX事業本部を含む国際取引に携わる部門に対し、研修等を通じて、継続的に周知しています。引き続き、これらの取組みにより、不適切な贈賄防止に努めます。
コンプライアンス意識等に関する全従業員アンケート結果
当社および関西電力送配電(株)は「サステナビリティアンケート(2006年度より毎年実施)」を行っており、そのなかでコンプライアンス意識等に関する調査を実施しています。総じて数値が改善されており、各種取組みに効果が見られます。引き続き、コンプライアンスを重視する健全な組織風土の醸成に取り組んでいきます。
実施期間 : 2024年11月5日(火)~ 11月22日(金)
【図表の見方】経年変化のグラフは、回答実績のうち「かなり当てはまる」「わりと当てはまる」の割合を合計した値の推移。
回答対象者 : 関西電力株式会社および関西電力送配電株式会社 全従業員
回答者数 : 15,807名【回答率 93.0%】