原子力発電について
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原子炉容器の健全性評価

 将来にわたって原子炉容器の健全性を維持できることを確認するため,試験結果に基づき以下のような評価を行っています。(評価方法については電気技術規程「原子力発電所用機器に対する破壊靭性の確認試験方法」(JEAC4206)に規定されています。)

(1)関連温度上昇に対する評価
 事故などにより加圧された原子炉容器が急激に冷却され,原子炉容器内外間の温度差により高い引張応力が容器内面に発生する事象をPTS(Pressurized Thermal Shock:加圧熱衝撃)事象と言います。中性子照射を受け関連温度が上昇(低温度側での破壊靭性値が低下)した原子炉容器においてこのPTS事象が発生し,かつ,き裂のような欠陥が予め原子炉容器に存在していた場合には,き裂が進展して原子炉容器が損傷するおそれがあるとされています。
 このようなPTS事象に対し,関連温度上昇の予測に基づいた破壊力学評価を行い,将来にわたって原子炉容器の健全性を維持できることを確認しています。

 

図4 関連温度上昇に対する評価の概要

 

(2)上部棚吸収エネルギー低下に対する評価
 上部棚吸収エネルギーが想定した運転期間の末期において68Jを下回ると予測される場合には,上部棚吸収エネルギー低下の予測に基づいた破壊力学評価を行い,将来にわたって原子炉容器の健全性を維持できることを確認しています。

 当社は,今後も試験を計画的に実施し,試験結果に基づきこれらの評価を行うことで原子炉容器の健全性を確認していきます。また,定期的に超音波探傷検査を実施し,原子炉容器に有意な欠陥のないことを確認していきます。



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