原子力発電について
公開情報
原子力情報センター(KNIC)
(2)上蓋頂部温度低減対策プラント
a.上蓋頂部温度低減の理由 |
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温度を下げるほどSCCが発生しにくくなること、及び早く実施するほど防止効果が大きいことから、上蓋の管台がインコネル600合金製で、簡単な改造工事で頂部温度を下げることが可能な高浜3,4号機、大飯3,4号機については、温度を下げる対策をとりました。また対策実施までの間、高浜3,4号機ではECTを実施しておりますが、下表の通り損傷は認められていません。大飯3,4号機では運転時間が短かったことからECTは実施していません。
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b.検査実績とSCC発生予測
プラント
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運開 |
検査年月 |
検査数(※1)/設備本数 |
損傷本数 |
検査時の運転時間(千時間)(※2) |
上蓋頂部温度低減年月
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SCC発生予測時間(千時間)(※2)[ ]内は上蓋頂部温度 |
運転時間(千時間)(※2,3) |
対策前 |
対策後 |
高浜3号機 |
1985.1 |
1993.11 |
56/66 |
0 |
70 |
1997.11 |
270
[307℃] |
390[294℃] |
137 |
高浜4号機 |
1985.6 |
1994.1 |
56/66 |
0 |
68 |
1996.12 |
270
[307℃] |
390[294℃] |
134 |
大飯3号機 |
1991.12 |
- |
- |
- |
- |
1997.3 |
220
[310℃] |
530[289℃] |
89 |
大飯4号機 |
1993.2 |
- |
- |
- |
- |
1997.4 |
220
[310℃] |
600[289℃] |
78 |
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(※1): |
予備管台以外を実施。 |
(※2): |
運転時間、予測時間は、試運転期間を含め運開から原子炉が臨界に達している時間を表す。 |
(※3): |
平成14年10月末現在。 |
c.今後の方針 |
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高浜3/4号機、大飯3/4号機については、SCCは、今後20万時間以上の運転後に発生する可能性があると予測していますが、最近の米国での議論も踏まえ、平成15年度以降、計画的に検査を行っていく予定です。 |
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