原子力発電について
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Q2.関連温度と上部棚吸収エネルギーとは

A2.
 種々の温度に対して実施したシャルピー衝撃試験により得られる吸収エネルギーを試験温度で整理すると下図に示すようになります。
 低温側から高温側の間で吸収エネルギーが変化する領域の代表点を関連温度(または,脆性遷移温度)と呼びます。また,高温側での吸収エネルギーを上部棚吸収エネルギーと呼びます。(定義については電気技術規程「原子力発電所用機器に対する破壊靭性の確認試験方法」(JEAC4206)に規定されています。)
 関連温度が上昇するということは,低温側の破壊に対する抵抗力(破壊靭性値)が低い領域が拡大することを意味しています。また,上部棚吸収エネルギーが低下するということは,高温側の破壊に対する抵抗力(破壊靭性値)が低下することを意味します。これらのパラメータを監視することにより原子炉容器の中性子照射脆化の程度を把握することができます。

図 関連温度と上部棚吸収エネルギー(模式図)

図 関連温度と上部棚吸収エネルギー(模式図)


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