原子力発電について
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概要

 高エネルギーを持つ中性子などの放射線を金属材料に照射すると材料内部に非常に微小な欠陥(析出物等)が生じます。このような欠陥は材料の変形の際の抵抗になるため,材料は硬くなるとともに,破壊に対する抵抗力(破壊靭性)が低下し脆くなります。この現象を中性子照射脆化と呼びます。
 中性子の照射を受ける原子炉容器の炉心領域部ではこの中性子照射脆化が起こり,その程度は関連温度の上昇と上部棚吸収エネルギーの低下で把握できることが知られています。
 原子力発電所では,原子炉容器内に建設時に装荷した試験片を計画的に取り出して試験を行い,関連温度や上部棚吸収エネルギーを把握・監視するとともに,試験結果に基づいた評価を行うことで原子炉容器の健全性を確認しています。

図1 原子炉容器における中性子照射脆化


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