原子力発電について
公開情報
原子力情報センター(KNIC)
Q2.SCCの発生と進展の予測方法は?
A2. |
(発生)
インコネル600合金の材料を、1次冷却水と同様の環境の中で一定の力(応力)で引張り続けると、SCCが再現できます。
SCCの発生時間と作用応力には下図の関係が求められています。なお、この実験はインコネル600合金でも蒸気発生器伝熱管を用いたものであるため、上蓋管台材料を用いた試験でデータを拡充していく予定です。 |
 また、同じ応力でも温度が高いほどSCCの発生が早くなります。実験は、SCC発生を加速するため、実機よりも高い360℃で行っており、管台部の応力に対するSCCの発生時間を読みとり、実機でのSCC発生時間を、一般に用いられるアレニウスの式から温度で換算します。 |
アレニウスの式
温度T1(K)からT2(K)にしたときの加速倍率を求める式
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(進展)
運転時間が長くなってSCCが発生すると、これが進展して貫通に至ります。
SCCの進展速度は温度に依存し、一般的にはウェスティングハウス社が改良した修正Scottの式を用いて計算します。 |
修正Scottの式
き裂の進展速度を、き裂先端の応力拡大係数と温度で求める式 |
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