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原子力事業本部
若狭トピックス
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クレーン倒壊の原因と対策について福井県へご報告した際に頂いた指示等に基づき、再発防止対策の充実を検討するとともに2月13日から全ての原子力発電所で実施中の全工事(約1,500件)を対象に「安全管理の総点検」を実施しています。
総点検では、作業の計画から実施段階において、「リスク対策の実施・確認」「リスク感受性」「リスク情報の共有」の視点から適切に対応されているか確認しています。
さらに、確認にあたっては、各発電所、原子力事業本部も含め複数の目でダブルチェックを行っています。

●リスク対策の実施・確認 | ![]() |
安全上重要な機器等の近傍作業でリスクを検討し、対策を行っているか |
●リスク感受性 | ![]() |
リスクの検討は十分か。さらに火災防護、労災防止の観点からも問題ないか |
●リスク情報の共有 | ![]() |
暴風や大雨等のリスクを的確に入手、共有しているか |
当社は2月8日に原因と対策をとりまとめましたが、更なる安全性向上に向け、その内容をより実効性のあるものにすべく、第三者の視点から様々なご意見、ご助言を賜るため、3月8日に原子力安全検証委員会を開催しました。
委員会では、当社から原因と再発防止対策を報告、ならびに本件に関する社外の技術専門家2名の指導・助言の両方を踏まえ検証委員からご意見等をいただきました。
今後、検証委員からいただいたご意見等を踏まえた取組み方針をまとめ、改めて検証委員会を開催する予定です。
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- ◎リスクの感受性について、原子力安全に関しては安全対策を取られてきたが、原子力安全の周辺のことに関しての感受性も大切ではないかと思う。また、発電所内では、今までにはなかった土木工事が年々増えてきており、それに対するリスクについて、一般の方がどのように思っているかに十分留意しながら、その感受性を磨く文化を作っていくことも大事ではないか。 (渡邉委員長)
- ◎再発防止対策でがんじがらめにすると現場の人が大変になる一方で、そこを工夫しないとついていけなくなる。また、問いかける姿勢という安全文化の本質が見られなくなる心配も出てくるので、チェック・アンド・レビューで、現場での再発防止対策を安全管理、安全文化の二つの観点で適正化して、効果のある対策をしっかりと定着させていくことが重要だと思う。 (山口副委員長)
- ◎東京電力福島第一事故以降にリスクを評価し、原子炉安全に対する対策を取られてきたが、周辺に対する目配りが取られていなかったのではないか。そういった意味で、東京電力福島第一事故以降、取り組んでこられた安全文化について、まだ、改善すべき余地があるのではないか。例えば、協力会社との情報共有など、見直す必要があるのではないか。 (安部委員)
※1 原子力安全検証委員会 : 美浜発電所3号機事故(平成16年8月9日)を踏まえた再発防止対策について、社外の有識者を主体に独立的な立場からその有効性を検証するとともに、原子力の安全文化醸成活動、さらには、福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力発電の自主的・継続的な安全への取組みについても助言等をいただき、継続的な改善に支えられた安全の確保をより確実なものとするために平成17年4月26日に設置した委員会。
3月1日原子力規制委員会において、クレーン倒壊事故に関する議題が付議され、保安規定違反とされました。また、当社の安全管理対策への意識が希薄であった点が見受けられると評価を受けました。
当社は、再発防止対策を確実に実施し、安全管理対策に万全を期すとともに、保安検査等で再発防止対策の実施状況について確認いただきます。
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- ◎原子力規制委員会で、当社のクレーン倒壊に関する報告について議論され、当社からの請負会社に対するクレーン転倒防止対策の要求が不十分であったことから、保安規定違反(監視)とされた。
- ◎現場管理工事に対する安全管理対策への意識が希薄であった点が見受けられる。
※2 保安規定 : 法律に基づき、事業者が策定する原子力発電所の運転の際に実施すべき事項や、従業員の保安教育の実施方針など原子力発電所の保安のために必要な基本的な事項。なお、保安規定違反の判定基準における区分は、重い順に「1~3」・「監視」の4区分。
今後、監督官庁からのご指導や、原子力安全検証委員会でのご意見等を踏まえ、安全管理の総点検結果等をとりまとめ、関係各所へご報告します。